生活空間から都市空間まで、
時代に応え、未来を拓くYKK AP。

社会・環境報告書 2008

第三者意見


●	事業活動での取り組みについて

 昨年YKKグループでは、「善の巡環」を今後とも永続的に展開するために3つの「コアバリュー」を定め、社員一人一人の価値観の再認識をはかり実践の指南を策定いたしました。創業当時では当たり前と思われていたYKK精神も、創業から75年世界各国で国籍を超えたビジネスを展開していれば、社員の間に意識のすれ違いも起こることが考えられます。成果を三分配する、という基本の考え方が明文化され大変わかりやすくなりました。
 特に策定にあたって日本だけでなく、全世界の社員から意見や提案を聞き一緒に考えてきたプロセスは大切でした。社員皆さんの拠り所となる基本観ですから、上から押し付けられるのではなく時間をかけて全員で納得しあえたことで、このコアバリューは皆さんの腑に落ちるものになっているでしょう。今後この浸透について、展開されていくことを期待いたします。

社会・環境報告書2008について

 本年も報告の内容に海外の活動を多く盛り込み、YKKグループのグローバルでの地域・国でのCSR展開が伺えます。昨年のコメントに関する対応をみるとともに、今年の特徴について下記コメントいたします。

  • YKKグループ独自の従業員とのかかわりの視点
    人事体制や安全衛生といった制度面、管理面での従業員対応だけでなく、人材育成についても様々な展開をされていることが今年は強調されています。将来のビジネスリーダーとともに女性リーダーの育成という課題もきちんと捉えており、コアバリューの実践が伺えます。できれば、これらの育成プログラムの結果どれだけ社内のリーダーが育成され業務にプラスになったか、という成果がわかるといいです。成果といっても数値指標での把握にとらわれず、何かしらの計測でもって状況を把握・報告いただきたいです。

  • 世界での地域貢献
    YKKグループの地域の視野は、早くから日本国内に限らず世界に向いています。今後は特に新興国での社会基盤の改善が世界経済の課題になっています。YKKでは昨年インドに社会訓練・職業訓練センターを設立され、地域のニーズに応える活動を発展されています。単に地域を援助するということでなく、地元の人材の自律を促す実践プログラムを展開することは、将来の経済発展につながる方策です。今後とも、地域貢献の活動とともに事業展開した国の将来へのベネフィットにつながる活動を継続的に展開してください。

  • 環境への取り組み
    全世界でより深刻になっている環境問題に対し、これまで以上に対策を進めておられます。既に取り組んでいるCO2についても、基本的な燃料の転換によって大幅な削減を達成されました。燃料費高騰のなか、コスト削減にも貢献する対策です。このような各種の努力を、世界各国でこれからも続けてください。

(株)創コンサルティング
代表取締役 海野みづえ
プロフィール
千葉大学大学院修了後、経営コンサルティング会社勤務を経て、1996年(株)創コンサルティングを設立。

ブラザー工業 社外取締役
東京大学大学院、法政大学大学院 非常勤講師
内閣府など官庁の各種委員も務める
海野みづえ