前田 穣司
作品名 NEW ふたりのDictionary
「窓」というテーマを受け、
作品に込めた思い
二人の間に窓があっても、お互い見えるところにいれば会話できるのが手話。マスクなしで声を出すのは、はばかられるご時世ですからね。そんな中で考え付いたのが「窓越しの手話」というテーマでした。
制作当時の思い出
手話がわかっている娘と手話初心者の父。この二人のやり取りにおいて、父が娘の手話を見ても伝わっていないということを、視聴者にどうすれば伝わるのか、悩ましい部分でした。
作品をみられた方へメッセージ
手話はひとつの言語です。外国語を習うのと同様に、手話を習得すると世界が広がります。
作品名 窓の町で追いかけっこ
「窓」というテーマを受け、
作品に込めた思い
チュニジアのハマメット旧市街を歩いていて、窓の表情が豊かな町だと思いました。チュニジアンブルーの鉄格子が立体的になっていたり、タイルで装飾したり。それを映像に収めたいと思い、この作品を作りました。
制作当時の思い出
小学生くらいの男の子が数人、迷路のような小路を走り抜けていくのを見て、原案が浮かびました。それから出演してくれる姉弟を見つけて、いろんな場所で走ってもらいました。子どもたちは楽しかったようで、撮影が終わっても「まだ走れるよ」と笑顔で言っていましたが、僕らの方が「もう勘弁してください」という感じでした。
作品をみられた方へメッセージ
子どもたちの表情とさまざまなタイプの窓が織りなす異国情緒あふれる映像をお楽しみください。この町を走り抜ける感覚を味わうことができます。
作品名 窓、光、時の移ろい
「窓」というテーマを受け、
作品に込めた思い
アゼルバイジャンの首都バクーは旧市街もあれば,近代的な建築が林立する町。様々な窓で時間の流れを表現してみようと思いました。
制作当時の思い出
色んな窓を町の中で見つけるのが楽しく、ずっと上を見て歩いていました。映像の中に一瞬だけ出てくる「MADO」は、アゼルバイジャンにあるカフェの店名です。
作品をみられた方へメッセージ
窓は場所や時代で様々な表情があります。どこに行ってもふと立ち止まって窓を見てみると、面白いものが見えてくるかもしれません。
作品名 光照らす窓辺の祈り
「窓」というテーマを受け、
作品に込めた思い
いつの時代も、どんな場所でも家を守る母にはいつもの日常が一番の幸せ。何も起きないという素朴な幸せを、伝統の窓を通してさながら見守る目線で描いてみました。
制作当時の思い出
撮影日は、あいにくの雨模様で傘が必要に。たまたま色が赤だったことが、赤いリボンとリンクして、モノクロになりがちな映像にアクセントをつけてくれました。
作品をみられた方へメッセージ
情報過多の現代、世界でいろんなことが起きていることを知ることができます。でも世界の片隅にある小さな村では、誰もが懐かしく思えるような光景がいまだにあるのです。
作品名 窓と水の反映~虹の国の風にゆられて~
「窓」というテーマを受け、
作品に込めた思い
この映像は南アフリカで撮影したものです。自然もあれば近代的な町もある、表情が豊かな国なので、それを窓と水に映して対比するような感じにしました。
制作当時の思い出
いつもは映像に合わせて曲を当てるのですが、この作品はドビュッシーの「水の反映」を一流ピアニストに演奏してもらい、それに映像をはめてみました。どのタイミングで編集点を入れるとか、早送りするとか、結構悩みました。
作品をみられた方へメッセージ
映像だけ見てもよくわからないでしょうから、曲をじっくり味わいながら見てほしいです。できるならスピーカーを使って、一流ピアニストの演奏をかみしめてください。なんか不思議な感覚になります。
作家情報
前田 穣司(マエダ ジョウジ/Joji Maeda)
- 出身地
- 北海道函館市
- 経歴
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サンフランシスコ州立大学映画学部卒業後、日本に帰国。
TBSグループの正社員としてテレビ番組制作に携わる。
数々の番組の演出を担当
- 代表作
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- BS-TBS「世界の窓」
- BS-TBS「吉田類の酒場放浪記」
- BS-TBS「おんな酒場放浪記」
「窓」の思い出
小学生のころ通学時に、当時住んでいたアパートの二階の窓から父が見送ってくれた記憶が原風景になっています。ただ手を振ってくれただけでしたが、うれしかったように思います。