住まいの安全・安心も考える【vol.1】
YKK APが進める安全・安心への取り組み
- 窓/窓まわり
- 玄関/勝手口
- 暮らし
- 安全/安心
- バリアフリー/介護
- インテリア
YKK APといえば「窓を考える会社」。その根本には、人の快適な暮らしを願い「住まいの安全・安心を考える会社」でありたいという想いを秘めています。
その一方、実際には住まいにおける「落ちる」「転ぶ」「はさむ・はさまれる」などの事故が多く発生しています。
YKK APの開発本部 価値検証センターでは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)などと連携して、住まいでの事故や傷害を予防するための検証や調査に取り組んでいます。ここでは、その活動をご紹介します。
※YKK APより米田様、西田様に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。
YKK APが進める安全・安心への取り組み
01. 価値検証センターの3つの視点
「価値検証センター」では実際に商品を使う人の立場で商品の価値(性能、安全・安心、使いやすさ、快適)について3つの視点でさまざまな検証を行います。 1つめは、生活者の視点で商品の安全性や使い勝手を確かめる「生活者検証」。2つめは、独自の装置を使い、厳しい自然環境や使用環境を再現して各種性能を確かめる「実環境検証」。 3つめは、数値シミュレーションによって、商品の各種性能について評価する「数値シミュレーション検証」。商品開発・製造段階はもとより、お客様に商品をお届けし、お使いいただいている間のことまで検証しています。
【生活者による検証】
【環境再現による検証】
【技術解析による検証】
02.「生活者検証」の取り組み
実際の生活現場や価値検証センターにおいて、商品開発のさまざまな段階で、 生活者モニターの皆様とともに「(開発者の)意図通りに使っていただけるか」など、商品の安全・安心や使いやすさを確認しています。 得られた生活者視点の気づきやご意見、ご要望は商品に反映しています。
生活者検証の事例
お宅訪問ヒアリング
検証担当者が生活者モニターのご自宅を訪問し、実際に使用している環境での使い方や操作を見せていただきます。同時に、お使いの建材商品の満足度や困り事、ご要望などをうかがいます。
モニター検証
価値検証センター内のモニタリングルームに商品を設置。日常生活に近い状況で実際に商品を使っていただき、その様子を観察するとともに、ご意見をうかがいます。 たとえば、新機構の窓の開け閉めや、窓の手入れのための操作ができるか、しやすいかなどを確認します。
多様な人の使いやすさ検証
子どもから大人、高齢者や車いすユーザーなど身体的特徴の異なる生活者モニターの方々に商品を実際に操作してもらい、安全性や使い勝手を確認します。 さまざまな生活者の視点で確認することで、より多くの人が安全・安心に使える商品につなげます。
高齢者疑似体験
商品の開発担当者や検証担当者が、高齢者の身体的・精神的特徴を再現するキットを装着して商品を確認します。 自分以外の人の気持ちになってモノを見ることで、より多くの人にとって安全に使いやすい商品のアイデアを検討します。
生活者検証から商品化へ
車いす配慮の大開口玄関引戸
車いす利用者の方から寄せられた「車いすに乗っていると引戸ハンドルに手が届きにくい」「開け閉めの際の、車いすの移動を減らしたい」といった困り事を早い段階で開発者と共有。 開発者が車いすに乗って検討を重ねたアイデアを、車いすモニターとさらに繰り返し検証しました。その結果から、安定した姿勢で手が届く専用バーハンドル、使いやすく配慮されたカギなどが商品化されました。 同商品で同じ幅の2枚建引戸と比べると、1.3倍以上に開口幅が広がり、出入りもスムーズです。もちろん、車いすをご利用でない方にも使いやすい商品です。
玄関ドアの「室内側補助手すり」
生活者検証により、出入口から出るとき、挟まれないよう、閉まろうとするドアを押えながら出る高齢者や車いす利用者が一定数いることがわかりました。 そこで、ドアの室内側に手すりを設置し、手すりを握ってドアを留め、慌てずに出入りできるようにしました。玄関での転倒防止にもつながります。
軽く開きゆっくり閉まる「大開口スライディング」
断熱性能が高い窓は重くなりがちですが、使いやすさと両立させるために新機構を採用。開閉に必要な力を、これまでの引違い窓に比べて10分の1にしました(摺動時)。 使いやすさを確認する検証では、子どもから高齢者、車いすを利用している方から「開け閉めが軽い」「戸先錠付サポートハンドルは、カギと窓の開閉がワンアクションでできて楽」と好評でした。 特に、車いすを利用している方からは「窓が重いと開けるとき車いすが動くので困っていた。この商品なら駐車用ブレーキをかけなくても楽に開閉でき、 スムーズに外に出られる」「段差がほとんどないので、車いすでも安心して出入りできる」など自宅でも使ってみたいという声が多く聞かれました。