自然換気装置/EXIMA 91c アンダーパス

UnderPass

 

 

●性能表示は、JIS規格(JIS A 4702およびJIS A 4706)に準拠しています。
各性能は窓種や寸法、使用するガラスなどの条件によって異なります。

自然換気とは

換気の目的

室内の空気は、部屋の中にいる人や各種機器からの熱や蒸気などによって、次第に新鮮さを失っていきます。
新鮮さを失った室内空気と、新鮮な外気を交換することで、室内を快適に保つことが換気の目的です。

換気方法の種類

自然換気

自然の風を利用して行う「風力換気」や温度差による室内空気の上昇を利用した「重力換気」があります。窓などの開口部によって行います。

機械換気

送風機、または排風機を用いる強制的な換気です。
機械設備によって行います。

「自然換気」がもたらすメリット

機械を使わずに換気を行う自然換気は、電力の使用を抑えながら、室内の快適性を保つことができます。

省エネ・節電

機械換気の使用を抑える
自然換気により室内環境を維持して空調機使用を抑えます。
外気の温度が室内よりも低いときは外気を取り入れることで機械を使用せずに室温上昇を抑えます。

室内快適性の維持

室内環境の維持
外気を取り入れることで室内環境を維持します。
生産性の向上
外気を多く取り入れることで作業効率が向上します。
涼感を得る
適度な風を室内に通すことで涼感が得られます。

自然換気に最適な季節

平均気温が15~25°Cの時期を自然換気にふさわしい期間とした場合、 中間期(春、秋)の室外温度と室内温度の関係がポイントとなります。

毎月の平均気温の推移(例)

自然換気を促す設置方向

換気は空気の入口と出口を設けると効率的ですが、 自然換気に最適な時期の主な風向きを考慮し設置することで、より高い効果が期待されます。

月毎の主な風向き(例)

突風への配慮

自然換気を計画する際には、必要な換気量を得るだけでなく、突発的な強風などに配慮する必要があります。

風速について

室外では2日に1回以上の頻度で最大風速5m/s以上の風が吹いていますが、室内では1.0m/s以下の風速が快適な状態といわれています。

1年間の最大風速記録

(2016年4月1日~2017年3月31日の観測データ)

 

アンダーパスとは

使い方と名称

「アンダーパス」は、カーテンウォールの膳板に設置する横型の自然換気装置です。スタンダードのV仕様、雨水浸入をがらりで抑制するRV仕様、強風を羽根で抑制するWV仕様、雨水浸入抑制と強風抑制を掛けあわせたWRV仕様を用意しています。

内側
外側

ラインアップ

アンダーパス V仕様
【自然換気】
RV仕様
【自然換気+雨水浸入抑制】
WV仕様
【自然換気+強風抑制】
WRV仕様
【自然換気+雨水浸入抑制+強風抑制】
断面
雨水抑制機能 無し 有り 無し 有り
強風抑制機能 無し 無し 有り 有り
通気量
(指数)
風速4m/s 100 68 92 64
風速9m/s 100 68 70 59

※各仕様条件あり

開閉操作

パネルのハンドルを手前に回して、持ち上げることでパネルを開きます。

ハンドル

パネル面内に納まるコンパクトな形状の金属性ハンドルを採用。
閉鎖時にはフラットに収納され、すっきりとした意匠を実現します。

組合せ例

アンダーパスは、換気の必要性に応じてFIX窓、可動窓など、さまざまなバリエーションに対応します。

  • FIX窓
  • 可動窓
  • 可動窓/FIX窓

 

アンダーパスが実現する4つのポイント

調和する意匠

がらり意匠

換気開口部はがらりによるシャープなデザイン。
全面ガラスの透明感あるファサードの意匠に調和します。

【V・WV仕様】開口率が大きいルーバータイプ

【RV・WRV仕様】雨水浸入を抑えるブラインドタイプ

ファサードガラス面と連続するフラットなデザインは、スマートな外観イメージを展開します。

連続性あるデザイン

外観がらり意匠の連続性を持たせると同時に、内観側もパネル閉鎖時は換気装置ありと換気装置なしの箇所(内部パネルタイプ)で、連続性のあるデザインを実現しました。

■各部断面

a - a′断面

b - b′断面

■外観イメージ

換気装置なしの箇所に内部パネルを使用することで、アンダーパスと外観がらりの意匠性を統一させました。

外観がらり意匠

快適で安心な換気

効果的な風の取り込み

換気パネルを室内側開きにすることで、風を直接感じられる換気を実現します。
また、取り込んだ風を室内方向へ通すだけでなく、ブラインドなどのバタツキも抑えます。

パネル内に内蔵した網戸

網戸は内蔵のため、開放時も閉鎖時も常に防虫状態を維持します。
パネルを開けるとチャンバー内部をどの位置からも確認ができ、手を入れることができます。
日々のお手入れも簡単に行えます。

簡単にできるお手入れ(V仕様)

快適な換気をサポート

虫や鳥を気にせず、安心して快適に換気が行えるよう、安全性におけるさまざまな配慮をいたしました。

■各部名称
■パネル開閉保持ばね

パネルが自重などで急激に閉まる際に、衝撃を緩和し、安全性に配慮しています。

※Wサイズによって、取付かない場合があります。

■網戸

パネル下部にあるグラスファイバー製ネットが虫の侵入を防ぎます。

■防鳥ネット

がらり背面のステンレス製ネットが鳥やコウモリの侵入を防ぎます。

室内への雨水浸入を抑制 【RV仕様】【WRV仕様】

降雨時の雨水浸入を抑制し換気ができる仕様です。
防水がらり特有の構造により雨水を防ぎ、雨天時の換気を可能にします。

想定されるシーン

・使用者が不在となる一時的に使用される空間に(例:会議室 etc.)
・閉め忘れた場合の突然の天候変化に(例:オフィス etc.)

強雨の発生回数の増加

アメダスで観測した1時間降水量80㎜以上の短時間強雨の年間発生回数の長期変化でも増加傾向となっています。

■[アメダス]1時間降水量80㎜以上の年間発生回数

最近10年間(2007~2016年)の平均年間発生回数は、最初の10年間(1976~1985年)と比べて約1.7倍の17.9回に増加しています。(気象庁HP資料より)

■1時間降水量80㎜以上の雨とは

息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じる。
大規模な災害が発生する恐れが強く、厳重な警戒が必要な状況。(気象庁「雨と風」リーフレットより構成)

雨水浸入抑制の仕組み

防水がらりで雨水をさえぎり、迷路構造の浸入経路とすることで、内部に雨水が入りにくい設計です。

防水性99.99%

普段の生活のなかで身近に接することの多い気象情報を参考にしたYKK APオリジナルの基準を用い、RV仕様の防水性を確認しました。

  風速 散水
条件※1 10m/s 2ℓ /min・m2 ※2
目安 強風注意報 大雨警報、記録的短時間大雨情報※3

※1 実風散水試験は180分間を実施 ※2 120㎜/hの雨量に相当 ※3 地域により基準値は異なります

結果:防水性 99.99%
ただし、数滴の水の浸入あり(1時間あたり)

室内への強風・突風を抑制 【WV仕様】【WRV仕様】

強風や突風発生時に室内に取り込む通気量・風速を抑制できる仕様です。
風速5~6m/s以上になると内部にある羽根が作動して、通気量・風速を自動調整します。

想定されるシーン

・ブラインドのばたつきや紙の散乱を防止(例:オフィス、会議室 etc.)
・強風でも執務の集中を妨げない換気を実現(例:オフィス etc.)

風力階級と自然に与える影響との関係

(新・ビル風の知識 風工学研究所編より構成)

強風抑制機構

風速に合せて可動する強風抑制羽根が有効開口を狭めることにより、室内へ入る通気量・風速を抑制します。

強風抑制効果[シミュレーション]

室外風速10m/sの場合、羽根が強風を抑制することにより、室内に取り込まれた風の速度は室外風速3m/sの時とほぼ同等となることがわかります。

  • WV仕様 室外風速3m/sの場合

  • WV仕様 室外風速10m/sの場合

【シミュレーション条件】
風速:3m/sと10m/s相当の圧力差による
天井高さ:3m

 

アンダーパス 施工例

オフィスビルへの設置WV仕様

想定されるシーン
  • ・全面カーテンウォールで構成された中高層のオフィスビルでの換気。
  • ・換気中の強風や突風によるブラインドのバタツキや資料の飛散を防ぐことで、
    窓際に打合せスペースの設置が可能。

公共庁舎への設置RV仕様

想定されるシーン
  • ・庁舎等の公共物件において、節電を意識した自然換気を実現。
  • ・災害時、防災拠点としての継続使用時の換気。

 

商品仕様

●性能表示は、JIS規格(JIS A 4702およびJIS A 4706)に準拠しています。
各性能は窓種や寸法、使用するガラスなどの条件によって異なります。

窓種 性能
耐風圧 水密 気密
アンダーパス V仕様【自然換気】 2400Pa 1000Pa A-4
アンダーパス RV仕様【自然換気+雨水浸入抑制】 2400Pa 1000Pa A-4
アンダーパス WV仕様【自然換気+強風抑制】 2400Pa 1000Pa A-4
アンダーパス WRV仕様【自然換気+雨水浸入抑制+強風抑制】 2400Pa 1000Pa A-4
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