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時代に応え、未来を拓くYKK AP。

ステークホルダーダイアログ地域社会とのかかわり

共に考える「地域社会の中のYKKグループ」

 YKK グループは、対話を通じてステークホルダーの皆様と意見を交換するステークホルダー・ダイアログを2010年より毎年開催しています。第6回目(2015年5月8日)のダイアログでは、前年に引き続きファシリテーターとして九里 徳泰先生をお迎えし、調達先から消費者、地域社会、環境団体、学生などあらゆる層のステークホルダーにご参加いただいた後、午後からワークショップ形式でステークホルダーの皆様と社員とで意見交換を行いました。

参加者の皆様(敬称略)

<ナチュラリスト>
松木 紀久代
(黒部峡谷ナチュラリスト研究会 副会長)
<消費者>
稲垣 里佳
(富山県地球温暖化防止活動推進員)
<近隣自治体>
高本 美智子
(黒部市役所 市民生活部市民環境課 課長補佐・環境係長)
<環境団体>
万尾 和恵
(公益財団法人とやま環境財団協働交流課長)
<地域住民>
大上戸 久雄
(村椿自治振興会 会長)

<調達先>
里坊 拓美
(関西ペイント販売株式会社 北陸営業所 富山グループ係長)
<学生代表>
大石 直人
(富山県立大学大学院工学研究科環境工学専攻1年)
<海外留学生>
宋 笑晶
(富山県立大学工学部環境工学科特別研究生)
<ファシリテーター>
九里 徳泰
(相模女子大学学芸学部 教授/富山県立大学大学院工学研究科 非常勤講師)

黒部川扇状地めぐり

 午前中は、黒部川流域をめぐる「ジオ&みずはくツアー」を運営する黒部川扇状地フィールドミュージアム事業推進協議会(みずはく)の長谷川 憲二氏と稲葉 泰一氏にガイドしていただき、「水の大循環」をテーマに各地を見学し、地域社会の中でのYKKグループの存在価値を探りました。

森が育む水-「水の大循環」を体験する

 「ジオ&みずはくツアー」は、黒部川扇状地の成り立ちと水・自然・歴史を約半日かけて紹介する内容となっています。この日は、黒部川上流の「とちの森」(水源の森)を宇奈月ダムから視察した後、黒部川に沿って愛本橋と黒部川堤防、豊かな水資源を利用した水力発電所や水田が広がる田園地帯などを見学しました。

  • 1 とちの森 (水源の森)・宇奈月ダム

  • 2 愛本橋

  • 3 黒部川堤防

  • 4 低落差水力発電所

  • 5 扇状地に広がる水田

  • 6 生地湧水(共同洗い場)

YKKグループに期待すること (ステークホルダーの皆様からのご意見)

 午後からは、ステークホルダーの皆様が3つのグループに分かれ、午前中の黒部川扇状地めぐりをもとにワークショップ形式でYKKグループ社員と意見を交換しました。

「開かれた企業へ」

境界線を無くし、「見える化」を徹底

 「森」と「水」とのつながりを、今回の見学で実感しました。この“つながり”を、「ふるさとの森」などでもっとアピールしてほしいです。

 開かれた企業にするには、まずはYKKグループの社員に会社のことをよく知ってもらい、社外に広めてもらうことが重要だと思います。

 黒部川流域全体をひとつの“森林”としてとらえる一方、黒部事業所の「ふるさとの森」をより外向きにしてほしいです。森が成長するには、間伐だけでなく、外の人がかかわりやすいといった意味での“スキマ”が必要です。会社の壁を取り払い、外から見えるようにすることで、より開かれた企業になることを期待しています。

「森を守る」

まずは「知る」ことから始まる

 森と水、山と海の循環とつながりについて、まずは知ることが重要だと思います。

 たとえば、森と海がつながっていることを知れば、漁業と林業が連携した包括的な取り組みが進むと思います。

 YKKグループ単独ではなく、できる限り多くの、幅広い層の人々を巻き込む工夫が求められると考えます。

「コラボレーション・協働」

数値だけでない、「わかりやすさ」が必要

 環境データなどの数値の開示だけでない、あらゆる年齢層に訴える「わかりやすさ」が必要だと感じます。それには、「遊び」の要素も必要です。体験型のイベントを増やすほか、遊具やベンチなどを設けてみてはいかがでしょうか。

 地元行政との連携や出張講座なども、協働のきっかけになると思います。

YKKグループに望むこと/YKKグループをもっと知ってもらうには?

1. YKKグループのファン/リピーターを増やす努力を!
  • 道路沿いにYKKセンターパークをPRする看板を設置してみては?
  • 四季を感じるセンターパークにしてほしい
  • 直接ふれて、体験できるイベントを増やしてほしい
  • 商品だけでなく、製造面での環境配慮をもっとPRしてほしい
2. 地元・黒部全体をもっと活性化してほしい
  • YKKグループ単独ではなく、地元行政・企業との連携などさまざまな形での協働が必要
  • 住民から商品アイデアを募るなど、双方向のコミュニケーションに期待
  • 地元の子どもが将来就職したいと思う会社でいてほしい

2014年度活動報告

 YKKグループでは、毎年のステークホルダー・ダイアログで頂いたご意見を事業活動に反映し、その結果をステークホルダーの皆様に報告しています。2014年度は、黒部事業所内の「YKKセンターパーク」および「ふるさとの森」の活用を中心にご意見を頂き、センターパークのリニューアルなどに取り入れました。

2014年度ステークホルダー・ダイアログを受けて

ご意見
ご意見への対応
1. 「YKKセンターパークは一般開放されているが、ゲートが入りにくい印象を与える」 センターパークのリニューアルに伴い、正門守衛・ゲートを撤去しました
2. 「地域とのコミュニケーション(PRを含む)が弱い印象」 マスコミへの情報提供の頻度を高め、テレビ、新聞、雑誌などへの掲載件数を増やしています
3. 「“ふるさとの森”が工場の敷地内全体に広がるとよい」 工場建屋の改修時に緑地の確保を織り込むこととしました
4. 「社員とその家族向けのイベントもあった方がよい」 社員とその家族を対象とした「ふるさとの森探険ラリー」を企画しています
5. 「あらゆるステークホルダーが森づくりに関与できるとよい」 地域住民と一緒に防風林(クロマツ)の植樹活動を始めました
6. 「吉田科学館とコラボしてみては/ホタルの季節はセンターパークの開園時間を延長してみては」 「とやまエコキッズ探検隊」を吉田科学館(みずはく)と共同実施、また11月末までの火・木曜日のセンターパーク開園時間を19時まで延長しています

ステークホルダーダイアログを通して

九里 徳泰 くのり のりやす

( 相模女子大学学芸学部 教授/富山県立大学大学院工学研究科 非常勤講師)

 YKKグループのステークホルダー・ダイアログは、2010年の開催から6回目となりました。本ダイアログの大きな目的は、企業の成すべきこと、目指すべき姿を、ステークホルダーの方々と共に考えていくことにあります。YKKグループにおいては、本ダイアログを6年間継続して行い、社会からの意見を企業行動に反映していることを高く評価します。
 本年度のダイアログでは、午前中に事業所が立地する黒部川扇状地を形作る黒部川の水循環を上流から河口まで視察し、午後に現場の社員も交え、「地域社会でYKKグループがすべきこと」を3グループで話し合いました。開かれた企業へ、森を守ることが健全な水循環につながる、企業活動の「わかりやすさ」などが指摘されました。そのような課題の解決のためにYKKグループはすでに多くの企業活動を行っていますが、社会での認知度を高めるためにも黒部事業所をはじめ既存のプロジェクト、施設にもっと多くの人が参画してもよいのでは、という指摘も出ました。ステークホルダーからの指摘を受けて改善がなされることを期待します。また、海外展開をしているYKKグループは、ステークホルダー・ダイアログを海外でも展開していただき、さらなる前進をしていただきたいと思います。

Topic

黒部川扇状地全景

森が育む豊かな水資源

 黒部川は、北アルプスの氷河と麓に広がる原生林の森を水源としています。上流を降る雨の約半分は「とちの森」で吸収され、地下水となってゆっくりと河川へ流れ出し、やがて海に戻ります。また、多様な植物が育む豊かな土が、下流の農地や漁場に必要な栄養分をもたらしています。海から山へ、山から海へ。水と命の大循環をつなぐ大切な役割を、森が担っています。豊かな森が育む水資源は、いまでも地域の生活と経済活動にとって欠かせないものとなっています。

社会・環境報告書2015