1.秋は窓掃除に最適な季節
ふと外の景色を眺めてみると、日中は鮮やかな紅葉、夜になれば青白く輝く美しい月…。秋は窓を通して自然の美しさを堪能できる季節です。
もし窓が汚れていたとしたら、せっかくの風景を存分に楽しむことはできません。また、住まいの壁面の中でも大きな面積を占めているだけに、窓の汚れは外からも目立ちます。
窓の掃除はまとめて年末に――。そんなご家庭も少なくないはず。しかし外側の掃除を寒い時期にするのはやはりつらいもの。一方、強い日差しが照りつける夏に水を使った掃除をすると、端からドンドン乾いていってしまい、仕上がりが汚くなりがち。夏の強い日差しがやわらぎ、暑くもなく寒くもない秋は、窓掃除には最適な季節。くもりや汚れを落としてガラスがピカピカになると、部屋の中まで明るくなります。
2.窓の内外にはさまざまな汚れが付着
窓にはどのような汚れがついているのでしょうか。外側(屋外側)の汚れは、雨・風と一緒に飛んで来た泥砂や黄砂、車の排気ガスによるばい煙や粉じん、花粉、換気扇からもれ出た油煙などが混ざったもの。車が頻繁に通る道路沿いでは、ばい煙や粉じんが多く、海に面した住まいは海風に含まれる塩が付着するなど、周囲の環境によっても変わってきます。
一方、窓の内側(屋内側)は、キッチンから漂ってくる油を含んだ水蒸気、室内のホコリやカビ、ペットの細かい毛、手あか(皮脂)、サッシの隙間などから入ってきた微細な泥砂、タバコを吸う家庭ではヤニも付着しています。
用意するのは洗剤とスポンジ、タオルを数枚。洗剤はさまざまな汚れに対応したガラス専用のものが市販されていますが、キッチンで使っている中性洗剤を薄めたものでも代用できます。掃除をする場合は、きれいな水を入れたバケツも用意をしてください。
掃除は汚れが激しい外側のガラスから始めましょう。そうすれば、後でとりかかる内側の掃除の時に、外側の汚れ残りや吹き残し箇所を確認できます。
3.身近にある洗剤やタオルで、1枚ずつ仕上げて
手順は、「①洗剤拭き ②水拭き ③から拭き」が基本です。
洗剤拭きは洗剤を直接ガラスにスプレーし、水で湿らせたスポンジで浮いてきた汚れをこすり取ってもいいのですが、洗剤の液ダレがスジとして残ってムラになりやすいので、スポンジやタオルに洗剤をまんべんなくスプレーする方法がおすすめです。
洗剤は乾くと汚れごとこびりついてしまうので、時間を空けずに水で濡らして絞ったタオルできれいに拭き取っていきましょう。タオルが汚れたらこまめにきれいな面に変えて拭いてください。欲張らずにガラス1枚ずつ仕上げていくのがポイントです。
仕上げは、ガラスに残った水分を乾いたタオルで拭き取ります。窓の縁に沿ってコの字型に上から下へ。ムラなく拭き取るために、1度拭いたところを半分ずつずらして下におろしていくといいでしょう。
4.窓枠やレール、網戸の掃除も忘れないで
窓の大部分を占めているのはガラスですが、ガラスとフレームのすき間(ガスケット)やサッシの溝部分は、クロカビやアオカビが発生しやすいところ。さらにレールには細かい砂やホコリがたまっています。窓枠やサッシのレールの掃除も忘れないようにしましょう。
窓周辺のカビは、乾燥してもなかなか死滅しないため、消毒用アルコールをタオルなどに染み込ませてしっかり拭き取ります。アルコールでは漂白はできないのでカビの色素は残ってしまいますが、除菌することはできます。
細くて掃除がしにくいレール部分は、綿棒や使い古しの歯ブラシ、割り箸にボロ布やティッシュペーパーを巻きつけてゴムで止めたものを使って、汚れをかき出してください。
ガラスとフレームのすき間(ガスケット)をなくした「ガスケットレス」の樹脂窓もあります。砂やホコリがたまりにくく、お掃除が楽になる商品です。
網戸がある窓の場合は、網戸が汚れていると、せっかくきれいにした窓ガラスの外側に、雨や風ですぐに汚れが移ってしまいます。窓掃除の前に、網戸の掃除をするのがおすすめです。
外せる網戸はお風呂場や外で洗ったほうが効率的。網戸を壁に押しつけて洗剤のつけたスポンジで洗って汚れを浮かし、シャワーでいっぺんに網戸と壁を洗い流しましょう。網戸の外側に新聞紙をテープなどで貼り付けて、内側から掃除機をかける方法もあります。こうすれば、編み目についたホコリを簡単に吸い取ることができます。
また、せっかく窓をきれいにしても、カーテンが汚れていると、窓ガラスの内側はすぐにホコリだらけに…。カーテンも同時に洗濯をすれば、キレイな状態を長く保つことができますよ。
窓は、風景をそのまま楽しむことができる額縁。曇りや汚れのないキレイな窓を通して、美しい紅葉や名月を楽しみましょう。