価値創造と経営戦略

YKK APの価値創造

価値創造プロセス

価値創造のベースとなる6つの経営資本

「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」をパーパスに掲げるYKK AP。高品質な商品・サービスを生み出す企業活動を通して、顧客・社会・社員に価値を提供する、このサイクルの源泉となるのが6つの資本です。事業機会やリスクを見極めながら戦略的な資本投下を行い、持続的な成長を目指します。

  • 特段の注のないものは2023年3月末時点もしくは2022年度実績、対象範囲はYKK APグループ(国内+海外)

財務資本

Financial Capital

自己資本比率 57.9%
純資産額 2,660億円/総資産額 4,558億円

<事業活動を支える財務基盤>

2022年度の営業利益は全体では増益となったものの、資材価格高騰などに対応するため、引き続き価格改定や製造コストダウンなどにより、収益の改善を図っています。売上高1兆円規模を目指すビジョン「Evolution 2030」の実現に向けて、まずは企業活動のベースとなる情報インフラ等の管理基盤、次に設備・人材へ経営資源の配分を計画しています。経営指標や各事業の成長率を意識しながら、資本効率の追求も進めていきます。

人的資本

Human Capital

国内従業員 12,802名 海外従業員 4,341名

<企業理念を共有した「森林集団」>

「自律と共生」の考えをもとに、社員一人ひとりが十分に力を発揮できる制度や環境づくりを進めています。目指す姿は、一本一本の木が独立しながら森林を形成するように、一人ひとりが「経営者」という意識を持ち、全員が手を携えて一緒に大きく育つ「森林集団」です。価値創造の源泉となる従業員のエンゲージメント向上に向けて、多様な人材が活躍するための制度設計や環境整備を進め、「働きやすさ」「働きがい」のある職場環境を実現していきます。

製造資本

Manufacturing Capital

製造拠点 国内 24拠点 海外 12拠点

<原材料生産から出荷配送までの一貫生産体制を支える技術力>

YKK APは国内外の拠点で一貫生産によるモノづくりを行っており、需要地の近くで製造するという基本的な考えのもと、各国/地域に根差した製造供給体制を構築しています。さらに商品の生産設備を開発・製造する工機技術により技術競争力を高めています。またスマートファクトリーの実現に向けたAIやロボット技術などの研究・開発やDX推進も加速させています。

社会・関係資本

Social and Relational Capital

国内拠点 195拠点 海外拠点 11カ国/地域
※関係会社 国内6社 海外20社(2024年2月1日現在)

<ステークホルダーとの信用・信頼をベースにした共創関係>

地域に信頼され、社会に愛される会社であり続けるために、社員をはじめ、お客様、お取引先、地域社会などあらゆるステークホルダーの皆様と共働しています。さまざまな形で対話・共創の場を設け、職場・業務の改善や商品の品質向上に取り組んでいます。産官学民連携による、樹脂やアルミ素材のリサイクル技術開発や仕組みづくりにも取り組んでいます。

自然資本

Natural Capital

エネルギー消費 161千kl(原油換算)
水使用量:8.9百万m³
原材料:アルミ 125千t、樹脂 22千t

<ライフサイクルの全ての段階で環境価値を創出>

次世代に対してより良い社会・環境をつくるために、技術革新による新しい価値の創造、環境負荷ゼロに挑戦しています。自然資本の保全や有効活用とともに、研究開発から製造、物流、施工や商品使用、廃棄のライフサイクル全ての段階で環境価値の創出と環境課題の解決に取り組んでいます。ビジョン「Evolution 2030」では自社CO2排出量を2030年度までに80%削減、2040年度までに100%削減(いずれも2013年度比)を掲げており、取り組みを強化していきます。

知的資本

Intellectual Capital

グローバルR&D体制 3拠点 研究開発費 93億円 特許権所有件数 1,418件

<社会課題解決への挑戦を通した技術の創出 技術の総本山としての黒部>

「技術の総本山」と位置付ける富山県黒部市には「YKK AP R&Dセンター」「価値検証センター」「パートナーズサポートスタジオ」の3つの技術施設を、またドイツ、インドネシアにもR&Dセンターを置き、グローバルでの研究・開発・検証を行っています。さらに、知的資産に関する戦略的な管理・活用と従業員への教育・育成に注力し、特許出願や特許権所有により、競争力とブランド価値の向上を目指しています。

社会課題に対応する商品・サービス

YKK APはサステナビリティ経営を進める中で、国内外のさまざまな顧客のニーズに寄り添いながら課題の抽出や技術開発を行っています。第6次中期事業方針に「商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現」を掲げ、重要指標として「サステナブル商品売上比率」を設定しています。YKK APが提供する社会価値の項目を「省エネ」「省施工」「防災・減災」「安全・安心」「健康・衛生」とし、それらの価値を高める「サステナブル商品」を幅広く展開し、持続可能な社会に資する事業活動に取り組んでいます。

●省エネ

建築の省エネルギー性の向上に寄与できる商品の開発を進めています。国内外において各地域で定められた省エネ基準をクリアする断熱性能を有する商品を展開しています。

「APW」樹脂窓シリーズ 写真 「APW」樹脂窓シリーズ フレームに断熱性能の高い樹脂を使用した、高断熱の樹脂窓シリーズ
LDシリーズ(中国) 写真 LDシリーズ(中国) 華東から華北、西部まで幅広いエリアに対応でき、高い断熱性を持つアルミ形材断熱窓シリーズ

●省施工

施工時間の短縮化、特定の力量・危険を要せず安全性に配慮した施工となる商品を開発しています。

非溶接工法 写真 非溶接工法 モルタルを充填する施工で、従来の溶接工法に代わる火気を使用しない新しいサッシ施工の工法
「かんたん ドアリモ」シリーズ 写真 「かんたん ドアリモ」シリーズ 壁を壊さずに今ある枠の上から、新しい商品の取り付けが可能なドアシリーズ

●防災・減災

風・雨(水)・雪・雷などの自然による建物・室内環境・周辺環境への被害を低減する商品をラインアップしています。

「ジーポート Pro」シリーズ 写真 「ジーポート Pro」シリーズ 業界トップクラスの耐積雪、耐風性能を持ち、激甚化する自然災害に備えるカーポートシリーズ
YRB-A(台湾) 写真 YRB-A(台湾) 台風被害の多い台湾で基幹商品として展開する高水密サッシ
Pro-tek®(米国) 写真 Pro-tek®(米国) 米国において主に商業施設向けに展開するハリケーン・防爆対応商品

●安全・安心

脱落・転落・挟まれ・衝突・切創・引っ掛かり・閉じ込め・発火・防犯等の事象に対して、有効に働く機能や技術を用い、より高い安全性能を有する商品の開発に注力しています。

ルシアスバルコニー 写真 ルシアスバルコニー 子どもの転落防止に配慮した手すりを有するバルコニー

●健康・衛生

室内環境の質の向上や衛生的な暮らしづくりに寄与する商品を開発しています。

自然換気窓(バランスウェイ) 写真 自然換気窓(バランスウェイ) 障子自体がバランスを取り、効率の良い換気が行える商品
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