カーポートのサイズは車の台数を基本に考えます。でも家族が増えれば大きな車に買い換えるかもしれませんし、所有台数を増やすかもしれません。お子さんがいる場合には自転車やバイクの駐輪スペースも必要になるかもしれません。将来起こり得る変化をある程度見込んで選ぶことをおすすめします。
サイズ選びのポイント
カーポートには「1台用」「2台用」といった展開がありますが、軽四輪車と大型車ではかなり大きさが違います。また、家族構成の変化によって車種や台数も変化します。
今お持ちの自動車のサイズだけでなく、将来的な使い方を考慮したサイズ（開口・奥行・高さ）を選択することがポイント。
カーポートの"開口"は屋根の幅、"奥行"は屋根の奥行を、"高さ"は柱の高さを指します。
また、敷地条件によっては1台用を連結させるといった選択肢もあります。こちらのコンテンツもぜひご覧ください。
そもそも駐車スペースはどれくらい必要？
駐車場をつくるときの広さは、車1台分で幅2.5ｍ、長さ5ｍ（前面道路幅6mの場合）が標準とされています。
もちろん、車のサイズによって最小回転半径も異なりますから、一律には決められません。車の大きさを基準にすれば、車の全長＋80∼100cm、全幅（ミラーを除く）＋110∼130cmほどが目安になります。
前面道路幅が6m以下の場合は、さらに幅を広く取った駐車スペースが必要です。
●車いす利用の場合
車いすでの乗り降りを考えると、もう少し大きなスペースが必要になります。国土交通省による標準駐車場条例（住宅向けのものではありません）では、車いす利用者のための駐車施設では『幅3.5ｍ以上、奥行6ｍ以上』と決められています。
●自転車を置く場合
自転車を置く場合は、1台で1m×2m程度のスペースが必要と考えられます。家族で複数の自転車を持つことも多いので、駐車スペースに一緒に置く場合は、それも考慮する必要があります。
車種別:自動車のサイズ（幅・奥行・高さ）の目安
以下は自動車のサイズの目安です。
ご自身の車のサイズ（車検証に記載されています）を確認し、乗り降りのスタイルや敷地の広さに合せて最適なサイズのカーポートを選びましょう。
●軽四輪車：幅 1.4m×奥行 3.2m、高さ 1.4m
●小型車：幅 1.6m×奥行 4.0m、高さ 1.45m
●ワンボックスカー：幅 1.7m×奥行 4.3m、高さ 2.0m
●中型車：幅 1.7m×奥行 4.7m、高さ 1.55m
●大型車：幅 2.0m×奥行 6.2m、高さ 1.6m
台数別のカーポートのサイズ（開口・奥行）
「1台用」「2台用」と書いてあっても、それぞれに異なるサイズが2～3用意されているものです。
車の大きさはもちろん、車いすやベビーカーなど将来どのように使うかも考えましょう。ご自宅の敷地やご予算に合わせて、できるだけ「余裕のある快適なサイズ」を選ばれることをお勧めします。
●乗り降りのスペースも考慮して余裕のあるサイズを選ぶことがポイントです。
●奥行は、ボンネットを開けての点検や後部トランクの開閉も考慮しましょう。
●間口は、ドアの開閉や人の通路も計算に入れておく必要があります。
●柱の位置も、ドアの開閉に大きく影響します。柱が邪魔にならないか、乗り降りのシミュレーションをしっかり行うことが重要です。
最終的には、専門業者に現地調査を依頼し、敷地の状況（傾斜、障害物、通路）も考慮した上で最適なサイズを決定してください。
1台用の開口・奥行の目安
●開口: 最低でも「車の幅＋約60cm」必要です。これはドアを少し開けて体を横にして乗り降りできる最小限のスペースと言われています。ゆとりをもって乗り降りするには、「車の幅＋約90cm以上」がおすすめです。
●奥行: 前後に人が通れるスペースや、トランクの開閉に必要なスペースを確保しましょう。
ただし、ミニバンや大型のSUVを所有している、将来買い替えの可能性がある場合は長めのサイズを選ぶと安心です。
2台用の開口・奥行の目安
例えば「中型車」「軽四輪車」を並列で停める場合の目安は以下のとおりです。
●開口: 5.5m～6.0m以上
2台の車幅の合計に、両サイドと車と車の間の「乗り降りスペース(70cm～90cm)」を加えます。また両方の車のドアを開ける可能性があるため、車の間は最低1.0m～1.2mあると安心です。
●奥行：5.8m～6.0m以上
中型車の全長に加え、トランクを開閉する場合は、80cm～1.0m程度の幅が必要です。さらに車の前（ボンネット側）にも人が通れるスペースとして30cm程度あると便利です。
※開口の計算：0.7～0.9m (左側余裕)+1.7m (中型車)+1.0～1.2m (車間)+1.4m (軽四輪車)+0.7～0.9m (右側余裕)=5.5～6.1m
※奥行の計算：4.7m (中型車)+1.1m～1.3m (前後余裕)=5.8m～6.0m
3台用の開口・奥行の目安
「ワンボックスカー」「小型車」「軽四輪車」を並列で停める場合の目安は以下のとおりです。
●開口: 8.1m～9.0m 以上
3台の車幅の合計に、乗り降りスペース4ヶ所（両サイド：70cm~90cm、車と車の間：1.0m～1.2m）を加えます。
3台を毎日使う場合や、停める位置がずれる事を考えると、9.0m 以上の幅があると車の出し入れや乗り降りがスムーズです。
●奥行：5.6m～5.8m以上
最も全長が長いワンボックスカーを基準に考えます。ワンボックスカーのリアハッチを開閉したり、荷物を積み下ろしたりするために、1.0m～1.2mは必要とされています。
それに加え、車の前（ボンネット側）にも人が通れるスペースとして30cm程度あると便利です。
※開口の計算：0.7～0.9m (左側余裕)+1.7m (ワンボックスカー)+ 1.0～1.2m (車間)+1.6m (小型車)+1.0～1.2m (車間2)+1.4m (軽四輪車)+0.7～0.9m (右側余裕)= 8.1～8.9m
※奥行の計算：4.3m (ワンボックスカー)+1.3 m～1.5m (前後余裕)=5.6m～5.8m
車種によっては高さ選びもポイント
もしあなたの趣味がアウトドアなら、車にルーフキャリアを設置したいと思ったことはありませんか？
もっと大きなRV車への買い替えを検討しているかもしれません。このような場合、カーポートにさらに高さが必要になってきます。
カーポートの柱の高さは3タイプ※あります。車高が高い車や屋根にルーフキャリアを載せている場合は、高いタイプの柱（H28/H30）にするなどの検討もしておきましょう。
※商品シリーズにより設定高さバリエーションが異なります。
屋根が高いと開放感も演出できますが、横からの雨風が入りやすくなるというデメリットもあります。吹き込みが気になる場合はサイドパネルの設置もおすすめです。
カーポートの高さの目安
お使いの車の高さ（車高）に＋30cm〜50cmが目安とされています。例えば、車高1.9mのミニバンであれば、50cmを足して有効高さが2.4m程度のカーポートを選ぶと、圧迫感がなく安心して駐車できます。
ただし、車の買い替えや、ルーフキャリアを使う可能性がある場合、トランクの開閉、地面の傾斜なども考慮しなくてはいけません。施工のプロと相談しながら設置しましょう。
●標準柱（H20,H22）：より高いものと比べて風雨の吹込みが少ない
●ハイルーフ柱（H24,H25）：車高の高いクルマに対応。「アップゲート」（標準）に対応。
●ロング柱（H28,H30）：キャリア等の高さもカバー。「アップゲート」（ハイルーフ）に対応。
※アップゲートとは？…扉を上下に開閉する駐車場のゲート（門扉）の一種です。
暮らしを考えて
プラスαのサイズも検討
プラスαのサイズのカーポートを選んでおければ、乗り降りがしやすい以外にも活用の幅が広がります。
例えば、雨天時の洗濯物干し場や子供やペットの遊び場、自転車や園芸用品のちょっとした収納スペースなど、多様な用途にも活用できます。
プラスαサイズのカーポート設置イメージ
屋根がアプローチまで張り出すタイプなら
雨雪に濡れずに車と玄関を行き来できます。
プラスαの屋根があれば
自転車やバイクも楽々駐輪。
カーポートのサイズに関するよくある質問
YKK APの商品に関するご質問はお客さまサポートの「WEBマニュアル」や「よくあるご質問」もご覧ください。
Q. 将来、車が1台増えるかもしれません。どう選べばいいですか？
A.後から連結できるタイプの1台用カーポートを選ぶのがおすすめです。
将来2台目が必要になった際に、既存のカーポートの横にもう1台用をスムーズに連結できます。最初から2台用を建てるよりも初期費用を抑えられ、スペースも有効活用できます。
こちらのコンテンツもぜひご覧ください。
Q. 敷地が狭いのですが、2台用のカーポートは設置できますか
A.設置できる可能性は十分にあります。
敷地が狭い場合は、後方支持タイプや片側支持タイプといった省スペース設計のカーポートが有効です。
ただし、敷地の形状や積雪など様々な条件がありますので、一度専門業者に現場調査を依頼して、最適なタイプを提案してもらうのが確実です。
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Q. 自転車も一緒に置きたい場合、どのくらいの奥行が必要ですか？
A. 奥行きが5.8m以上あるロングサイズのカーポートを選びましょう。
車の全長に加えて、自転車（全長約1.9m）を置くには、標準的な奥行き（約5.1m）では少し窮屈です。奥行きが5.8mあれば、車の後ろや前に自転車を置いても、人が通るスペースを確保できます。
Q. カーポートは建ぺい率に含まれますか？
A. はい、原則として建ぺい率（敷地面積に対する建築面積の割合）に含まれます。
ただし、一定の条件を満たせば、建築面積が緩和される特例があります。
建ぺい率が上限に近い場合は、設置できるカーポートのサイズに制限が出ることがあるため、必ず施工業者やお住まいの自治体の建築指導課に確認してください。
