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YKKグループ
第5次中期経営計画(2017年度~2020年度)の振り返りと第6次中期経営計画・2021年度経営方針のポイント

企業情報

1.YKKグループ 第5次中期経営計画の振り返り

 第5次中期経営計画(2017年度~2020年度)では、「Technology Oriented Value Creation『技術に裏付けられた価値創造』」という中期経営ビジョンの下、「商品力と提案力」、「技術力と製造力」、「人材育成」を最重要ポイントに位置づけ取り組んでまいりました。このビジョン及び最重要ポイントに基づき、中期事業方針として、ファスニング事業では「ものづくりの進化と革新」という方針の下、「更なる量的成長を目指して~より良いものを、より安く、より速く~」を、AP事業では「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」を掲げ、事業を遂行してまいりました。

(1)YKKグループ 第5次中期経営計画 達成状況と2020年度 連結業績

 第5次中期経営計画最終年度の2020年度はコロナ禍に見舞われた1年となりました。そのマイナス影響は大きく、YKKグループ連結業績は計画から大きく乖離する見通しです。2020年度は、売上高6,457億円(前年比88.1 %、計画比86.1 %)、営業利益193億円(前年比46.7 %、計画比43.4 %)、営業利益率は3.0 %を見込んでいます。

(2)ファスニング事業 第5次中期事業計画 達成状況と2020年度 業績

 2020年度業績は、売上高は2,420億円(前年比80.1 %、計画比78.7 %)、営業利益111億円(前年比30.7 %、計画比29.3 %)、営業利益率4.6 %、販売数量は76.4億本(前年比80.1 %、計画比76.0 %)と減収減益の見込みです。第5次中期目標128.8億本との乖離が生じていますが、その要因として新型コロナウイルス感染症拡大、継続する暖冬などの気候変動、米中貿易摩擦の影響や、アパレルトレンドの変化による需要減少等に加え、市況に左右されないコスト競争力の不足も認識しています。

(3)AP事業 第5次中期事業計画 達成状況と2020年度 業績

 2020年度はAP事業開始30年の節目であり、また9月には海外会社の資本を再編、YKK AP子会社とし海外事業拡大に向けた体制を整えました。2020年度売上高は3,995億円(前年比93.8 %、計画比91.4 %)、営業利益は200億円(前年比87.5 %、計画比83.7 %)の減収減益となる見込みです。
 国内では、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛のなか、新たな営業活動としてオンライン情報発信「RELATIONS NEXT『窓で、安心。』」をテーマとするフォーラムやWEB展示会を開催、住宅用の樹脂窓と複合窓を軸とした窓の高断熱化を推進し、高断熱化率を67 %まで高めました。また、防災需要の高まりにより窓シャッターリフォームが伸長しています。エクステリアでは家一棟のトータルコーディネイト、ビル事業では個別防火商品の拡充と供給力強化を進めました。海外では、中国は同感染症が早期に収束しましたが、ターゲットである超高級市場の低迷により前年並みとなりました。米国ビル建材・アジアでは同感染症の影響の長期化により市場が大きく落ち込みました。一方、米国の住宅建材では郊外での着工戸数の増加により販売は過去最高を更新しました。

2.YKKグループ 第6次中期経営計画

(1)YKKグループ 第6次中期経営計画 全体方針

 第6次中期経営計画においても、第5次中期経営計画のビジョン「Technology Oriented Value Creation『技術に裏付けられた価値創造』」を継承します。最重要ポイントは「持続可能な社会の実現に向けた創造力」とし、第5次中期経営計画で掲げた「商品力と提案力」「技術力と製造力」に「多様人財」を加えます。
 YKKグループ経営体制は、2020年度にYKK株式会社とYKK AP株式会社の資本と事業運営体制を見直したことを受け、2021年度からは工機技術本部をファスニング事業とAP事業にそれぞれ融合し、よりスピーディーに各事業に特化した設備開発と機械製造のエンジニアリングを行う体制に変更します。併せて、研究開発部門であるテクノロジー・イノベーションセンターを新設します。この経営体制の変更を受け、YKK株式会社はファスニング事業を中核とした世界5極経営体制を、YKK AP株式会社はAP事業を中核とした連結経営体制とします。両社は異なる経営体制を持ちつつ、YKK精神「善の巡環」と経営理念「更なるCorporate Valueを求めて」を共有する企業集団となります。これら両事業を、新設するテクノロジー・イノベーションセンターが技術面から支え、それぞれの事業競争力を高めていく体制とします。

(2)YKK株式会社 第6次中期経営計画 事業方針
  【ファスニング事業 第6次中期事業方針】

 第6次中期事業方針として「新常態下での持続的成長~多様な顧客要望の実現と顧客創造」を掲げます。コロナ禍を経て、一層社会から求められるソーシャルグッドな存在であり続けるために、第5次中期経営計画で掲げた方針「より良いものを、より安く、より速く」に「よりサステナブルに」を加え、社会とともに持続的な成長を続ける会社を目指します。更に、それらを支える技術としてデジタル化を進めてまいります。
 また、ファスニング事業本部と工機技術本部による組織運営を一つにし、営業、製造・技術、管理といった機能別に組織を配置するフラットな体制に変更します。テクノロジー・イノベーションセンターの新設と併せて、ファスニング事業の持続的成長に向けて全社一丸となって取り組む体制となります。更に、これまで世界6極経営体制としてきた海外地域経営体制も、東アジア、Americas、EMEA、ASAO、中国の5極経営体制に変更します。また、商品と商流の特性等を考慮し、日本、Americas、Europe、ISAMEA、ASEAN、中国の6つの事業地域を設け、各地域のビジネスリーダーを中心とした事業運営を行います。これにより、ビジネスリーダーによる事業推進と地域統括会社によるガバナンスの役割を明確に分けた体制とします。
 この新体制のもと、2021年度は、売上高2,734億円(前年比113.0 %)、営業利益114億円(前年比103.1 %)、販売本数は88.6億本(前年比116.0 %)を計画しています。

(3)YKK AP株式会社 第6次中期経営計画 事業方針
  【AP事業 第6次中期事業方針】

 AP事業は、これまでのYKK精神・経営理念に加え、パーパス「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」を根幹に定め、第6次中期事業方針「商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現」のもと、国内外AP事業一体となった活動を推進していきます。商品による社会価値の提供では、安全・安心・省エネ・省施工・健康・防災・換気など、社会の要請に応える商品を提供していきます。モノづくり改革の実現では、工機部門の融合による技術力強化や、プラットフォーム化・スマートファクトリー化による構造改革を進めていきます。住宅事業では、断熱化・安全・安心の新商品を展開し、ビル事業では首都圏強化と改装強化に取り組みます。海外事業では不透明な状況が継続するなか、国/地域に合わせた事業拡大を行います。これらの事業を通して、2050年カーボンニュートラル実現に向け、計画的に取り組んでいきます。
 2021年度の投資計画は、首都圏ビル新工場の新設、YKK AP30ビル建設、サステナビリティ投資、米国・蘇州・インドネシアでの増産合理化投資として合計298億円を予定しています。2021年度AP事業売上高は4,231億円(前年比105.9 %)、営業利益214億円(前年比107.2 %)、当期純利益は137億円(前年比98.8 %)を計画しています。

(4)YKKグループ 第6次中期経営計画・2021年度 連結収支計画

 YKKグループ連結収支は、売上高は7,011億円(前年比108.6 %)、営業利益321億円(前年比166.8 %)、売上高営業利益率4.6%、当期純利益203億円(前年比174.0 %)、ROA 2.0 %、設備投資526億円(前年比130.2 %)の計画となります。

以上

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