YKK AP

モノづくりと環境配慮

YKK APは2050年のあるべき姿として、「事業活動におけるライフサイクル全体を通して“環境負荷ゼロ”の実現」を掲げています。「エネルギー削減」では、社会全体のCO2排出削減につながる商品の普及によるプラスの貢献とともに、調達から廃棄にわたるサプライチェーン全体のCO2排出量を最小化することによりその実現を目指します。

YKKグループ環境ビジョン2050

バックキャスティングによる長期的な環境経営を進めます

YKKグループ全体でさらに高いレベルの環境経営を実現するため、2019年4月、環境への取り組みの長期的な方向性を示す「YKKグループ環境ビジョン2050」を策定しました。
「気候変動への対応」「資源の活用」「水の持続的利用」「自然との共生」という4つの項目それぞれに対して、2050年の将来予測と目指す姿を踏まえ、当社の環境政策における重要課題の抽出、特定と環境行動計画への反映を行っています。

環境リスク対策

気候変動リスクへの対応を強化

当社では、社長を委員長とする「YKK AP環境政策委員会」が経営視点での環境方針、戦略の策定、承認を行っており、各種環境規制・協定の遵守、事業におけるリスクと機会の見極めを行っています。2019年度は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に賛同しました。これに基づき、気候関連リスク・機会の両面において事業および財務へ与える影響をシナリオ分析し、経営戦略に反映します。

環境マネジメント体制

環境マネジメントシステム

全社での環境管理レベルを継続的に向上

当社では、「環境コンプライアンス」と「環境マネジメントシステム」の充実を目指し、両者に対する内部環境監査を毎年1回実施しています。コンプライアンスについては、当社に適用される法律に基づき作成した「法遵守チェックリスト」を監査項目に採用し、拠点別に行う「内部環境監査」と、全社で行う「相互内部環境監査」のダブルチェック体制で実施しています。最終的には第三者の外部審査機関に審査していただき、指摘項目や秀逸事例の水平展開を通じて、全社での環境管理のレベル向上を図っています。
現在、当社では国内全体と海外10拠点でISO14001の認証をそれぞれ取得しています。規格に適合した運用管理の他、社会的要請、コンプライアンス、地域・社会・社員とのコミュニケーション、環境負荷低減などの環境目標達成に向け、環境マネジメントシステムを環境経営ツールとして有効に活用しています。

海外拠点のISO14001 取得状況

エネルギー削減

スコープとは

スコープ1…自社の燃料の燃焼による温室効果ガスの直接排出
スコープ2…自社の電力の使用による温室効果ガスの間接排出
スコープ3…サプライチェーン全体の温室効果ガスの間接排出(スコープ1、スコープ2以外)

スコープ1+2 エネルギー原単位の削減で自社CO2排出量を削減

自社から出るCO2排出量を削減する取り組みとして、省エネ投資と運用改善、全員参加の省エネ活動を推進しています。2019年度には、省エネ関連で約3億円(当社環境会計ガイドラインに基づく)の投資により、生産設備の更新・ロボット化による生産性の向上、照明・ポンプ・空調・変圧器のトップランナー機器への更新による高効率化を実施しました。
運用改善では、全国の製造拠点で実施している省エネ事例を共有するとともに、各拠点の実施状況を見える化し、省エネをやりきる活動を推進しました。
これらの活動により自社(スコープ1+2)のCO2排出量は2013年度比で22%削減となりました。

スコープ3 樹脂窓の普及推進でサプライチェーン全体のCO2排出量を削減

当社では、サプライチェーン全体のCO2排出量の見える化を進めています。カテゴリー別に見ると、「購入した製品・サービス」では、当社のスコープ3におけるCO2排出量の9割近くを原材料調達が占めています。特にアルミ窓のフレームに使用するアルミ地金の調達(採掘~精錬~海外輸送)の影響が大きく、アルミ再生地金の利用率を上げるとともに、樹脂窓の普及を推進することにより、サプライチェーン全体のCO2排出量を継続的に削減していきます。
商品の使用段階では、樹脂窓の普及により家庭・オフィスのCO2排出量削減に貢献します。2019年度の削減貢献量は2013年度比 205%となっており、樹脂窓化率の向上によりさらなる削減に貢献します。
また、物流において、当社では商品の輸送手段の多様化を積極的に推進しており、国土交通省と公益社団法人鉄道貨物協会エコレールマーク事務局が実施するエコレールマーク制度で「エコレール認定企業」を取得しています。陸路輸送ではダブル連結トラックを導入し、一度の輸送量を従来の1.8倍と積載効率向上も実現しています。モーダルシフト、大量輸送車両の導入など効率的で柔軟な配送システムにより、物流におけるCO2排出量を継続的に削減します。

SBT認定

温室効果ガス削減目標「SBT」達成に向けて省エネ・再エネに取り組みます

企業がパリ協定の「2℃目標」に合致した長期CO2削減目標を設定する仕組みとして、国際的なイニシアチブが運用するSBT(Science Based Targets)が普及しています。当社は2019年に「自社の温室効果ガス排出量(スコープ1+2)を2030年度までに30%削減」「サプライチェーンの温室効果ガス排出量(スコープ3)を2030年度までに30%削減」という目標で認定を受けました。その達成に向け、年率1.3%以上の省エネ、燃料転換、再生可能エネルギーの導入を主軸とした対策を長期にわたって推進していきます。

3R

3Rを推進し循環型社会の構築を目指します

当社では、サーキュラーエコノミーの実現に向け、廃棄物などの発生抑制、再使用、再生利用の3R※活動に取り組んでいます。
事業活動から排出する廃棄物については、「リサイクル率の向上(埋立ゼロ)」「廃棄物排出量30%削減」を目指し、排出物の有価物化・再生利用、歩留まり向上に取り組んでいます。
さらに、調達時の再生材料の利用や包装資材の削減、使用後の廃棄物のリサイクルなどライフサイクル全体で資源循環に取り組みます。

※3R…リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)

リサイクル率の向上と維持

国内・海外のリサイクル率99%
ゼロエミッション達成

当社のゼロエミッションの定義は「事業活動に伴って発⽣する排出物のリサイクル率を97%以上にすること」としています。これまで最終処分となる産業廃棄物の排出状況を調査し、リサイクルへの転換を進めてきました。
2019年度は、最終処分されている廃プラスチック類(樹脂端材、切削くず、複合物)のリサイクル化に取り組み、国内製造拠点から排出する産業廃棄物のリサイクル率100%を達成しました。
海外製造拠点では汚泥の有価物化に取り組み、2018年度のリサイクル率89%から91%と向上しました。
これにより、国内・海外を合わせたリサイクル率は99%となっており、ゼロエミッションを達成しています。さらに、国内外各拠点のリサイクルに関わる情報を共有し、事例を水平展開することにより、リサイクル率を向上します。

廃棄物の削減

国内・海外の廃棄物排出量を200t削減
ひと手間かけて廃棄物の削減に取り組みます

国内製造拠点では、2019年度廃棄物排出量は2018年度比で92t増加となりました。当社における基準年である2013年度比では16%(出荷高あたり)削減しています。2019年度は木屑の燃料化など有価物へ切り替えることにより、廃棄物の排出量を削減しましたが、廃プラスチック、ガラスくずの有価物だったものが廃棄物となったことなどにより増加しています。
海外製造拠点では、2019年度は2018年度比で300t削減となりました。アメリカ社の汚泥が廃棄物から有価物に切り替わることにより削減が進みました。
今後は、生産工程の歩留まり改善や包装資材の削減など、廃棄物の発生をさらに抑制していきます。