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制作協力 : ソトコト

倉渕先生教えてください!健やかに暮らすための換気のこと。

教えてくれた人

倉渕 隆 先生

くらぶち・たかし●東京理科大学工学部建築学科教授。東京大学工学系研究科建築学修士課程修了、博士(工学)。2003年より現職。2020年より空気調和・衛生工学会副会長。建築空気環境・換気設備の第一人者。

換気とは?換気とは?

新しい生活様式が推進されている今、大事なキーワードである「三密」。その避けるべき密のひとつが「密閉」、つまり換気をよくすることが大切だといわれています。でも具体的に、わが家の換気状況はいいのか悪いのか? を見極めるのは、なかなか難しいこと。まずは「換気」について理解をしながら、これからの生活に必要な換気について考えていきましょう。

換気の目的は、空間の空気の質を維持すること。密閉された空間では空気は少しずつ汚れていきます。その要因として挙げられるのは、人やペットの発熱や呼吸、開放型燃焼器具からの排気や建材から出る化学物質など。すき間の多い昔の木造住宅に比べ現代の住宅の気密性は格段に高く、古くは開放型燃焼器具による一酸化炭素中毒事故の多発が、最近では建材が発する化学物質が原因となるシックハウス症候群が社会的な問題になりました。そのため建築基準法における換気対策も時代とともに進化してきました。

部屋中の汚れた空気を追い出し、新鮮な空気に入れ替えるのが換気です。しかし換気扇を回したり、窓を開けたりするだけでは、適切な換気ができていないことも……。窓を開けて風を感じたとしても、部屋全体の空気がきちんと入れ替わらなければ正しい換気とはいえません。また、空気が適切に入れ替わっているかを体感しづらい点が、換気の難しいところです。

換気と通風はどう違う?

換気

汚れた空気を新鮮な空気に入れ替え、空気の質を維持するのが換気。空気が滞留する場所をつくらないことがポイントとなる。

通風

外の空気を大量に取り入れて、室温を下げたり、風を浴び、冷涼感を得るのが通風。部屋に溜まったほこりや臭いを追い出す効果もある。

なぜ換気が必要か?空気が汚れる3つの要素

人が発する臭気や二酸化炭素など。夫婦の寝室で換気をしないと、朝までに部屋のCO₂濃度は安全基準値の4倍を超える。

開放型燃焼器具

コンロやストーブ、ファンヒーターなどは居室の酸素を消費して燃焼し、排気ガスを室内に排出して空気を汚す。

建材や家具

シックハウス症候群の原因とされる、建材や家具が発するホルムアルデヒドなどの有害な化学物質。

おうちでできる換気方法。おうちでできる換気方法。

家で正しい換気ができているのかは、誰もが気になるところです。2003年7月以降に建てられた家には、建築基準法において機械による換気システムを備えることが義務付けられていて、常時換気が行われています。これにより実現する、換気回数0.5回/時(※)は、感染症対策としても適切な数値と考えられます。

03年6月以前の家では、浴室の換気扇が住居内のバランスのよい換気に向いています。トイレの換気扇では弱すぎ、キッチンの換気扇では強すぎてしまいます。このとき、浴室はもちろん各居室の出入り口も少し開放することで、家中の換気をすることが可能です。

季節によっては窓を開けての換気が最も簡単です。適切なタイミングで窓開けができれば、窓を数センチ開けるだけでも前述の0.5回/時を実現できます。

※2時間で室容積分の外気が流入し、室内の空気が排出される

換気方法

24時間換気システム

2003年7月から設置が義務付けられた。正しく稼働していれば、通常の生活内での換気は適切に行われるため、別途、換気の必要はない。

浴室換気扇

2003年6月以前に建てられた家なら、浴室の換気扇(風量120㎥/h程度)の利用がおすすめ。浴室、その他の部屋のドアを少し開ける。

窓など開口部

最も簡単な換気法。換気回数0.5回/時は、窓開けの回数とは異なるので要注意!

季節に合せた換気方法。季節に合せた換気方法。

気候の穏やかな春や秋は窓を開けて換気をするのに向いています。このとき換気の目的である「空気を入れ替えること」が適切に行えるように心がけてください。風を取入れるだけでは換気にはならないことも少なくありません。

大切なのは、空気の入り口と出口を作ること。窓を1カ所開けたのと2カ所開けたのとでは換気効率に数倍もの差が出ることもあります。そして、家の周囲の風向きを把握し、家の全体の風の経路をイメージしながら、どの窓やドアを開放するのかを考えます。

たとえば、横並びや向かい合う窓を開けるよりも対角線上にある窓を開けたほうが、全体的な換気が可能になります。また高低差のある窓を開けると温まって上昇した空気が高い位置の窓から抜けるため、換気効果はアップ。開口部が1カ所しかない場合には、扇風機を併用するのもおすすめです。

暑さ、寒さの厳しい夏と冬は、窓を開けて換気をするのに向かない季節です。せっかくの冷暖房効果も窓を開けることで失われますし、熱中症やヒートショックといった暑さ・寒さによる健康被害も心配です。そこで、真夏や真冬は、機械換気に頼るのが賢明です。一方、夏の夜、外気温の低くなった時間帯に行う夜間換気は、涼を得ると同時に家の躯体や居室にこもった熱を下げる効果が得られます。

機械換気システムがあっても、正しく稼働させなければ換気の効果はありません。自然換気が難しいこの時期、換気口は開いているか? メンテナンスは適切か?など見直しましょう。また大勢の来客がある、子どもが活発に運動するなど、場合によって機械換気では換気量が足りなくなるケースもあります。適切な換気ができているかを知るために、CO₂濃度を測るのもおすすめです。

アメダスで風向きを知ろう

効果的に室内に風を取入れるためには、家の周囲の風向きを知っておくと役に立つ。季節ごとの風向きを体感で知るほか、気象庁HPの統計データ、天気予報HPやアプリのアメダス実況では地点ごとの風向きを確認することができる(観測地点による)。

春・秋の窓開け換気

扇風機を併用する

風の出入り口が1カ所しかない場合、開口部よりも40㎝ほど手前に扇風機を置き、室内の空気を追い出すようにすると換気効果が得られる。

高低差を利用する

風の入り口を低い位置、出口を高い位置にすると、温度差による空気の浮力により換気効果が高まる。夏の夜などにおすすめの方法。

効果的な開け方

2カ所開けるのが理想で、横並びや一直線に向かい合う窓より、対角線上にある窓を開けるほうが、空気の淀みが生まれず効率よく換気ができる。

夏・冬の換気

夜間換気

外気温が低くなる夏の夜間にエアコンを止める場合などは、窓を開けるのもよい。涼風を取込み、壁や床に蓄冷できる。

空調稼働時の機械換気

一般的なエアコンは、空調した空気を循環させるのみで換気はできない。空調による冷暖房効果を維持するためにも、夏と冬は機械換気に頼るのがベター。

CO₂モニターで空気を
チェック

換気の難しいところは、空気の質が目に見えないこと。そこで、温度や湿度を測るのと同じように、室内のCO₂濃度も測ってみることをおすすめしたい。1000ppm以下ならOK(建築物衛生法より)。機械換気を行っていても、それ以上の数値になるようであれば、夏や冬でも窓を開けて換気を行いたい。

温度と湿度と換気のバランス。温度と湿度と換気のバランス。

換気の大切さが盛んにいわれていますが、換気をよくするだけでは健康で快適な住まいにはなりません。冬に寒さをガマンしてまで換気をすれば風邪をひいてしまうし、花粉症の季節には外気を室内に取込みたくありません。

換気で空気の質を維持するとともに、健康でいられるための温度・湿度も保つこと。このバランスがとても大切です。しかし、寒い時期に温度を上げれば湿度が下がり、湿度が下がればウイルスは活性化。一方湿度を上げれば結露しカビやダニの発生につながる。それぞれを適切に成立させていくのは非常に難しいことといえます。

それらをクリアするためには、熱効率がよく適切な換気を行えるよう、住まいの断熱性能を高め、クオリティを上げることが必要になります。ただ温度と湿度だけを維持するのなら窓のない熱の出入りのない家にすればよいのですが、そんな家には誰も住みたくないでしょう。

窓は空気の出入り口として大事なものですが、熱の出入り口として部屋に暑さや寒さをもたらす第一要因でもあります。ですが、高性能な窓があれば、住まいの断熱性を高め、温度・湿度と空気の質を適切に維持することも不可能ではありません。

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