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家は建てて終わりなのではなく、完成してから始まる――。
セルフビルドの手法で生まれたS様邸には、そんな言葉が似合います。
後編では、大きな窓に彩られた居住空間の魅力とS様ご一家ならではの暮らし方、
そして住まいの内と外で今も続く家づくりの楽しみなどを、奥様からうかがいました。
常に今の家族に
フィットするように、
住まいには手を入れ続けたい
― 日当たりのよいセルフビルドの住まい、改めて住み心地を教えてください
住み心地はとてもいいですよ。やはり南に大きく窓をとったのは正解でした。実は最初、もっと窓が多いプランだったのですが、さすがにちょっと多すぎると思い、少し減らして今の家になりました。住み始めるとちょうどいいですね。
将来、南側の敷地に建物が建つ可能性を考えて居住空間をセットバック(後退させること)したことで、2階の居室前に広いバルコニーのスペースが生まれました。工務店の提案もあって、そのバルコニーの先にスチールの骨組みを建てたことで、バルコニーのスペースも居住空間の一部のように見える点も気に入っています。
― バルコニーは、どのように使われているんですか?
主にお洗濯物を干すスペースですが、床にはウッドデッキを敷き詰めているので、過ごしやすい季節なら、そこにシートを敷いてみんなでおやつを食べたりもしますね。
あとは、毎年秋になると実家から送ってきた柿を干して、干し柿をつくっています。日当たりと風通しのよいバルコニーは、干し柿づくりに最適。通常、干す期間は2~3週間ほどですが、今年は天候のせいか1週間くらいでいい感じに干せてきたので、10日くらいで食べられました。
― 季節感を楽しまれているんですね。2階の一間空間での過ごし方も教えてください
休日や家族が揃うときはたいてい2階で過ごします。この家のメイン空間ですね。わが家は共働きなので、家事も分担しています。ですから日常の過ごし方としては、例えば、私がキッチンで料理をつくり、主人が畳コーナーで洗濯ものをたたみ、真ん中のリビングで子どもたちが遊んでいるという感じ。家事をしながらでも子どもたちに目が配れるのは安心感がありまね。
大きな窓があるお陰で日が十分に採れる畳コーナーで、主人と子どもがボードゲームに興じたりすることもありますよ。畳は天然のい草を使っているので、い草の香りや感触、そして劣化の経過も含めて、畳という文化に子どもたちが触れられるのはいいことだと思っています。
― 奥様は、おうちの中でどのようにくつろぐのがお好きですか?
私はリビングのソファに座ってゆっくりすることが多いですね。あとは、畳コーナーの小上がりに腰掛けてお茶を飲んだりすることも。高さが35センチあるので、ちょうど椅子代わりになるんです。リビングのテレビボードはベンチとして腰掛けることも想定した造作家具ですが、小上がりとベンチの高さが揃うので、来客時には重宝します。
― 確かに、広い一間空間はおもてなしの際にも重宝しそうですね
そうですね。最近はコロナで来客はありませんが、この家で暮らすようになってから、仲のいい友達が遊びに来ることが増えた気がします。主人の友人も含め、集いの拠点になっているように思います。夏には近くで花火大会が開催されるので、集まってご飯を食べたり。来年はそういう時間が持てるといいなと思います。
― そして、吹き抜けの玄関ホールも素敵なオープンスペースです。この空間のコンセプトは?
やはり南面玄関という特性を生かした明るさと開放感でしょうか。外から帰ってきて、玄関ドアを開けたときの開放感を出すために、玄関ホールを吹き抜けにして、さらに正面の壁一面を大きな窓にしました。この窓は下が引違い窓、上がFIX窓という構成で、天井までのハイサッシなので、2階にも陽光を届けてくれます。窓の向こうの坪庭には柚やブルーベリーなどいろんな植物を植えていますが、隣家の樹木もいい借景となっていますね。明るくて心地いいので、家族みんなで、ここでくつろぐこともあるんですよ。
― そうなんですね! 例えば、どのように過ごされているのでしょう?
土間の部分が結構広いので、子どもがそこで遊んだり、階段の一段目に子どもたちがモノを並べて遊んだり。あと、夏には近くのお店で買ってきた「かき氷」を上がりかまちに座って一緒に食べたりもします。上のFIX窓からは日差しが差し込み、下の引違い窓を開けると風が流れ込むので、わが家にとってこの場所は、家の中であって半分外のような開放的な空間です。やはり、住まいの中に大きな窓を取り入れたのは、自然も感じられるし、開放的になったので、良かったと思っています。
― ほかにご家族で楽しんでいる趣味があればおしえてください
家づくり時の「セルフビルド」とも通じるところがありますが、やはりDIYですね。特に主人は工具を使ってものをつくるのが得意で、仕事部屋の机やパーテーションをつくってもらいました。私は見ているだけですが、きょうだいで唯一セルフビルドを経験した小学2年の長男はDIYに興味があるようで、「電動ドライバーを使いたい」などと言い出しています(笑)。
マンションと違って戸建ては自分たちで自由にいじれるのがいいところ。特に外回りはいろいろやりがいがありますね。最近では、玄関脇のレンガブロックをライトグリーンに塗装したり、軒先にブランコをつけて子どもの安全な遊び場にしたり。これからも、暮らしながら家にちょこちょこ手を入れて、わが家らしく生活していきたいと思っています。
夏のもりもり家庭菜園
「収穫が終わった秋以降は、来年のために土の中に肥料を入れ、さらにウッドデッキをかぶせて家族の集いの場にしていますが、収穫期の夏にはミニトマトがザルに4杯ほど収穫できたんですよ」と奥様。ほかにも、カボチャ、スッキーニ、ナス、キュウリとはじめての家庭菜園は大成功だったそう。
心地よい暮らしのディテール
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記事で紹介した商品
アルミ樹脂複合窓
エピソードⅡ NEO
窓の室内側に、断熱性・防露性に優れた『樹脂』のメリットをプラスしたことにより、高い断熱性能を実現。窓周辺を外気温の影響から守り、健やかな室内環境を保ちます。
※この記事は、2021年10月24日の取材に基づいた内容です
※YKK APよりお客様に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています