みなさんは窓辺のどんな過ごし方が理想ですか?
ラグマットを敷いてゴロゴロ読書? ソファで編み物?
自然の光や風を心地よく感じながら、好きなことをして過ごしたいですよね。
でも窓辺といえば、夏は暑く、冬は寒くなりがちな場所。古くからある窓の多くは、日差しや外の気温を部屋の中に伝えやすいため、窓辺のくつろぎ空間は季節によって限定されていました。
そんな窓辺の悩みも、実は「窓」を見直すだけで一挙解決。夏の日差しや冬の寒さをやわらげてくれる性能のいい窓にすれば、窓辺を一年中快適なくつろぎ空間にすることができるのです。
窓の性能は窓辺の居心地だけでなく、家全体の居心地にも大きな関わりがあります。
なぜなら窓は、家の中で一番熱の出入りが大きい場所だから。
熱を伝えにくい窓を選ぶことは、冬には暖房のぬくもりを逃がさず、夏は熱の侵入をおさえて、いわば、家全体を保温・保冷することにつながります。
※熱の流入出の数値はYKK AP算出です。
窓からの熱の流入出比率の算出条件【解析No:00033】(2021.7.1更新)
●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ ●気象データ:「拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会 ●住宅モデル:2階建て/延床面積 120.08㎡/開口部面積 32.2㎡(4~8地域)「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅」標準住戸のプラン ●躯体:平成28年省エネルギー基準レベル相当 ●窓種:アルミ(複層ガラスA8未満) ●環境条件: 冬:外気温:2.6℃、室温:20℃ 2月14日 5〜6時(日平均外気温最低日)、東京 夏:外気温:34.8℃、室温:27℃ 8月5日 14〜15時 (日平均外気温最大日)、東京
熱を伝えにくい高性能な窓の条件は2つあります。
ひとつめは、「フレーム」の断熱性が高いこと。アルミの1400倍も熱を伝えにくい樹脂製のフレームがおすすめです。
ふたつめが「ガラス」の断熱性です。ガラスが1枚だけの「単板ガラス」では断熱性が低く外の暑さ寒さの影響を受けやすいため、ガラスを2枚にした「複層ガラス」を選びましょう。
おすすめは、複層ガラスの内側に熱の伝わりを抑える「Low-E(低放射)金属膜」をコーティングした「Low-E複層ガラス」です。「2枚のガラス」と「金属膜」、何かに似ていると思いませんか? そうです、「Low-E複層ガラス」は魔法瓶と似た構造を持っているのです。
「Low-E複層ガラス」には、窓の位置や周囲の状況、その土地の気候に対応できるよう、2つのタイプがあります。
「断熱タイプ」は、しっかり断熱しながらも太陽の暖かさを取り込んで室内を暖かく保ちます。「遮熱タイプ」は、断熱はもちろんのこと、明るさを取り込みながらもガラスに当たる日射熱を遮り、室内を涼しく保ってくれます。
夏の昼間の太陽は高度が高いため、軒やひさしをつけることで直射日光の多くは防げます。「断熱タイプ」のガラスを選べば、冬の低い位置の太陽から、存分にぬくもりをもらって室内にキープしておくことができます。
西日は高度が低く、軒やひさしでは遮りにくいので「遮熱タイプ」のガラスがおすすめです。特に暑い時期には、すだれやオーニング、シェードなども併用して、窓の外側で日射を遮るといいでしょう。