ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)
これからの新築の主流となるZEH(ゼッチ)とはどんな家なのか ―
こちらでは、ZEHの概要と、さらに「ZEHの定義」や「ZEH基準適合仕様例」についてご紹介していきます。
ZEHとは
「ZEH」とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語です。
建物の断熱性能を高めて、高効率な設備を導入することによって消費するエネルギーを少なくすることで「省エネ」を実現するとともに、太陽光発電などの再生可能エネルギーを創り出す「創エネ」によって、エネルギー収支が正味ゼロになることを目指した住宅のことをいいます。
現行の省エネ基準以上の外皮性能、および省エネ性を求めている点が特徴になっています。
ZEHの適合要件
ZEHとは、省エネと創エネを組み合わせてエネルギー消費量をゼロにする家です。
ZEHについて「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅」と定義されています。
具体的には以下の①~④の全てに適合した住宅を指します。
① 強化外皮基準(例:東京6地域 UA値≦0.6[W/㎡k])
② 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減(H25基準より20%以上)
③ 再生可能エネルギー導入(例:太陽光発電)
④ ①~③により基準一次エネルギー消費量から100%削減
「強化外皮基準」について
それぞれの地域ごとに外皮性能(断熱性能)基準を設定していますが、全ての地域において省エネ基準より高い水準の性能を要求しています。
「一次エネルギー消費量」について
一次エネルギー消費量とは、建築物で使われる設備機器で年間で消費するエネルギーを熱量に換算した値のことです。
住宅では「暖冷房設備」、「換気設備」、「照明設備」、「給湯設備」、「その他家電等※」のエネルギー消費量を合計して算出します。
削減率の計算では家電等のエネルギー消費量は考慮しません。
省エネ基準を満たしたレベルの住宅で消費すると想定されるエネルギー消費量を「基準一次エネルギー消費量」と言います。
基準一次エネルギー消費量は、地域や建築物の大きさなど様々な要因で、変化します。
一方、建築予定の住宅の仕様を基にして算出される消費エネルギー量を「設計一次エネルギー消費量」と言い、ZEHの要件としては、この設計一次エネルギー消費量(その他家電を除く)が、省エネ基準である基準一次エネルギー消費量(その他家電を除く)よりも20%以上削減できることが要件となります。
ZEHでは、一次エネルギー消費量の削減とともに、再生可能エネルギーの導入で、エネルギーを創り出すことが要件になってきます。
住宅でもっとも代表的な再生可能エネルギーの設備としては、太陽光発電システムがあります。
発電した電力は、実運用上は自分で使うエネルギー、余って売るエネルギーに分けられますが、「基準エネルギー消費量から100%削減」として年間で使うエネルギーより創り出すエネルギーの方が上回ることでZEHになりえます。
ZEHの定義について
①「ZEH」
- 外皮性能の強化
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減
②「ZEH+」
- 外皮性能の強化
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減
- 次の3要素のうち2要素以上を採用
- 外皮性能の更なる強化
- 高度エネルギーマネジメント(HEMS)
- 電気自動車への充電
③「Nearly ZEH」
- 外皮性能の強化
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量削減
④「Nearly ZEH+」
- 外皮性能の強化
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量削減
- 次の3要素のうち2要素以上を採用
- 外皮性能の更なる強化
- 高度エネルギーマネジメント(HEMS)
- 電気自動車への充電
⑤「ZEH Oriented」
- 外皮性能の強化
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギー未導入でも可
ZEH基準適合仕様例について
YKK AP発行の「断熱等級5・6・7それぞれのおすすめ」カタログでは、断熱性能等級5・6・7を実現するための地域区分別対応等級別 開口部・断熱材仕様例を紹介しております。
ZEH基準適合仕様例として、ご参照ください。