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ここは周辺に高い建物がない、5階建てマンションの最上階。
ペントハウスのために採光性もよく、室内の広さも十分!
今回訪ねたのは、昨年の夏にこのマンションを購入し、リノベーション(以下リノベ)してお住まいのN様ご一家。
前編では、”マンションリノベ”という手段を選択された理由と魅力を、ご主人にうかがいました。
リノベでこだわったのは、断熱性と各スペースへの動線確保
― 明るくて、丸窓が印象的なLDKですね!
ありがとうございます。このマンションはバブル時代に建てられたせいか、構造が凝っていて、最上階にはうちを含めて住戸が4戸しかなく、ここはいわゆるペントハウスの仕様になっています。そのため、天井も一番高いところで4m。上のほうにある丸窓も竣工時からのもので、手の込んだ格子状のデザインがいい味を出していると思います。方角的にもLDKは東と南に大きな窓があるので明るくて、日中は照明がいらないほどですね。
― 住まいをつくるにあたって、どのようなことが理想でしたか?
もともと人を呼んでホームパーティーをするのが好きなので、広いリビングのある家が理想でした。また、うちは共働きで、揃って2020年から在宅勤務になったこともあり、家の中での仕事環境は整えたいと思っていました。以前の家は52㎡ほどの賃貸マンションだったので、2人が自宅で仕事をするには限界でしたから(笑)。それに子ども(6歳と3歳のお嬢様)の成長を考えても、ある程度、広いところに移りたいという気持ちが強くありました。そこで2020年5月頃から家を本格的に探し始めたのです。
― なるほど。今の住まいに決めるまでの経緯についても教えてください
まず、娘の保育園を考えると、新居の場所はこれまで住んでいたエリア内にしようと思いました。その中で最初は新築のマンションを考えていたのですが、予算からいくと、どうしても65㎡くらいの物件になってしまいます。それなら以前の住まいとあまり変わらないので、広さを優先するなら中古もありかなと思うようになりました。そんなとき、不動産の情報サイトで見つけ、内覧をしてほぼ即決で購入したのが、このマンションです。
― 即決されたのですね! その“決め手”はどこにありましたか?
このマンションが気に入った理由は、駅から徒歩10分以内で、すぐ目の前に小学校があり、近い将来の娘の通学にも便利なこと。そして築年数こそ32年ですが、新耐震基準を満たしており、延べ床面積が84㎡あったことです。間取りや内装は後から変えられても、周辺環境や建物の構造は変えられないので、それらが最初から担保されているのは魅力でしたね。
加えてラッキーだったのは、計6か所ある窓のすべてに、家を変えたら絶対につけたいと思っていた内窓があらかじめ設置されていたことです。正直、この家を選ぶことについてデメリットがどこにもありませんでした!(笑)
― 設置を希望されていた内窓がすでについていたというのは確かに幸運でしたね!
内窓をつけたいと思われていたのはなぜでしょうか?
ひとえに断熱性能を上げるためですね。マンションは気密性が高いので、内窓をつけるだけで断熱性能が簡単に上げられるんです。標準的なマンションの窓すべてに内窓を設置すると50~60万かかりますが、暑いときや寒いときに“勝手に働くエアコン”だと思えば、決して高くはありません。その点、うちは前オーナーさんが「Low-E 複層ガラス」という断熱性が最も高いガラスの内窓を設置してくれていたので、かなりラッキーでした。
― 内窓の断熱効果というと「冬場」のイメージですが、夏も内窓効果はあるのでしょうか?
夏でも大活躍でしたよ。冷房がよく効きました! 高気密・高断熱住宅を手掛けている専門家によると、2階建ての一軒家でも、窓や天井・壁・基礎などの性能をしっかり高めることで、6畳用エアコン1台でも冷暖房が賄えるといわれています。ちなみに、わが家のLDKは20畳ありますが、内窓と外皮にあたる部分に吹き付け断熱をしたことで、元々あった14畳用でもこの夏は十分でしたね。
そして、11月下旬の今でも家の中では半袖で過ごせています。きちんとした計算は必要ですが、買い替えるときは6畳用にしてもいいかな?と思っています(笑)。
― その際は、改めてお話をうかがわせてください!
その他、リノベでこだわった部分についても教えてください
まず、断熱面でいうと、もともとLDKの天井はドーム型で、コンクリート打ちっぱなしの状態でした。ちょうど内覧したのが去年の夏だったので、上のほうに暑い空気が溜まっているのがわかりましたね。そのため、リノベでは外気に当たる窓の上の壁面や天井部分にウレタン断熱材を吹き付け、コスト面とデザイン性を考えて天井を切妻状に組みました。その上でダイニング側とリビング側の天井に2台のファンを設置して、室内の空気をかき回すようにしています。
Before
リノベ前のLDKの天井はドーム状。これもお洒落だが、外気にさらされる部分に断熱がないと、せっかくの内窓も効力半減。
After
リノベ後、切妻状に勾配をつけて生まれ変わった天井。吹付断熱によって結露の発生が抑えられ、カビやダニなどの抑制効果もアップ。冬に置きやすいヒートショックのリスクを軽減できる。
― 外は寒いのに室内が暖かいのは、断熱の工夫による効果なのですね!
リノベでこだわった点について、他にありますか?
はい。間取りも大きく変えました!LDKはできるだけ広く、家事が楽になるような動線をつくるために、もともと玄関から奥まった位置にあったキッチンを玄関の前に移動させてLDKの広さを確保した上で、キッチンまわりを回遊動線として洗面所や浴室に最短で行き来できるようにしました。料理は僕がつくることも多いのですが、調理しながら浴室にいる子どもたちの様子をすぐに見に行けるなど、かなり便利です。
― キッチンの位置が玄関の前というのは斬新ですね。生活の中でメリットはありますか?
子どもたちが保育園から帰ってきたときにすぐにわかりますし、慌ただしい朝でもキッチンから子どもの姿が見えるので、顔を見ながら「いってらっしゃい」が言えます。ちなみに、今使っている木目調のシステムキッチンは前オーナーさんが使っていたものですが、まだ新しかったのでそのまま使うことにしました。
― お家の中がスッキリと見えますが、何か秘訣はありますか?まず、キッチン収納について教えてください
スッキリ空間を実現するために、収納の位置や収納術にはこだわりましたね。例えばキッチンでは、後ろの少し奥まった位置にパントリーをつくり、そこにお米や食品などを置いています。各段の棚板は前後で高さが変えられるように2枚の板で構成しているので、奥のものが取り出しやすいのが利点です。また、パントリーの一番下ではキャスター付きのボックスに2lのミネラルウォーターを備蓄して、震災などの際にすぐ持ち出せるようにしています。
そして洗面所では、コの字型に凹ませた壁面に可動式のハンガーパイプを設置して、家族それぞれのタオルや足拭きマット、湯上がりにすぐに羽織れるガウンなどを掛けています。可動式なので成長に合わせてハンガーパイプの位置を変えられるのがポイントです。ちなみに、この可動式ハンガーによる収納は、家族の衣類などを集中的に収納するファミリークロークでも採用しているんですよ。
心地よい暮らしのディテール
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記事で紹介した商品
※この記事は、2021年11月21日の取材に基づいた内容です
※YKK APよりお客様に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています