YKK AP

モノづくりと環境配慮

YKK APは2050年のあるべき姿として、「事業活動におけるライフサイクル全体を通して“環境負荷ゼロ”の実現」を掲げています。「エネルギー削減」では、社会全体のCO2排出削減につながる商品の普及によるプラスの貢献とともに、調達から廃棄にわたるサプライチェーン全体のCO2排出量を最小化することによりその実現を目指します。

環境リスク対策

グローバルな環境マネジメント体制を強化

YKKグループでは、YKKおよびYKK AP共通の課題を整理し、グループ全体の環境政策の立案と経営戦略会議への提言を行う「YKKグループ環境政策推進協議会」を設置しています。当社では、その提言を受け、「YKK AP環境政策委員会」が経営視点での環境政策の立案と展開を行っており、各種環境規制・協定の遵守、事業におけるリスクと機会の見極めを行っています。
また、社員の環境意識を高めるために、第三者目線での環境管理状況のチェックや社内外のリスク事例を活用したセルフチェックも実施。工場排水の管理も自主管理基準やリスク監視項目を設定、緊急備品などを整備し、排水リスクの早期発見とリスク低減につなげています。

環境マネジメント体制

環境マネジメントシステム

内部環境監査を毎年実施し、環境管理レベルを向上

当社では、「環境コンプライアンス」と「環境マネジメントシステム」の充実を目指し、両者に対する内部環境監査を毎年1回実施しています。コンプライアンスについては、YKK APに適用される法律に基づき作成した「法遵守チェックリスト」を監査項目に採用し、拠点別に行う「内部環境監査」と、全社で行う「相互内部環境監査」のダブルチェック体制で実施しています。最終的には第三者の外部審査機関に審査していただき、環境管理のレベル向上を図っています。
現在、当社では国内全体と海外10拠点でISO14001の認証をそれぞれ取得しています。2019年3月には外部審査機関から、国内のYKK AP全体を対象とした「ISO14001:2015」による定期審査を受けました。規格に適合した運用管理の他、社会的要請、コンプライアンス、地域・社会・社員とのコミュニケーションなど事業活動に関わるリスクと機会に対する行動計画の策定やその活動状況について審査していただきました。その結果、環境マネジメントシステムは、環境経営ツールとして有効に機能していると評価されました。

海外拠点のISO14001 取得状況

エネルギー削減

スコープとは

スコープ1…自社の燃料の燃焼による温室効果ガスの直接排出
スコープ2…自社の電力の使用による温室効果ガスの間接排出
スコープ3…サプライチェーン全体の温室効果ガスの間接排出(スコープ1、スコープ2以外)

スコープ1+2 自社CO2排出量削減、エネルギー原単位削減の取り組み

自社から出るCO2排出量を削減する取り組みとして、省エネ投資と運用改善、全員参加の省エネ活動を推進しています。2018年度には、省エネ関連で約3億円(当社環境会計ガイドラインに基づく)の投資により、生産設備の更新・ロボット化による生産性の向上、照明・ポンプ・空調・変圧器のトップランナー機器への更新による高効率化を実施しました。
運用改善では、全国の製造拠点で実施している省エネ事例を共有するとともに、各拠点の実施状況を見える化し、省エネをやりきる活動を推進しました。オフィスでは、全員参加の環境活動として、一人ひとりが省エネ・節電につながる行動を取る「環境アクション25」を年2回実施しています。2018年冬季は74%の参加率となり、目標の65%を上回りました。引き続き、各拠点での優秀事例を共有し、全拠点への水平展開を推進します。

スコープ3 樹脂窓の普及推進でサプライチェーン全体のCO2排出量を削減

2013年度より環境省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」で、「サプライチェーンCO2排出量算定」の取り組み(目的・活用方法・算定方法・算定結果)を掲載しています。カテゴリー別に見ると、「購入した製品・サービス」では、当社のスコープ3におけるCO2排出量の9割近くを原材料調達が占めています。特にアルミ窓のフレームに使用するアルミ地金の調達(採掘~精錬~海外輸送)の影響が大きくなっています。今後は、アルミ再生地金の利用率を上げるとともに、樹脂窓の普及を推進することにより、サプライチェーン全体のCO2排出量を継続的に削減していきます。
また、物流において、当社では商品の輸送手段の多様化を積極的に推進しており、国土交通省と公益社団法人鉄道貨物協会エコレールマーク事務局が実施するエコレールマーク制度で「エコレール認定企業」を取得しています。陸路輸送ではダブル連結トラックを導入し、一度の輸送量を従来の1.8倍と積載効率向上も実現しています。モーダルシフト、大量輸送車両の導入など効率的で柔軟な配送システムにより、物流におけるCO2排出量を継続的に削減します。

樹脂窓のCO2削減効果

CO2削減目標と2018年度の成果

SBT認定 温室効果ガス削減目標が「SBT」に認定されました

企業がパリ協定の「2℃目標」に合致した長期CO2削減目標を設定する仕組みとして、国際的なイニシアチブが運用するSBT(Science Based Targets)が注目されています。当社は2017年度に環境省SBT策定支援事業に参加し、2年以内のSBT設定を表明して2019年1月に認定を受けました。今後も「自社の温室効果ガス排出量(スコープ1+2)を2030年度までに30%削減」「サプライチェーンの温室効果ガス排出量(スコープ3)を2030年度までに30%削減」という目標の達成に向け、年率1.3%以上の省エネ、燃料転換、再生可能エネルギーの導入を主軸とした対策を長期にわたって推進していきます。

3R

3Rを推進し循環型社会の構築を目指します

当社では、循環型社会構築のための貢献として、廃棄物などの発生抑制、再使用、再生利用の3R活動に取り組んでいます。今日、全地球的規模で大量生産、大量消費、大量廃棄が行われ、資源の枯渇、廃棄物処分場の逼迫および周辺の汚染が環境問題として懸念されています。日本では2000年に「循環型社会形成推進基本法」が制定され、資源の有効利用、環境負荷低減が進められています。廃プラスチック類は外見だけでは材質が分からないため、混ぜてしまうとサーマルリサイクルでの処理となります。そのため、当社では、製造ラインでの材質ごとの分別の徹底を進めています。各製造拠点ではプラスチックを部材、梱包資材の種類、材質、色ごとに分別回収し有価物として売却またはマテリアルリサイクルにつなげています。また、2017年度より、木粉をペレット化するための製造設備(ペレタイザー)を導入しています。取り扱いが容易になったことで、有価物(固形燃料)として売却できるようになりました。今後は廃棄物量の⼤幅な削減に努めます。
※3R…リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)

リサイクル率の向上と維持

14年連続でゼロエミッション達成
リサイクル率で廃棄物の削減を推進

当社のゼロエミッションの定義は「事業活動に伴って発生する排出物の再資源化率を97%以上にすること」としています。これまで最終処分となる産業廃棄物の排出状況を調査し、リサイクルへの転換を進めてきました。
2018年度は最終処分されている廃プラスチック類(樹脂端材、切削くず、複合物)のリサイクル化に取り組み、すべての産業廃棄物をリサイクルするめどがつきました。2018年度の再資源化率は99.9%です。これで2005年度から14年連続でゼロエミッションを達成しています。

産業廃棄物再資源化率

廃棄物の削減

前年比337tの廃棄物排出量の削減を達成
発生の抑制とともに再利用の技術を高めます

2018年度廃棄物排出量は2017年度比で337t削減しました。当社における基準年である2013年度比では17%削減しています(2018年度目標は51.1千t、2013年度比14%削減)。2018年度は混合廃棄物の中身を調査し、再利用できるものを選別し有価物へ切り替えることにより、廃棄物の排出量をさらに削減しました。
今後は、生産工程の歩留まり改善や包装用資材のリユース、商品のライフサイクルを通じ、環境上適正な廃棄物の管理を実現し、環境への悪影響を最小化するため、廃棄物の発生をさらに抑制していきます。

廃棄物排出量