平成7年1月の阪神・淡路大震災では、倒壊した建物から救出され生き延びることができた人の約8割が、家族や近所の住民等によって救出されており、消防、警察、自衛隊によって救出された者は約2割でした(グラフ1)。別の調査では、救助隊によって救助されたのはわずか1.7%だったといいます(グラフ2)。また、行政機関も被災すると機能麻痺を起してしてしまうことがあります。公的な救助にも限界があることがわかってきました。
地震発生直後には、消防、警察、自衛隊などの「公助」が全員には行き届かないかもしれません。いざという時に家族や近隣同士で助け合う「自助」「共助」を考え、行動できるようにすることも地震対策になります。すべての基本は、「自助」。一人ひとりの「自助」が集まって、「共助」「公助」へとつながります。過去の震災から教訓を得て、人々の意識も変わり始めています。
自分自身や家族の命、身の安全を守ります。大切な財産や思い出を守り、これからの暮らしの継続にもつながります。
「自助」により身の安全を確保することで、助け合いに協力しやすくなります。隣近所で協力して救出活動や避難誘導などを行うことで、多くの人を守ります。
「自助」「共助」により被害を最小限に抑えていれば、行政機関の助けが本当に必要な人や場所に届き、より多くの人を守ることにつながります。
耐震補強は、もちろん自分自身の家族と暮らしを守るため。でも、効果はそれだけではありません。自分の家をまずはしっかり対策することで、災害時に「共助」しやすくなり、ひいては「公助」の有効活用にもつながるのです。
耐震補強は窓枠やドア枠のゆがみを軽減し、避難経路を確保。自力での避難を可能にします。
適切な耐震補強により、少しでも住宅の被害を抑えることは、補修にかかる負担軽減になります。
火災等の二次災害発生時にも、迅速な対応につながります。
いざ耐震補強を決意し、専門家に補強設計をお願いすると、思わぬことに気づきます。家の壁の量を増やして耐震性能をアップさせるため、耐震上の弱点となる窓はふさがれたり減らされるケースが多いのです。ふだん何気なく窓からもらっている、明るさや、風、湿度調整機能などの自然の恵みが得にくくなり、健康・快適な暮らしを犠牲にしてしまうことに……。そこでYKK APは、窓から考える耐震商品を開発しました。
窓は、こうした機能で住まいの快適をつくり出しています。
住まいに差し込む太陽の光に、人の心は安らぎます。
ゆったりと流れる風は、湿度を下げ、爽快感をつくりだします。
日向ぼっこの心地よさ。冬に太陽の暖かさを取り込めば暖房の節約にもつながります。
汚れた空気や臭いを外へ追い出し、さわやかな空気に交換するのも窓の大切な働きです。
眺望をつくり、庭やベランダとの行き来を助けます。