生活空間から都市空間まで、
時代に応え、未来を拓くYKK AP。

環境・社会報告書 2006

トップコミットメント


代表取締役 社長 吉田忠裕 窓を通して、その土地にふさわしい夢のある、美しい街をつくりたい。
トップコミットメント

意識しないで本来行うべき課題


YKK APでは、2005年から2008年までの中期経営計画の中で新しい事業目標を設定しました。「サッシメーカーから窓メーカーへの転換(窓事業の強化)」です。サッシというと、どうしても窓の部材と捉えられてしまいますが、部材ではなく窓そのものに新しい時代の要求するいろいろな性能や機能を備えていきたいと考えています。窓の大切な役割は採光ですが、その一方、遮光の役割も求められますし、通風の機能を持たせながら、気密性、断熱性、最近では防犯性にも配慮しなければなりません。つまり、相反するテーマを共に満たしていくという奥が深いものです。私たちは建材を「アーキテクチュラル・プロダクツ」と位置付けていますが、アーキテクチュラルというのは、アートとテクノロジーの融合であり、そこにはさまざまな才能が求められます。だからこそ取り組みがいがあるのです。

YKK APは、ものづくりメーカーとして、原料調達、製造、使用、廃棄というライフサイクルのそれぞれのステージで、地球環境、ならびに生態系に配慮することを当然の義務だと思っています。YKK APは、主にアルミ、樹脂、木質系を原料として、さまざまな建材商品を世の中に提供していますが、アルミ一つとってもそれをつくるのに、かなりのエネルギーを消費します。限りある資源やエネルギーを消費して、事業活動を行っていることを考えると、もちろん、品質やコストというものも大事なことですが、持続可能な方法に転換して、ものづくりを目指すことが求められています。

接続可能な方法に転換する

地球環境への負荷を軽減する技術に時間がかかってもチャレンジしていくことは大切です。会社は利益を出さないと継続できませんが、その利益は間違った手段で、または何かを無視して出せるという時代ではなくなってきています。ものづくりの過程では、環境問題につながるいろいろな要素が生じてきます。これからは、単純な価格比較ではなく、性能がまったく同じであるにしても、工場でどういう状態でつくっているのか、まったく同じに見えても、どういう材料・添加物でつくられているかが、問われてきます。

地球資源は有限であることを再認識し、持続可能な方法に転換しなければなりません。アルミについては、再生材料を使用することでアルミ製造時の電力消費量を大幅に削減することができます。樹脂は石油資源ですが、断熱性能が高く、省エネルギーにつながります。また、リウッドという再生木を開発しましたが、これは、間伐材の端材と廃プラスチックを利用したリサイクル可能な混合製品で、資源の循環を目的としたものです。

YKK APがお客様に提供する商品は、ライフサイクルの長い商品でありますから、現在圧倒的に民間住宅でCO2の排出量が増えていることを考えますと、日本中の居住用窓を100%複層化することによって、冷暖房効率を上げて、地球上全体のCO2の排出を抑えることができると考えています。

美しい街づくりを目指して

代表写真
YKK APは、窓事業を行うことで、さまざまな土地でのライフスタイルと文化の育成に貢献していきたいと考えます。持続可能なものづくりとは何かを常に考え、生産から輸送、施工など、あらゆる場面で持続可能な社会づくりのための、先導的な役割を務めていきたいと思います。

自然の営みの中で、もしかしたらもっと美しくつくれるはずの街を、実は我々が壊してないか。ここの土地の美しさは何なのか、自然の美しさは何なのか、歴史で培ってきた知恵はどうしてそこにあるのかなど、そういうことをもう一度見直して進めていくと、その土地に一番ふさわしい街の姿が出てくると思います。それが夢のある、美しい街の姿なのではないでしょうか。

現代の街は、新しい要素を考えもなしに入れ込んで新しくつくる傾向があります。言葉は悪いですが、人のことは我関せずのように進めていくと、アンバランスになってしまいがちです。持続可能な社会では、土地に根ざした文化がそれぞれにあることが重要です。経済的な発展を伴いつつ、豊かな環境の中で安心して暮らせる街。そして他の地域に影響を与えるほどの文化が育つこと。これを私は、「美の文明」と名付けたらどうかと提案しています。この美の文明は、環境と経済がバランスよく継続的に向上する持続可能な社会づくりにもつながると思います。

代表取締役 社長 吉田忠裕 署名