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今回、訪ねたのは周辺に住宅が建ち並ぶことなどまったく感じさせない、
静かで陽光にあふれたS様邸。
しかも、どの部屋にいても外からの目線は気になりません。
明るさとプライバシーが共存するS様邸から、心地よい住まいづくりのヒントをいただきます。
欲しかったのは、健やかに過ごせる結露のない家
― 2階のLDKは木質の床や家具が多用されていて、明るく清々しい雰囲気ですね
夫:ありがとうございます。木のやさしい質感が好きで積極的に取り入れました。
妻:また、わが家はまわりを住宅に囲まれていますが、幸いにも近くに高い建物がなく、自然光をうまく取り入れられるように窓の配置を配慮したため、日中は部屋の中に陽ざしがたくさん入って心地いいんです。そのため夕方まで照明をつけずに過ごせることも多いんですよ。
― 広いLDKが素敵ですが、LDKを2階に配置されたことに理由はありますか?
妻:家の中に陽ざしをたくさん取り入れたかったのと、家づくりをお願いした工務店の担当者の方から下の階は柱でしっかりと土台を作った方が耐震性を確保できると聞いたことも要因です。
夫:LDKはひと続きの、できるだけ広い空間にしたかったので、強度的にも安定するならと、1階に寝室と将来の子ども部屋を。2階にLDKと水回りを配置しました。
― 家づくりを考え始めた時期や、きっかけなどを教えてください
妻:ちょうど2021年くらいに戸建が欲しいと思うようになりました。
きっかけは大きくふたつあって、ひとつは当時1歳だった長男が動き回るようになったこと。その頃は賃貸マンションの1階に住んでいたのですが、両隣に足音が響くのではと気になり始めたので……。
夫:当時はコロナ禍で外出も制限されていましたし、これから子どもが大きくなることを考えたら、家族全員がもっとのびのびと家の中で過ごせる環境を整えたかったというのもあります。
妻:あともうひとつの理由は、借りていた賃貸マンションの部屋の湿気によるストレスから解放されたいということでした。
― 確かに小さなお子様がいらっしゃると、些細な音でも気になりますよね。
では、もうひとつの湿気のストレスについて、少し詳しくお聞かせいただけますか?
妻:前の家は風通しがよくなくて、とにかく家の中が常にジメジメしていたんです。特に冬場は結露がひどくて、下駄箱の靴やクローゼットの服も全部カビてしまうほど。2年間住みましたが、その中で「もうこれ以上、ここにはいたくない!」という思いが強くなっていきました。カビはアレルギー源になって、健康被害にもつながると聞きます。小さな子どもがいるわが家としては、その点も気になりましたね。
― そうですね、カビは生活するうえで気になるかと思います。では新居探しのポイントは……?
妻:「家族がのびのびと健やかに過ごせて、結露のない家」です!
夫:あと、新居のエリアは以前の家の近くにしたかったですね。
というのも家探しを始めた頃、すでに長男が保育園に通っていたので、その通園圏内に絞ったうえで、できれば新築か中古の戸建住宅が欲しいと思いました。結局、選んだのは前の家から歩いて10分ほどの場所にある、工務店施工の新築注文住宅です。大通りから1本奥に入った場所にあり、静かで落ち着いた環境なのが気に入りました。
― 確かに、こちらは静かな環境ですね。こちらに引っ越されてから、もともとのお悩みの種であった結露の問題はいかがですか?
妻:かなり快適になったことを実感しています。
結露は、空気に含まれる水分を元に、冬場の暖かい室内と冷たい外気の温度差で起きているとのことです。
かつて住んでいた家では、結露の発生を防ぎたいとは思いつつ、暖房による乾燥を補うために加湿器をつけていたのですが、その水分が逆に結露につながってしまっていた、かつ、室内の湿度が思うようにあげることができない状態でした。それが今ではエアコン1台でストレスなく過ごせるようになっています。
― それは素晴らしいですね。結露と無縁の家づくりをするためにどのような工夫をされたか、具体的に教えていただけますか?
妻:ずばり、「窓の素材」にこだわりました。わが家ではすべての窓を【樹脂製】にしたんです。
樹脂製の窓にしたきっかけは、家づくりを考えていたときにSNSで「結露の原因はサッシの断熱性に左右される」とか「結露を防ぎたいなら樹脂窓がいい」といった情報を見かけることがよくあったためです。興味をもって、そこから窓についていろいろ調べていくと、樹脂窓は断熱効果が高く室内外の熱を伝えにくいため、結露の発生が低減できることを知りました。
アルミと樹脂の熱の伝わり方の違い
樹脂はアルミに比べて熱の伝わり方が1/1,400。樹脂窓は、室外が暑いときや寒いときでも室内温度の変化が少なく済むため、年中快適な室内環境をつくります。結露対策にも効果的です。
夫:加えて、床や壁なども調湿効果のあるものを選んだほうが湿気対策に効果があると知り、床は無垢の木、壁は全面珪藻土を使った家にしました。壁面にはセルロースファイバーという断熱材も使っています。
― 窓と建具について、素材を重視して選ばれたということですね。実際に生活をされている今、その効果をどんなふうに実感されていますか?
夫:先述の通り、結露から解放された快適性と、エアコンの効きのよさ、室温の心地よさを実感します。ダイニング脇にある南向きの4つある窓から陽ざしが結構入るので、例えば冬の晴れた日は朝エアコンをつけて、しばらくしたら切り、その後夕方までエアコンなしでも室内の温度を保ったまま過ごせることが多いんです。窓や建具にこだわることでここまで暮らしやすくなるとは思いませんでした。
― 素材を重要視して選ばれたお住まいは、想像を超える心地よさなのですね! お家の中にある窓は、位置や大きさにも快適さへのこだわりを感じます。
妻:はい、かなりこだわりましたね。窓についていろいろ調べていく中で、興味が出ちゃって(笑)。
大きな窓をつければ、景色も見えて風もよく通りますが、旗竿地でまわりを家に囲まれているわが家では、景色も望めませんし、正面から風が入るということもまずありません。それなら大きな窓をつけるのではなく、通風を考えて窓の位置や大きさを考えていこうと思い、適材適所で窓を考えていきました。
例えば、ダイニング脇の4つ並んでいる窓は、左右両端がたてすべり出し窓(たてを回転軸に押し開く窓)となっています。このたてすべり出し窓は換気効率がよく、加えて窓の開く向きと配置を工夫すると外の風を室内に誘導して室内に風の流れをつくり出す「ウインドキャッチ効果」があると知り、ぜひわが家にも取り入れてみたいと思いました。
また、ダイニング以外の窓も、風通しや近隣からの目線、そして予算のことも踏まえて、ここにはすべり出し窓、あそこはFIX窓(開閉できない窓)と、細かく窓の配置や大きさを決めていきました。
― なるほど。お部屋にいて、風の流れを実感することはありますか?
妻:はい。やはり風通しはとてもいいなと感じています。ダイニングのたてすべり出し窓を開けておくだけで、キッチンのにおいがまったく気になりません。あと、わが家はダイニングの4つ並びの窓のそばに洗濯物を干すことが多いのですが、風通しと日当たりがいいので洗濯物がよく乾くんです。
― 住まいにおいて窓の配置を工夫することは大事なのですね
妻:そう思います。あと、窓の配置とともに、わが家ではガラスの種類にもこだわって、ほとんどの窓には光は通しつつプライバシーを守ってくれる型ガラス(不透視ガラス)を採用しています。そのため、なんとすべての窓にカーテンやブラインドをつけていないんですよ。
妻:一方、リビングの窓は、透明ガラスを入れています。この地域は準防火地域なので防火窓の設置が必須です。防火窓というとガラスに網の入っているものが一般的ですが、金網のない「耐熱強化ガラス(=透明ガラス)」というものがあるということを知り、家族が集まる南面のリビングの窓には、耐熱強化ガラスを採用しました。そうすることで、景色がクリアに見えるし、部屋の雰囲気も明るくなっているように感じています。
防火ガラスの「網あり」「網なし」のちがい
防火ガラスには、一般的な網入りガラスのほか、視界がクリアに見える網なしガラスもあります(※)。網なしガラスなら、景観を損ねることなく、開放感のある窓辺をつくります。
※一部対応していない窓もあります。
妻:さらに窓には、網目が細かい網戸をつけているため、小さな虫でも入ってくることがほとんどありません。あと、この網戸だと網戸を閉めた状態でも窓外の景色を邪魔しないので、日中は空を、夜は満月をクリアな状態で眺めることもできています。
心地よい暮らしのディテール
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記事で紹介した商品
国土交通大臣認定 防火設備
APW 330 防火窓
たてすべり出し窓、すべり出し窓、FIX窓/ホワイト
機能美と性能・品質を兼ね備えた、都市部においても快適で安心な住まいを実現する樹脂製の防火窓です。
防火窓オプション
オペレーターハンドル
たてすべり出し窓/ホワイト
ハンドルをくるくる回転させることで窓の開閉を行います。網戸を触らずに、また窓から身を乗り出すことなく窓の開け閉めができます。
※この記事は、2023年2月11日の取材に基づいた内容です