公開日:2024年04月19日 更新日:2024年04月19日

「サッシ」とは?

-窓の種類や材質ごとのメリット・デメリットなどを解説

サッシは、住宅の快適さに大きく影響する窓の一部分。しかし、窓のどの部分を指すのか、改めて聞かれるとわからないという方もいるはず。このコラムでは、サッシについて材質ごとの種類や特徴、メリット・デメリットについて解説します。また、選び方のポイントについてもご紹介しますので、理想のサッシ選びにお役立てください。

窓のサッシ(サッシュ)とは?

「サッシ」=枠と框

そもそも窓は「サッシ」と「窓ガラス」から構成されています。その中でも、サッシは、窓を家に取り付ける役割を持つ「枠」とガラスを枠にはめ込むための「框(かまち)」で構成されています。
言葉自体は英語の「sash」からきていることから、サッシュと呼ぶこともあります(冊子ではありません)。

サッシの材質はさまざまですが、最近では樹脂やスチール、アルミニウムが主流です。サッシは建具の一部ですので、玄関やバスルームなどのスチール製のドアや、ガラス類など、金属製建具工事を行う段階で備え付け工事を行います。

「サッシ」=枠と框

サッシの役割

窓を建物に取り付ける役割を担うものがサッシですが、建物に与える影響はそれだけではありません。サッシの材質や構造が、室温や音漏れなどにも影響を与えます。さらに、サッシは窓全体の印象に関わるため、家の外観・内観のイメージも左右します。

特にサッシの熱伝導率が高いと、結露が発生しやすくなってしまうため注意が必要です。結露は放置してしまうと、カビや虫を引き寄せたり、家具を傷める原因になります。

材質によるサッシの種類

材質から分けられるサッシの種類や、その特徴、さらにメリット・デメリットについてご紹介します。

サッシの種類

サッシは、主な材質で分けると4種類に分けられます。

アルミサッシはアルミ素材、樹脂サッシは樹脂素材、木製サッシは木材で作られたサッシです。アルミ+樹脂(アルミ樹脂複合窓)は、室内側は樹脂素材、室外側はアルミ素材で作られたサッシです。断熱性能や価格などそれぞれ特徴があります。

サッシの種類別の特徴(メリット・デメリット)

サッシの素材によって、性能や価格が異なります。それぞれの特徴を理解したうえでサッシを選びましょう。

サッシの種類別の特徴

アルミサッシ

アルミニウム合金で作られた頑丈で軽いアルミサッシは、加工も簡単で気密性が高いことが特徴です。また、腐食に強いことから、耐久性も高いといえるでしょう。そのため、外壁側に取り付けるサッシとして使われることも多くあります。価格も安価でコストパフォーマンスにも優れています。

デメリットは熱を伝えやすいこと。冬場など外気温が低いときには、室内の暖かい空気に触れたアルミサッシは結露を起こしやすくなります。さらに、サッシから室内の熱が外へ逃げることで暖房効率も悪くなります。
結露の問題については、窓ガラスの材質を変えたり、二重構造の窓にしたりすることで改善が可能です。

アルミサッシ

フレミングJ たてすべり出し断面図

アルミ+樹脂(アルミ樹脂複合窓)

アルミと樹脂が使われたサッシは、近年、主流になっているものです。アルミサッシと樹脂サッシの良い面を活かし、外側がアルミニウム、内側がポリ塩化ビニル(PVC、塩化ビニル樹脂)で作られています。

室外側がアルミになっていることで耐候性が高く、雨風にさらされても劣化しづらいのが特徴です。室内側は樹脂のため断熱や遮音性が高く、暖かく静かに過ごすことができるでしょう。

しかし、両面とも樹脂で作られている樹脂サッシに比べ、断熱性がやや劣る点がデメリットです。価格は樹脂サッシと比べる安価ですが、アルミサッシに比べると少し高くなります。

アルミ+樹脂(アルミ樹脂複合窓)

エピソードII NEO たてすべり出し窓  断面図

樹脂サッシ(樹脂窓)

樹脂サッシの素材であるポリ塩化ビニル(PVC、塩化ビニル樹脂)は、アルミと比較すると熱伝導率が約1,400分の1と非常に低く、断熱性が高いのがメリットです。室外の温度を室内に伝えにくく、室内の空気も逃がしにくいため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができるでしょう。

結露も生じにくく、ダニやカビの発生も抑制できます。気密性にも優れ、防音効果が高いこともメリットです。また、着色しやすい素材のため、さまざまな色を楽しむことができます。

デメリットは、アルミサッシやアルミ樹脂複合窓に比べて価格が高いこと。また、ポリ塩化ビニル自体が重い素材なので重さを感じることもありますが、最近では厚みを抑えることで軽く開閉できる樹脂サッシも販売されています。

樹脂サッシ(樹脂窓)

APW330アングル付 断面図

木製サッシ

木材を材質とした木製サッシは、木の風合いを活かした温かみのあるインテリアにぴったりです。それだけではなく、断熱性や防露性にも優れている点も見逃せないメリットでしょう。木材の熱伝導率はアルミサッシの約1,300分の1ともされていることから、外気温との差が室内に伝わりにくく結露の発生も抑制できます。
木製というと、防火性能に不安を感じる方もいるかもしれませんが、現在の木製サッシは高性能です。国土交通大臣が定めている建築物の火災に対する安全性のレベルをあらわす防火認定を取得した木製サッシも各社から販売されています。

デメリットは、価格の高さにあります。木材そのもののコストに加え、加工のコストもかかるため、アルミサッシや樹脂サッシに比べて高額になります。また、寿命を延ばすにはメンテナンスが必要になります。定期的な塗装を行うなど、手間や費用がかかる点もデメリットといえるでしょう。

サッシを選ぶ際のポイント

サッシ、ひいては窓を選ぶ際のポイントをご紹介します。

✓ 初期費用と光熱費のバランス
✓ 住宅のデザイン性のこだわり(大開口への対応)
✓ 断熱性

初期費用と光熱費のバランス

断熱性能が高いサッシは初期費用こそ高くなりますが、光熱費は抑えられるため長期的にはお財布に優しいとも考えられます。
予算との兼ね合いで決めることがおすすめです。

断熱性

快適、省エネ、健康などの側面から、サッシは断熱性を重視するのがおすすめです。室内と屋外との温度差が大きいと結露が発生しやすく、生活していくうえで支障となることもあります。

断熱性が高いと、さまざまなメリットがあります。結露を抑えられるため、サッシが傷んだりカビが発生したりするのを防げる上、寒さや暑さの影響を受けにくく、冷暖房費の節約にもつながります。また、室内の温度差が緩和できるため、ヒートショックも起きにくくなるでしょう。

窓の素材による断熱性の違い

住宅のデザイン性のこだわり(大開口への対応など)

商品によりデザインは異なり、木目調や金属調のものや、ホワイトやブラックといったカラーバリエーションが選べる商品もあります。室内側だけでなく、室外からの見え方も大切です。

また、庭を眺望したい・開放的雰囲気の部屋にしたいなど、こだわりがある場合は、大開口へ対応している商品を選ぶといったように、こだわりを最優先にしてサッシを選ぶのもよいでしょう。

マドリモ 断熱窓 戸建用 樹脂窓 ハイブリッド専用枠 引違いテラス戸(4枚建) 内観ダークブラウン
プラマードU 引違い窓(2枚建) テラスタイプ E2 和室用複層ガラス/Low-E複層ガラス たて繁吹寄格子
プラマードU 引違い窓 (テラスタイプ)/開き窓
プラマードU 格子入ガラス 縦繁吹寄格子

YKK APの商品を使ったコーディネートの一例

おすすめのサッシ

高断熱のサッシを選び室内の温度差を緩和することで、快適性や省エネ性を高めることができます。冬場の寒さや結露を和らげることで健康効果も期待できます。
また、光熱費も削減できることから、長い目で見て、樹脂サッシ(樹脂窓)を選ぶ方が増えています。

YKK APの樹脂窓

樹脂製のサッシを選ぶのであれば、2022年住宅用樹脂窓市場出荷数量No.1のYKK APの樹脂窓がおすすめです。

断熱性に優れているため、季節による寒暖差や部屋ごとの温度差を緩和し、快適な温度で生活することができます。
近年では、熱中症も社会問題化しつつありますが、樹脂窓は暑い夏でも室内に熱を伝えにくいのが特長で、エアコンの効きも良くなり節電にも繋がります。屋内でも発生が多い熱中症予防としても、サッシの断熱性に注目するとよいでしょう。

※2022年度住宅用樹脂サッシ国内市場 出荷数量ベース 株式会社矢野経済研究所調べ 2023年7月現在 (本調査結果は、定性的な調査・分析手法による推計です。)

YKK APの樹脂窓

樹脂は劣化や変色が進みやすいというイメージの方も多いでしょう。しかし、YKK APの樹脂窓は高強度のポリ塩化ビニル(PVC、塩化ビニル樹脂))を使用し、築20年以上でも強度が落ちにくいところが魅力です。
表面の着色層に紫外線の影響を受けにくいアクリルを採用することで、変色が起きにくい仕様になっています。フレーム強度も向上し、アルミサッシと同等の強度を実現しています。また、半分の力で開閉できるサポートハンドルのオプションもあり、長く快適に使用可能です。

サッシに関するQ&A

サッシに関するさまざまな疑問点についてお答えします。ぜひ参考にしてみてください。

Q. サッシの掃除方法は?

A. レールのホコリ・砂を落としてから水拭きをし、乾拭きで水分を取り仕上げます。

サッシの寿命を延ばすためにも掃除は定期的に行いましょう。
レールにたまったホコリなどのごみを掃除機や刷毛で取り除きます。そのあと水拭きし、乾いた布で水分を拭き取ります。ガラス部分や汚れが気になる場合は、水拭きの前に1~2%に薄めた中性洗剤で軽く洗い流してください。

YKK AP商品に関しては、商品のお手入れページもご活用ください。

Q. サッシの鍵には種類があるの?

A. サッシの鍵の名称は「クレセント」。防犯に重要な部分で、工夫が凝らされた商品もあります。

サッシの鍵は防犯に大事な役割を果たします。そのため、工夫が凝らされている商品も。
防犯性能の高い鍵にYKK APの「空かけ防止クレセント」があります。これは、障子が完全に閉まるまで施錠できない仕様。防犯を高めたいのであれば、このような鍵を採用したサッシを選ぶのもよいでしょう。

窓の鍵の名称は「クレセント」

Q. 窓ガラスの種類は?

A. 普通のガラス(フロート板ガラス)の他に、防火機能が高く破片が飛散しにくい「網入りガラス」、視線を遮る「型板ガラス」、断熱性能が高い「複層ガラス」、強度が高い「強化ガラス」などがあります。

さらに、ガラスの間に特殊な中間膜を挟んで防音性や割れにくさを向上させた合わせガラス、それらを組み合せている商品もあります。特に、魔法瓶に似た構造の複層ガラスは冬の冷たい外気から室内の暖かい空気を守り、夏の暑さをやわらげてくれます。

網入りガラス

 網入りガラス

型板ガラス

型板ガラス

複層ガラス

複層ガラス

合わせガラス

合わせガラス

Q. 世界の樹脂サッシ(樹脂窓)の普及率は?

A. 樹脂窓は、日本ではその断熱性からか寒い地域を中心に普及しているのが現状で、アルミ樹脂複合窓が多く使われています。しかし、世界を見渡してみると、樹脂窓の普及率が高くなっています。

樹脂窓が世界で愛される理由は、快適で健康的な生活と環境保護両方に役立つ窓だから。環境の先進国ドイツで生まれた製品というのも納得でしょう。

日本でも2025年4月からすべての新築住宅などで、省エネ基準へ適合することが義務化。そのため、これから樹脂窓の普及が高まってくることが予想されます。

樹脂窓の普及率

出典:[日本]2022年3月版 住宅建材使用状況調査、日本サッシ協会(2022)、[ドイツ]Interconnection Consulting(2016)、[アメリカ]Home Innovation Research Labs(2013)、[中国]樹脂サッシ普及促進委員会(2000)、YKK AP調べ

住宅に合ったサッシを選んで快適な生活を!

サッシについての基本的な情報や種類、選び方などをご紹介しました。サッシを選びにこだわることが、快適な住環境や健康的な生活につながります。

樹脂製のサッシは、サッシの材質の中でも断熱性能が高く劣化しにくいため、特におすすめです。中でもYKK APの樹脂窓は、断熱性・遮熱性や防音効果が高く、変色や劣化に強いのが特徴。リフォームでサッシを選ぶ際には、ぜひご検討ください。

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