技術資料防犯建物部品
- ※参考文献 :
- (一社)日本サッシ協会「わかりやすいサッシ・ドアの性能 BASIS 2021」
防犯性能の高い建物部品の開発と普及を目的に、警察庁などの省庁と民間団体による「官民合同会議」が組織化
官民合同会議の役割について
昨今の侵入窃盗(強盗)事件の増加は、大きな社会問題としてクローズアップされています。この侵入窃盗に対する手段の一部として「防犯性能 の高い建物部品」の早急な開発が大きく求められる事となり、警察庁、国土交通省、経済産業省の支援のもと、平成14年11月に行政、住宅生産者団体、防犯建物部品関連団体等 からなる、官民を横断した「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が組織化されました。
防犯性能の高い建物部品を開発・普及・促進します
(一社)日本サッシ協会では、防犯建物部品関連団体の一員として、サッシメーカー各社と協会会員各社が連携を図り、規定の性能基準を有する商品(防犯性能の高い建物部品)の開発・普及を行うと共に、該当商品には、統一マークと共通呼称(防犯建物部品)を活用して普及・促進を図っています。
なお、該当商品には、統一マークと共通呼称(防犯建物部品)を活用しています。
防犯性能の高い建物部品(防犯建物部品)とは?
侵入者がピッキングやドア錠のこじ破りなどの行為を開始してから、建物の内部に侵入が可能になるまでの時間を「抵抗時間」と呼びます。各商品ごとに定められた試験を行い抵抗時間が5分以上であることが確認されたものが「防犯性能の高い建物部品(以下、防犯建物部品という)」と定義されています。
防犯性能は、人為的破壊行為による侵入手口に対する抵抗力を示すものです。
防犯建物部品の性能基準は、侵入手口に対し5分以上の抵抗性能を有することとなっています。
〈統一マークと防犯建物部品について〉
「防犯性能の高い建物部品」を広く皆様への普及・促進を行う上で共通呼称(防犯建物部 品)とシンボルマークが、官民合同会議にて作成されました。このマークは、「防犯性能の 高い建物部品目録」に公表記載された「防犯建物部品」のみに与えられます。

防犯建物部品関連団体
- 板硝子協会
- 日本ウインドウ・フィルム工業会
- (一社)日本サッシ協会
- (一社)日本シヤッター・ドア協会
- 日本ロック工業会
(以上5団体)
統一マークは、「防犯」=“CrimePrevention”の頭文字CとPをシンボル化しています。
ラベル表示について詳しくはこちら「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」の定めた防犯建物部品について
防犯性能の高い建物部品は、以下の17品目があります。
(1) ドア関係
- ドアA種※1
- ドアB種※2
- ガラスドア
- 上げ下げ内蔵ドア
- 引戸
- ガラス引戸(自動を含む)
- 錠、シリンダーおよび
サムターン
(2) 窓関係
- サッシ
- ガラス
- ウインドウフィルム
- 雨戸
- 面格子
- 窓シャッター
(3) シャッター
- 重量シャッター
- 軽量シャッター
- オーバーヘッドドア
- シャッター用
スイッチボックス
- ※1 :
- ドアB種、ガラスドアおよび上げ下げ内蔵ドア以外の全ての開き戸をいう。
- ※2 :
- 主としてビルに用いられるスチール製開き戸
【参照】 防犯性能の高い建物部品目録はこちら
ガラスについて
防犯合わせガラスは2枚の板ガラスの間に、厚さ0.76mm以上の柔軟で強靱な中間膜をはさみ、加熱・圧着したガラスです。
突き破るのに時間がかかるため、防犯性に特に優れています。
防犯合せガラス

防犯合せ複層ガラス

通常、中間膜の厚さは「ミル」という単 位で表されます。
→1ミル = 1/1000インチ(0.025mm)
【ガラスかかりしろ】
ガラスかかりしろ10mm以上が必要とされます。

FIX窓について
公表対象品目ではないものの、下記条件を満たすことにより、上記のサッシと同等の扱いとなります。
- 防犯合わせガラス・防犯合わせ複層ガラスまたはウインドウフィルム貼付ガラスを装填。
- ガラスかかりしろは10mm以上確保。
-
押縁の構造は内押縁を原則。
外押縁の場合は、1ガラスグレイジングはシールとする。
2ガラスが容易にはずされない外れ止め機能を有する。
ウインドウフィルムについて
板ガラスの室内側に貼り付けられるフィルム※です。
突き破るのに時間がかかるため、防犯性に特に優れています。しかし適切な施工がなされていなければ、本来の防犯性能が発揮されないことから、専門の施工業者に依頼する必要があります。

ウインドウフィルムの主な厚さ : 350μ = 0.35mm
- これらの商品は官民合同会議で定められた試験方法で試験を行ない5分の侵入抵抗性能が認められた防犯性能の高い商品ですが、完全に犯罪を防ぐものではありません。
- 開口部として所要の侵入抵抗性能を確保するために、サッシ、ドアおよび引戸に装填するガラスは別途定める「ガラスの防犯性能の試験に関する細則」または「ウインドウフィルムの防犯性能の試験に関する細則」に基づいて行う試験に合格したガラスまたはウインドウフィルムを貼り付けたガラスを使用してください。
- ドアに装着する錠については別途定める「錠、シリンダーおよびサムターンの防犯性能に関する細則」に基づいて行う試験に合格した錠を使用します。