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カンパニー
YKKグループは、本業を通じた持続可能な社会への貢献に取り組んでまいります。

資源循環(サーキュラーエコノミー)

関連する
SDGs

つくる責任つかう責任 産業と技術革新の基盤をつくろう 住み続けられるまちづくりを

 YKK APではYKKグループ環境ビジョン2050に基づき、事業活動による投入資材、現場資材の削減、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用の3R活動※1、不良品発生抑制に取り組み、循環型社会の構築を目指します。

※1 リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのR(アール)の総称。

方針・考え方

社会的背景

 今日、全地球的規模で大量生産、大量消費、大量廃棄が行われ、資源の枯渇、廃棄物処分場のひっ迫および周辺の汚染が環境問題として懸念されています。また近年、アジア各国の輸入規制による廃プラスチックの滞留、海洋プラスチックによる世界規模での環境汚染が浮き彫りになっています。
 SDGsではターゲット12「つくる責任、つかう責任」において、持続的な生産消費の形態を確保していくことを資源循環に関わる目標として制定しています。
 日本では、2000年に「循環型社会形成推進基本法」が制定され、資源の有効利用が進められています。さらに2021年度には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が策定され、国内資源循環体制の構築が進められています。

YKK APの目指す姿

 リサイクルをせずに廃棄物を埋立処分することは埋立処分場残余年数を縮めることになります。YKK APでは廃棄物が複合物や混合物のような再利用していくことが難しいものであっても埋立処理とはせずリサイクルによる処理を進めています。今後は、投入資材、施工現場資材の削減、輸送時の不良品発生抑制に取り組みまた、サーキュラーエコノミーの考え方に基づき社内で発生する不要物を最大限有効利用していくことで排出量を抑制し循環型社会の構築に寄与することを目指します。

環境長期ビジョン

 YKK APは廃棄物を排出する事業者の責務として製造工程にて投入する資材の削減、商品施工工法の見直しによる現場資材の削減、輸送による不良品発生抑制と、排出物のリサイクル、廃棄物の削減のため発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)に取り組み、環境負荷の低減を進めています。

中長期目標

action1 リサイクル率の向上と維持

 産業廃棄物のリサイクル処理を継続し、2018年度以降リサイクル率100%を目指す。

action2 廃棄物の削減

 2024年までにYKK AP製造拠点の廃棄物を40%削減する。(出荷高原単位)

action3 商品への投入資材削減と再生材活用

 包装資材、商品施工において投入資材を削減する。
 樹脂商品のPVCリサイクル材使用率を向上させる。

YKK APにおけるリスクと機会

リスク ・産業廃棄物処理委託業者の法令違反、不適正処理による社会的信用の失墜
・廃棄物処理先の減少による処理費用の高騰
・商品の輸送不具合による不良品返品発生
機会 ・廃棄物に係るコンプライアンス順守の維持による安定した事業活動の継続
・埋立廃棄物量削減による最終処分場のひっ迫回避への貢献(地球環境負荷低減)
・製造工程における投入資材と排出物の抑制によるコスト削減と環境負荷の低減
・商品施工技術の進展による品質向上と現場資材の削減

2020年度の総括と今後の展開

action1 リサイクル率の向上と維持

 YKK APのゼロエミッションの定義は「事業活動に伴って発⽣する排出物※2のリサイクル率※3を97%以上にすること」としています。

■日本の拠点における取り組み

 これまで最終処分となる産業廃棄物の排出状況を調査しリサイクルへの転換を進めてきました。
 2020年度のリサイクル率は100%でゼロエミッションを達成しています。これで2005年度から16年連続でゼロエミッションを達成しております。

※2 売却できる物や廃棄物。
※3 リサイクル率は以下の式で算出しています。

再資源化率図

《言葉の定義》
再資源化量:売却できる物、原料や燃料としてリサイクルされる廃棄物の量
最終処分量:埋立廃棄物、燃料としてリサイクルされない廃棄物の量

産業廃棄物リサイクル率

■海外の拠点における取り組み

 海外工場においても最終処分されている廃棄物を、リサイクルへ転換を進めていきます。ゼロエミッション達成に向けてリサイクル率向上を目指していきます。

廃棄物リサイクル率

action2 廃棄物の削減
テーマ 基準年度 2020年度目標 2020年度実績 2021年度目標 2024年度目標
廃棄物原単位※4の削減(国内) 2013年度 30%削減 30%削減 35%削減 40%削減

※4 出荷高当たりの廃棄物排出量

■日本の拠点における取り組み

 2020年度廃棄物排出量は2019年度比1,213t削減となり2013年度比で出荷高原単位30%削減となりました。
 2021年度は廃棄物の状態、排出状況を検証し、混合廃棄物の選別等、ひと手間かけて有価物とすることにより前年より568tの削減を計画しており、拠点別に目標値を落とし込み、達成してまいります。

廃棄物排出量と出荷高原単位

■海外の拠点における取り組み

 アメリカ社ダブリン工場、中国社(深セン社)、インドネシア社にて廃棄物削減が進みました。

海外廃棄物量

商品

廃棄物の削減とリサイクル

 YKK APでは商品を出荷した後、流通過程、使用中、使用後に発生する環境負荷が最小限となるよう資源循環を考慮した商品の開発、環境負荷の低い商品を提供する仕組みの構築に取り組んでいます。

サーキューラーエコノミー

 製品のライフサイクルを通じて廃棄物の発生を抑制するため、廃棄物発生要因を分析し、サーキュラーエコノミーの概念を取り入れ持続可能な資源の利用を進めてます。

PVC投入資材の削減とリサイクル

 樹脂フレーム材、樹脂窓の製造工程では効率的な生産によりPVC端材切粉の発生抑制に努めています。発生した端材、切粉については再び資源として樹脂材へ再生させ、そのリサイクル率の向上に取り組んでいます。また、樹脂屑の新規用途の開発も積極的に行っています。2019年度より樹脂屑を再生し複層ガラスのガスケット原材料とすることを開始しました。今後、住宅解体により発生する樹脂窓の回収リサイクルと更なる資源利用率の向上を図るため、回収した樹脂窓に付着するPVC以外の部材除去など技術的課題に取り組み、環境に配慮した技術・生産プロセスを構築し、持続可能性向上へつなげていきます。

Plastics Smart

 YKK APは環境省が展開するキャンペーン「プラスチックスマート」に賛同し、弊社の取り組み事例(複層ガラス用ガスケットへの再利用)をご紹介いただいています。

http://plastics-smart.env.go.jp/case?_token=SQfo28b73ES37GjCOnAuexVvOJ2mBXZWlypusrrO&case=3184

包装資材の削減

 2019年度包装資材削減プロジェクトを立ち上げ、環境負荷の少ない適正な包装となるよう取り組みをスタートしました。
社内拠点間、ルート配送等、定常的な輸送については通箱など再利用できる包装形態への切替を進めていきます。
ワンウェイとなる輸送の場合は包装資材の種類ごとに(きず、へこみなど防止のため)必要最小限の包装とし使用量を減らしていきます。マイクロプラスチック※5をはじめとした海洋プラスチック問題も考慮の上、包装資材に関わる環境負荷軽減に取り組んでいきます。

・包装資材削減の考え方

Refuse なくす 包装仕様、包装材料の見直し
Reduce 減らす 簡易包装による最小限の包装へ
Reuse 再利用 通箱を回収し再び使用
Recycle 再生利用 再生原料を使用した包装資材へ切替

※5直径5mm以下の微細なプラスチックのごみ。ストローや食器、レジ袋などの廃棄されたプラスチックごみが海の中で分解され、プランクトンや魚貝類、海洋生物の体内に蓄積されるなどさまざまな影響が出てきていると言われています。行政や大学等でも実態調査や対策に向けた取り組みが進められています。(樹脂窓は社内外で適正に管理、リサイクルされています。)

施工技術による省力化・乾式化の推進

商品施工技術の進展(省力化・乾式化による施工品質の向上)​

 少子高齢化の影響により建設業界でも高齢化と人手不足が進む中、施工現場では熟練技術を必要としないシンプルな商品や技術の需要が高まっています。
 YKK APでは、省施工化や乾式施工化など、新しい施工技術の開発及び普及の促進に取り組み、工期の短縮や現場資材の削減を進めるとともに、施工品質の向上を実現します。

カバー工法への取り組み 「かんたんマドリモ」​

 既存の窓枠を取り壊すことなく、新しい窓とドアをかぶせて取り付けるカバー工法を採用した窓のリフォーム商品です。従来の工法では、壁まで取り壊す工事によって、騒音や粉塵が発生するとともに工期が長く、コストアップにもつながっていました。
 しかし、新しい窓をかぶせて取り付ける「かんたんマドリモ」のカバー工法によって、足場などの無駄なコストを省けるとともに1窓あたり約半日で施工が完了するメリットがあります。それにより、従来工法よりも施工技能者の拘束時間を短くすることが可能となり、人手不足の中にあってもスムーズな施工が可能となります。
 また、従来のカバー工法では、既存枠と新設枠の隙間にシーリング材を注入しなければならず、施工技能者の力量が影響していました。しかし、「かんたんマドリモ」では、気密シートを貼り付けるだけの「ノンシールカバー工法」を採用しているため、個人の施工技術に影響されずに施工品質を保つことができます。工期の短縮と施工技能者の作業負担を実現しながらも施工品質の確保を実現する工法になっています。

「かんたんマドリモ」リフォーム施工の流れ

乾式化への取り組み 「ソラリア」​​

 テラス・バルコニー向け商品「ソラリア」囲いでは、ねじの種類を半分に、使用する本数を4分の3に抑えています。また、シーリング箇所を集約するとともに集水部品まわりの乾式化によってシーリングの使用量を20%削減しました。
 従来の商品に比べ、施工時間の短縮と品質向上を実現しています。

「ソラリア」屋根 施工イメージ

「ソラリア」囲い 施工イメージ

■優れた施工性と完成品質の向上

「ソラリア」囲いに使用する
シーリング使用量比較

 YKK APでは熟練工の高齢化などによる職人不足に配慮した、省施工化を進めています。
 「ソラリア」囲いの場合では、ねじ種類を半減、ねじ本数を約25%削減、防水シーリングの使用量を屋根まわりにおいて約45%削減※5。また、「ソラリア」屋根の場合では、ドレイン(集水部品)まわりの乾式化によりシーリング箇所の削減を行い、屋根・囲い共に施工性の向上を図っています。
 その結果、従来に比べた施工時間の短縮と、完成品質の向上を実現しています。

※5:対積雪強度20cm 関東間2間×6尺 R型 下から施工 開口部を除いた仕様において

非溶接工法への取り組み 「ビル用サッシ 非溶接工法」​​

 モルタルを充填する湿式施工で、従来の溶接工法に替わる新しいサッシ施工の工法です。溶接の代わりに材料の硬化を利用した樹脂材を充填し、サッシ本体と駆体を固定します。溶接作業に必要な電源の確保が不要になるだけでなく、火気を使用しないため防火対策や、火花養生の工程の省略にもつながります。また天候に影響されずに施工することができるため、工期の安定にも貢献します。

モノづくり

RPFの製造

 廃棄物をひと手間かけ価値のあるものへ再生することで弊社内で発生する廃棄物削減を進めています。
廃プラスチック、紙くずはそのまであれば、廃棄物となりますが、RPFを製造することにより価値のあるものに生まれ変わります。
現在は滑川製造所にてRPFを製造していますが、今後、他拠点へも展開していきます。

有価物化への取り組み

 ガラスくず等、廃棄物はリサイクルで処理され、原材料として再生となりますが、更に有価物化することにより廃棄物削減を進めています。
廃棄物の排出から、収集運搬、処分までマテリアルフロー全体で捉え、処理が適正であるか、効率化できないか検証し有価物化を進めていきます。

廃プラスチック類の分別回収

 廃プラスチック類は外見だけでは材質が分からないため、混ぜてしまうとサーマルリサイクルでの処理となります。そのため、YKK APでは、製造ラインでの材質ごとの分別の徹底を進めています。各製造拠点ではプラスチックを部材、包装資材の種類、材質、色ごとに分別回収し、有価売却またはマテリアルリサイクルを行っています。

黒部越湖製造所 分別回収

九州製造所 分別回収

木粉の有価物化

 富山水橋工場では木質インテリア製品を製造しています。原材料のMDFを切断する際、木粉が発生します。木粉は飛散するため取り扱いに難があり、廃棄物として処理をしていました。
 2018年3月、木粉をペレット化するための製造設備(ペレタイザー)を導入しました。これにより、取り扱いが容易になり有価物(固形燃料)として売却できるようになり2018年度は廃棄物量が417t削減となりました。

破砕機の導入

 九州製造所では、2018年度に樹脂端材の破砕機を導入しました。破砕による形状の均一化を図ることで、運搬時の積載効率を向上するとともに、排出先での取り扱いが容易になりました。

チップ状にした樹脂端材

運送業者への教育

運送業者への教育

 YKK APでは、運送を依頼している運送業者53社の管理者およびドライバー1,670名を対象に、荷扱い教育、安全教育、環境教育を、コロナ禍につき通常の集合教育に代わり、ソーシャルディスタンスを維持できる分散教育に変えるなど工夫をして実施しました。​
輸送上の不具合による不良返品削減活動を強化することで廃棄物削減に継続的に取り組んでおり、2020年度は前年に比べ、不良返品率を15ポイント削減することができました。
今後も、取引先関係業者とともに、環境意識の向上に努めていきます。