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「防耐火個別認定仕様と異なる仕様の商品を販売いたしました件」に関する
再発防止策等のお知らせ

YKK AP株式会社
2008年5月16日更新

弊社が「国土交通大臣の認定を受けた防耐火商品2品目で性能評価書と一部異なる仕様で生産・販売をいたしました件」(以下、本件)については1月25日にお知らせした通りです。弊社は今回の事態を厳粛に受け止め、品質担当執行役員を本部長とする対策本部を設置し、社外弁護士も加えて、原因究明と再発防止策を検討してまいりました。この結果を国土交通省に報告書として提出しましたので、下記の通り概要をご報告いたします。
お客様ならびに関係する皆様方には、多大なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを、あらためて深くお詫び申し上げます。

(1) 問題の概要

1.網入板ガラス入難燃ペーパーコア充てん鋼製片開き戸(防火用スチール採光窓付玄関ドア)

本製品は、特定防火設備として大臣認定された性能評価書と、次の点が異なる仕様で販売していました。

(1)バックアップ材の漏れ

性能評価書では、本製品の採光部のガラス溝部にバックアップ材を施すことにしていましたが、商品開発主担当者が販売開始直前に異動となり、その際に十分な引継ぎが為されておらず、バックアップ材の指示がない状態で本製品の生産を継続していました。

(2)気密材の材質変更

性能評価書では、本製品の枠の気密材にクロロプレンを使用することにしていましたが、商品開発主担当者の耐候性低下の可能性があるとの判断から材質をEPDMに変更しました。なお、EPDMという素材は通則認定品にも使用され、一般に防火性が認められています。そのため、担当者は防火性能に影響はないと判断し、大臣認定の再申請手続きを行っていませんでした。

2.複層ガラス入アルミニウム合金製折りたたみ戸(防火用住宅折りたたみ戸)

本製品は、防火設備として大臣認定された性能評価書と、次の点が異なる仕様で販売していました。

(1)気密材の材質変更

性能評価書では、障子の気密材およびガスケットにシリコンゴムを使用することにしていましたが、商品開発主担当者が本製品の汚染性、引裂特性を改良させる判断から材質をEPDM、PVCに変更しました。この変更は防火性能に影響はないとの判断から、大臣認定の再申請手続きを行っていませんでした。

(2)部材の取り外し

性能評価書では、ガラスにコーナーピースを施すことにしていましたが、商品開発主担当者が本製品の排水性を改良させる判断からこの部材を取り外しました。この変更は防火性能に影響はないとの判断から、大臣認定の再申請手続きを行っていませんでした。


(2) 問題発生の要因

当社としましては、調査の結果、今回の問題につきましては、以下の3点に主たる原因があったものと考えております。

1.防火設備等に関する知識と大臣認定申請ルールに対する認識の不十分さ

商品開発主担当者・責任者の防火設備等に関する知識および大臣認定申請ルールに対する認識の不十分さから、次のような判断ミスを招き、変更申請も怠っていました。

  • いずれの素材も防火性能が認められている通則認定品で用いられている材料であるため、耐火性は問題ないと過信し、使用量・使用部位を深く斟酌せずに用いてしまったこと
  • 変更申請の要否について、上記の認識から変更申請までが必要ない軽微な変更であると誤った判断をしていたこと
  • 変更申請を行うという認識が希薄であったこと

2.社内チェック体制の不備

(1)社内規定の不備

防火設備等の大臣認定の申請に関する手続きについて、社内規定による文書化がされておりませんでした。 また、開発プロセス上での商品開発担当者・責任者の判断基準が、個人によってばらつきがあり、商品開発者間に同一の認識があったとはいえない点がありました。

(2)開発プロセスの不明確さ

1)防火設備等の大臣認定の申請を担当者に全面的に一任するという体制をとっておりました。

2)防火設備等の商品開発の過程で、商品を練り上げ、課題を発見するためのデザインレビュー(開発プロセスの各段階で開催される担当者会議)におけるチェック項目について、防火設備等の認定申請に関する項目の確認が不十分でした。

3)個別商品の開発全般およびその開発プロセスの各段階における責任者が不明確となっている点があり、 会社としての最終チェックができていませんでした。

(3)チェック体制の不備

デザインレビューに参加する各担当者が同一事業部内の構成員であり、事業部外の独立した視点による複数の角度からのチェックがなされていませんでした。また、異動者があったときの引継ぎ状況を確認するなど、定期的に事業部および事業部外の者によるチェックがなされておりませんでした。

3.教育体制の不備

(1)関係法令、特に大臣認定申請に関するルールの認識について、商品企画者、商品開発者等に周知が徹底されていませんでした。

(2)商品開発者(責任者・担当者)に対して要素技術(材料、材質、物性、化学的性質等)の知識教育が不十分な点がありました。

(3)商品開発者(責任者・担当者)に対して要素技術や知識を提供する社内体制が不十分でした。


(3) 責任者の処分

今回の問題に関係した執行役員に対して厳重注意処分を実施いたします。


(4) 再発防止策

当社としましては、上記原因を踏まえまして、以下の再発防止策を講じていきたいと考えております。

1.緊急対策

(1)防耐火個別認定商品79品目の再確認

2008年1月20日から21日に、社外弁護士立会いのもと、弊社の保有する防耐火個別認定商品79品目(問題の2品目以外の製品)について、認定仕様と実販売品との相違の有無を再調査し、問題がないことを確認いたしました。

(2)コンプライアンス教育の実施

1) 2008年1月28日に開発責任者を対象としたコンプライアンス特別研修を実施いたしました。
2) 2008年2月21日に国内外の全役員および管理職を対象としたコンプライアンス全体会議を開催し、コンプライアンス意識の再徹底を図りました。

(3)「商品品質センター」の新設

2008年2月20日付で、全社共通の品質方針の策定と全社横断的に事業部の開発プロセスの再確認を行う機能としての「商品品質センター」を新設いたしました。
また、新規開発時の大臣認定申請方法に関するガイドラインを策定いたしました。

(4)開発プロセス見直し

今回の問題に鑑み、社内規定の不備、開発プロセスの不明確さ、チェック体制の不備を是正するために、商品品質センターを中心として、開発プロセスを見直すための社内プロジェクトを2008年2月22日に発足しました。

2.恒久対策

(1)開発プロセスの改善

1) 個別商品の開発全般およびその開発プロセスの各段階における責任者を明確にいたします。
2) 商品開発時におけるデザインレビュー等のチェック体制、その役割権限や関係文書の保管基準等について、継続的に徹底いたします。
3) 外部の専門家と協議の上、新規開発時の大臣認定の取得と、商品改良時における部品変更等の承認手続および大臣認定の変更申請に関する包括的なガイドラインを定め、制度化して運用いたします。
4) 業務引継ぎに関するルールを明確化し、業務の継続性を確保いたします。

(2)事業部品質保証部門の強化

事業部が主体となる品質保証体制をより強化するため、事業部の品質保証部門を事業部長直属の組織として再編し、人員の拡充を行うとともに、商品開発の過程に権限をもって参画させる体制にいたします。

(3)品質監査体制の整備

事業部品質保証部門においては、定期的に自らの事業に関わる製品について自己点検を行います。 「商品品質センター」においては、事業部から独立した視点をもって、上記自己点検を含め、各事業部品質保証部門が有効に機能しているか、そのプロセスを監査する体制といたします。
また、「商品品質センター」と事業部品質保証部門において、資格取得の推進を含め、品質保証担当人員の育成と拡充を図ります。

(4)商品開発者(責任者・担当者)に対する技術教育と支援体制の強化

商品要素技術者・部品要素技術者等による知識の提供や、データベースの充実等による商品開発者への支援体制を強化することにより、商品開発者全体の開発能力の向上を図ります。

(5)教育の徹底

1) 商品企画者・商品開発者等に対し、大臣認定ルールを含む技術関連法規に関する専門知識教育を実施いたします。
2) 商品企画者・商品開発者等に対し、開発プロセスに関するルールを周知徹底します。
3) 品質保証・品質管理担当者に対し、専門知識教育を実施いたします。
4) 全社員に対し、コンプライアンス意識向上のための教育を実施いたします。

以上

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