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カンパニー
YKKグループは、本業を通じた持続可能な社会への貢献に取り組んでまいります。

ステークホルダーダイアログ地域社会とのかかわり

共に考える「地域社会の中のYKKグループ」

 YKKグループは、ステークホルダーの皆様と意見交換するステークホルダー・ダイアログを2010年より毎年開催しています。第7回目(2016年4月21日実施)のダイアログでは、前年に続きファシリテーターとして九里 徳泰先生をお迎えし、取引先から消費者、地域社会、環境団体、学生などあらゆる層のステークホルダーの皆様にご参加いただきました。午前中に富山県黒部市のYKK社宅跡地で整備を進めている「パッシブタウン」を見学いただいた後、午後からワークショップ形式でステークホルダーの皆様と社員とで意見交換を行いました。

皆様で植樹した桜の木とともにYKKセンターパークにて

参加者の皆様

<ナチュラリスト>
松木 紀久代氏
(黒部峡谷ナチュラリスト研究会 副会長)
<消費者>
稲垣 里佳氏
(富山県地球温暖化防止活動推進員)
<自治体>
高本 美智子氏
(黒部市役所 市民生活部市民環境課 課長補佐・環境係長)
<環境団体>
佐野 敦氏
(公益財団法人とやま環境財団協働交流課長)

<地域住民>
大上戸 久雄氏
(村椿自治振興会 会長)
<取引先>
平野 明氏
(平野工務店株式会社 代表取締役)
<学生>
大石 直人氏
(富山県立大学大学院工学研究科環境工学専攻2年)
<海外留学生>
宋 笑晶氏
(富山県立大学大学院工学研究科環境工学専攻1年)

パッシブタウン見学

 YKKグループが進めるまちづくりの一つである自然エネルギーを活用したパッシブタウンは、2025年までに約250戸の整備を目指す複合型賃貸集合住宅です。今回は、完工した第1期街区の見学を行い、YKKグループが未来に向けた暮らしを提案する住まいを体感してもらいました。

パッシブタウンとは

パッシブタウン第1期街区の一角にて。外壁上部に
見えるパネルで太陽熱を集めて給湯に利用する

コンセプト
  • 21世紀の持続可能な社会にふさわしい、ローエネルギーなまちと住まい
  • 地下水や自然エネルギーを積極的に取り入れた、地球に優しい快適な暮らし
  • 黒部の気候風土と自然環境を活かすランドスケープ
  • 地域と共生し、コミュニケーションが活性化する、開かれたまち
  • 仕事と生活が調和する、働きやすい、住みやすいまち

自然エネルギーを活用した生活を体験する

 パッシブタウンの見学を通じて、参加者からは「自然エネルギーがここまで活用されているのか」という驚きや、「設計の工夫によって風や日光をうまく取り入れていますね」という声も聞かれ、年間を通じて快適に過ごせることを肌で感じ取っていただきました。また、地下には間伐材など県内で不要となった木材をチップ化した燃料を利用するバイオマスボイラーを備えており、地域内でのエネルギーの地産地消も図られています。

  • パッシブタウン内に開設された「たんぽぽ保育園」の屋上にて。社員が安心して働き続ける環境づくりにも配慮している

  • パッシブタウンの商業棟にて。
    風(あいの風)の通り道を街区全体に行き渡らせる設計となっている

  • モデルルーム内にて。全室南向きで開放感があり、冬場の日射を大きく取り入れることで暖かく過ごせる

  • モデルルームベランダにて。夏場の強い日射対策として効果的に風や光をコントロールできるオーニングなども備えている

  • 地下駐車場にて。この下に貯水施設を備えており、地下水熱を冷房に利用している

「低炭素型まちづくり」を考える

 午後からは、ステークホルダーの皆様が3つのグループに分かれ、YKKグループの社員とワークショップ形式で、「2050年に向けた黒部市の低炭素型のまちづくり」について意見交換を行いました。

パッシブ思想の拡大と共動・共有社会の実現

 私たちは2050年には黒部市の全てのまちをパッシブタウン化したいと思います。低炭素社会につながるものとして、共有できるものはなるべく地域で共有すること、加えて地域の自然資源を活かすシステムを作ることが必要であると考えました。例えば、交通システムにおける電気自動車のカーシェアリング、その電気の供給源は黒部市内の河川を利用した小水力発電による自然エネルギーを活用する、さらにはダムの流木や間伐材の資源化・再利用なども考えられます。
 そのような未来社会を黒部で実現させるため、地域の資源、住民の知恵、そこにYKKグループの「共動」をかけ合わせていきたいと思います。

黒部らしさを活かしたライフスタイルを描く

 黒部で未来の低炭素社会を実現するには、私たちのライフスタイルも見直さなければならないと思いました。自動車には乗らず自転車で移動する、誰でもどこでも利用できる循環する交通網で移動をシェアすることなども考えられます。また、黒部には海・山・川という豊富な自然があるので、これらを活かし、不要な電気やガスを使わない住まいや街などが体験できるエリアを実験的に展開することも面白いかもしれません。エネルギーに頼らず健康的でいきいきと生活している黒部市民の姿が理想です。現状では難しいかもしれませんが、実現できるよう、パッシブタウンを推進するYKKグループに期待しています。

ロードマップで描くゼロエミッションコミュニティーの実現

 私たちのグループでは、まず2050年の黒部市のあるべき姿を描き、それを実現するためのロードマップを考えました。2050年には、全てのエリアでのパッシブタウン化やゼロエミッションコミュニティーが実現し、生ゴミでさえも発電に利用し、その電気を利用して車も走る完全循環型社会が実現した低炭素なまち―黒部市を想定しました。その実現のために、近い将来である2020年には、カーシェアやパッシブタウンがこれまで以上に拡大していることでしょう。
 低炭素社会は黒部市から始まるかもしれません。YKKグループには今後も黒部市のパッシブタウン化を進めてもらいたいと思います。

ステークホルダーダイアログを通して

九里 徳泰 くのり のりやす

・相模女子大学学芸学部教授
 博士(工学)
・富山県立大学大学院工学研究科
 非常勤講師(環境経営)
・富山市政策参与

 ステークホルダー・ダイアログは2010年より開催され7回目となりました。ステークホルダーの意見を企業経営に取り入れ実践することは容易ではありません。ダイアログの継続と真摯な企業態度を高く評価します。本年度は、全世界での温暖化対策「パリ協定」を背景に、黒部事業所のある黒部市の「低炭素型まちづくり」を3グループで話し合いました。企業と市民が共動・共有、黒部らしい低炭素ライフスタイル、ゼロエミッションコミュニティー構想と意欲的な意見が多く出ました。これらの意見を受けYKKグループが実践できることから始めていただきたいと思います。

社会・環境報告書2016