ニュースリリース

YKKグループ
第4次中期経営計画(2013年度~2016年度)の振り返りと第5次中期経営計画(2017年度~2020年度)

企業情報

1.YKKグループ 第4次中期経営計画の振り返り

 第4次中期経営計画では、「21世紀を勝ち抜く経営自己変革への挑戦」という経営ビジョンの下、マーケットニーズや顧客視点を常に意識しながら、激しい事業環境を勝ち抜き、中期経営計画を達成する為に求められる最重要ポイントを「商品力と提案力」とそれらを支える「技術力」の3つの力と位置付けました。
 各事業はこのビジョン及び重要ポイントに基づき、ファスニング事業では「新たなる成長戦略の展開」、AP事業は「商品力・提案力によるAP事業の持続的成長」を事業方針に掲げ事業を遂行してまいりました。

(1)第4次中期経営計画進捗状況 および 2016年度グループ連結業績

 中期経営計画初年度の2013年度に数値面では中期経営計画を上回りましたが、2016年度はファスニング事業で販売を伸ばしきれなかったこと、為替の影響もあり、業績は前年を下回る見込みです。次期中期への課題も残しましたが、ファスニング・AP両事業共にそれぞれの課題にしっかりと取り組んだ成果が出た今中期であったと捉えております。
 YKKグループ連結売上高は7,144億円で前年比96%、計画比91%、営業利益は578億円で前年比84%、計画比78%、売上高営業利益率は8.1%、純利益は406億円で前年比91%、計画比72%となる見込みです。

(2)ファスニング事業 第4次中期経営計画の振り返りと2016年度 業績

 今中期では、欧州での商品開発機能を充実させ高級品分野での販売を拡大、グローバルマーケティング活動の強化により日米欧大手量販店の需要を獲得、縫製基地がアジアへ移行する中、当地域での増産体制を整え需要を捕捉したことにより前中期より大幅に売上を伸ばしました。一方、中国経済の成長鈍化に伴う中国市場での競争激化、縫製品の小売り価格の下落、原材料安等の影響もあり、市場での価格競争が激化しました。
 ファスニング事業2016年度売上高は2,935億円で前年比90%、計画比89%、営業利益は465億円で前年比77%、計画比79%となる見込みです。欧州における高級鞄向け販売や中国・アジアにおける春夏物衣料品向け販売が好調だった半面、北中米で続いた顧客の生産調整や為替の影響があり、減収の見込みです。営業利益も継続的なコスト削減や原材料価格下落による増益要因があったものの、中国・アジア地域の増販・増産対応に向けた投資に伴う償却費増や労務費増等、固定費の増加や為替変動の影響等により、減益となる見込みです。2016年度ファスナー販売本数は前年度並みの87.7億本の見込みです。

(3)AP事業 第4次中期経営計画の振り返りと2016年度 業績

 今中期、国内では、高い省エネ性能の住宅への需要拡大に伴い、樹脂窓化推進に向けた仕掛けづくりを行い、販売を拡大してまいりました。また、YKK AP R&Dセンターを開設し、プロユーザーとの接点を強化して新たな商品や技術提案に向けた基盤を整備しました。海外では、米国は市場が堅調に推移し、販売エリアを西海岸へ拡張して販売を伸ばした一方で、中国は不動産市場が停滞し苦戦しましたが、その他 アジア地域はインドネシアおよび台湾において収益力が確立できました。
 AP事業の2016年度売上高は4,134億円で前年比101%、計画比92%、営業利益は270億円で前年比111%、計画比87%の見込みです。国内では提案営業を強化し、特に窓事業が大幅に伸長しました。海外では、全体として緩やかな回復基調が続き、安定した収益を確保したことにより増収増益の見込みです。

2.YKKグループ 第5次中期経営方針

(1)YKKグループ 第5次中期経営計画 全体方針

 第5次中期経営計画(2017年度~2020年度)においては、「Technology Oriented Value Creation『技術に裏付けられた価値創造』」という経営ビジョンの下、「商品力と提案力」、「技術力と製造力」、「人材育成」を最重要ポイントとして、各事業にて事業方針を掲げ、中期経営計画達成に向けた取り組みを推進いたします。
 営業利益率は8%以上を確実に達成し、ROAについても5%以上を目指します。

(2)YKK株式会社 第5次中期経営計画 事業方針

 YKK株式会社では、猿丸 雅之に代わって4月より大谷 裕明が社長に就任し、新たな体制で次期中期に取り組んでまいります。
 両事業を技術面で支える工機技術本部とファスニング事業を中心としたYKK株式会社では、「ものづくりの進化と革新」を第5次中期事業方針に掲げ、それを実現させる為に「Standard向けのYKKものづくりへの挑戦」を積極的に進めてまいります。

【ファスニング事業 第5次中期経営計画 事業方針】
 事業方針として「更なる量的成長を目指して」を掲げ、それを実現させる為に「Standardでの競争力強化」を進め、「より良いものを、より安く、より早く」顧客に提供する事を目指します。その根幹にあるのは技術であり、数字ありきではない質の伴う成長を目指してまいります。
 重点施策として、更なる開発体制の強化、バリエーションの拡充、納期対応、コスト競争力強化を掲げ、〝Standard向けの商品&ものづくりへの挑戦〟に取り組んでいきます。
 量的成長に向けた積極投資として、次期中期の4年間で1,541億円を投資します。うちアジアは651億円、中国は257億円と、総投資額に占めるアジア・中国の割合は約6割を占めます。また、第4次中期でも進めてきた開発体制の強化を継続し、開発拠点を現在22拠点から2020年には41拠点に増設、開発人員も250名増員して2020年には1,060名体制とし、各地域で顧客からの要望に対してより迅速に対応できる体制を築きます。
 2017年度ファスニング事業の売上高は3,141億円、営業利益535億円、2020年度には売上高3,853億円、営業利益698億円と大きな伸びを計画しています。ファスナー販売本数は2017年度 94.9億本、2020年度は128.8億本を目指します。

【工機技術本部 第5次中期経営計画 執行方針】
 ファスニング・AP事業の一貫生産を支える工機技術本部では、第5次中期執行方針として「基盤となる要素技術の強化と進化」を掲げ、「スタンダードへの挑戦~『高機能』『低価格』の追求~」を目指します。重点施策としては「第2段階の事業の製造現場に適応する設備開発」を進めると共に、「中長期視点に立った技術開発」において要素技術の深耕、技術人材の戦略的な育成を図ってまいります。
 この中で、「中長期視点に立った技術開発」に向け「ロボット活用技術の強化」を進めるにあたっては、2017年4月より黒部事業所に「先進ロボットFAセンター」を設置し、事業に特化した専用の要素技術開発を通して事業の製造現場における最適なロボットシステムを構築し、商品とものづくりの進化に対応できる製造ラインづくりを図ってまいります。

(3)YKK AP株式会社 第5次中期経営計画 事業方針

【AP事業 第5次中期経営計画 事業方針】
 国内の新設住宅着工戸数の縮小が予測される厳しい市場環境においても、事業の持続的な成長を目指し、「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」を事業方針に掲げ、7つの事業・業務領域でそれぞれ重点施策に取り組みます。
 住宅事業では、行政による「省エネ基準強化」や「建材トップランナー制度」を踏まえ、窓の高断熱化を進めると共に、商品ラインナップを拡充します。リノベーション事業では、断熱と防災を軸とした開口部リフォームによる新たな需要を創造していきます。また、海外AP事業・ファサード事業では、「基盤再強化とターゲット市場の拡大」を目指します。
 2017年度AP事業(国内・海外)は、売上高4,241億円、営業利益254億円、2020年度で売上高4,589億円、営業利益で313億円を計画しています。

(4)YKKグループ 第5次中期経営計画 連結収支計画

 YKKグループ連結収支は、初年度の2017年度においては売上高7,435億円(2016年度推定比104%)、営業利益633億円(同 110%)、売上高営業利益率8.5%、純利益475億円(同 117%)、ROAは4.8%を計画しております。最終年度の2020年度においては、売上高は8,493億円で2016年度推定に対して1,349億円の増収、営業利益は868億円で同 290億円の増益、売上高営業利益率は10.2%、純利益は635億円で同 229億円の増益、ROAは5.7%を目指します。設備投資は4年間で2,770億円を投資する計画となっております。

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