公開日:2025年01月31日 更新日:2025年01月30日
室内ドアの防音対策ガイド
-音漏れの原因からドアリフォームまで

室内ドアからの音漏れが気になるときに知っておきたい音漏れの原因と、具体的な対策としての防音ドアへの交換リフォームを解説します。音漏れ対策で気を付けるべきことや、あわせて検討したい窓リフォームについてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
室内ドアからの音漏れの原因は?
室内ドアからの防音対策を考えるために、まずは音漏れの原因を理解しておきましょう。

室内ドアと枠や床との間にすき間があるため
ドアからの音漏れの大きな原因は、スムーズに開閉するために設けられた、枠と床の間のすき間です。
とくに2003年以降に建てられた住宅では、開き戸の下部に1cm程度のすき間(アンダーカット)や換気ガラリ(ブラインド状の換気口)を設けるのが一般的です。これらは2003年に建築基準法の改正によりシックハウス対策が義務づけられたことにより、室内の換気確保を目的に設けられるようになりました。
しかし、これらアンダーカットや換気ガラリが原因で、音漏れという新たな問題が発生しているのが現状です。
なお、扉をスライドさせて開閉する引戸や折戸については、アンダーカットや換気ガラリは不要とされています。それはもともと開き戸よりもすき間が大きいためであり、つまり防音性能が低いことを意味します。

左:アンダーカット、右:換気ガラリイメージ
壁よりも薄いため
室内ドアは壁と比べると厚みが薄く、音が透過しやすいことも、音漏れの要因となっています。
具体的には、壁は厚みが13cm〜15cmあるのに対して、室内ドアは2cm程度しかありません。さらに壁には厚さ1.25cm〜1.5cmの厚みの石膏ボードが2枚使用されるのに対し、室内ドアに使われる木材や合板などは0.2cm〜0.8cmと薄いことが特徴です。そのため、室内ドアは壁と比べると遮音性能が低くなるのです。
防音ドアへの交換リフォームによる防音対策
室内ドアからの音漏れを防ぎたい場合、防音ドアへの交換リフォームが有効です。
ただしこれは、あくまで空気を伝わってくる音についてのみ効果がある方法です。足音など物質を伝わってくる振動音は十分に防げない点はあらかじめ理解しておきましょう。

防音ドアとは
防音ドアとは、通常のドアとは異なり、音漏れを最小限に抑えるための特殊な設計が施されたドアのことです。
主に、室内ドア本体と枠のすき間をゴムパッキンなどで密閉し、さらに通常は空洞になっている室内ドア本体の内部に充填(じゅうてん)剤を詰めることで、高い防音効果を発揮します。
防音ドアは気になる騒音や生活音を効果的に軽減するので、快適な室内環境を実現できます。また、室内の音が外に漏れにくくなるだけでなく、室外からの音も聞こえにくくなるため、より静かな空間をつくり出します。
YKK APの防音ドアの場合
例えば、YKK APの「ラフォレスタ 」シリーズの防音ドアは、防音戸当り材と、すき間から空気が漏れ出ないようにするボトムエアタイト仕様を採用しています。
※防音ドアは気密性を高めているため、換気経路にはなりません。部屋単位で換気を確保してください。
※ボトムエアタイト仕様はソフトクローズ部品との併用はできません。
機密性を高める工夫
(1)防音戸当り材:耐久性に優れた機密材がドア枠にしっかり密着。
(2)ボトムエアタイト:ボトムエアタイト仕様でドアを閉じると床のすき間を密閉。

防音効果
この室内ドアの遮音効果は−25dBとされており、例えば隣室で掃除機をかけている音が80dBの場合、自室では騒音環境のめやすで「静か」とされるレベルの55dBまで、騒音レベルを軽減できます。
※音域によって効果は異なります。また、室内環境は壁などの建物の性能にも影響を受けます。

また、 木質インテリア建材の「ラフォレスタ」シリーズはカラーバリエーションも6色と豊富なので、さまざまなテイストにあわせられます。

※イメージの室内ドアは防音ドアではありません
防音ドアに交換するメリット・デメリット
防音ドアへの交換には、以下のようなメリット・デメリットがあります。理解したうえで検討しましょう。
メリット
防音ドアに交換する最大のメリットは、すき間テープなどによる応急的な対策と比較して、より高い防音効果を得られる点です。室内ドア自体が防音仕様となるため、効果が持続的で信頼性が高くなります。
また、室内ドアごと新しくするので見た目にも違和感がなく、美観を損なう心配もありません。さらに、壁や床に防音材を追加するような大規模なリフォームと異なり、比較的手軽に部屋の防音性能を向上させられるのも、大きなメリットです。
デメリット
一方で、防音ドアの交換には、DIYでおこなう防音対策よりも高いコストがかかることがデメリットです。また、防音性を高めるためにドアの気密性が向上すること、さらにドア自体が重くなることから、開閉に力が必要になる場合もあります。
また、既存のドア枠と交換する際に、クロスなどの貼り替えが必要になることも。家のつくりや選ぶ商品によっては、24時間換気システムの機能を妨げる可能性がある点にも注意が必要です。換気性能を損なわない設計が求められるため、施工業者も含め慎重に検討しましょう。
ドアの音漏れ対策で気を付けるべきこと
ここからは、ドアの音漏れ対策をおこなうときに注意すべきポイントを解説します。

24時間換気の妨げとならないようにする
ドアからの音漏れ対策として「すき間テープを貼る」方法は、簡単にできるDIY対策として人気があります。すき間テープは百円ショップなどでも市販されており、さらに下部のアンダーカット部分に対応できる製品も販売されています。
しかし、すき間テープも、24時間換気の妨げとなる可能性がある点に注意が必要です。ドアの交換は業者が換気性も考慮しますが、DIYでは自分で考えねばならず、それは簡単なことではありません。
また、換気性能が損なわれるだけでなく、見た目が悪くなったり、開閉がスムーズにいかなくなったりする可能性も高いため、できるだけ避けるのが無難です。
軽減したい騒音により適切な対策を考える
「騒音」には主に、壁やドアなどを通過して伝わる「透過音(空気音)」と、壁や床を振動させることで伝わる「固体音」があります。例えばテレビの音や赤ちゃんの泣き声などは透過音に該当し、洗濯機がガタガタしたりスピーカーから床を通じて伝わる振動音などは固体音に含まれます。
ドア自体からの透過音が気になる場合は、吸音材や防音パネルをドアに貼ることでも手軽に一定の効果を得られますが、防音ドアで気密性もあわせて高めるのが効果的です。
一方、固体音については、室内ドアだけに対策しても効果が得られない場合もあり、壁や床など部屋全体での防音を検討する必要があるでしょう。
壁や床を含むお部屋全体の防音リフォームやテレワークに特化したリフォームのポイントを知りたいならこちらもおすすめです。
あわせて考えよう!窓にできる防音対策
部屋全体の防音効果を高めるときには、窓の防音対策も重要です。

とくに「家族で映画を楽しみたい」「楽器の音を近隣に聞かれたくない」など、家の外に漏れる音が気になるときや、電車や車の音など外部からの騒音を軽減したいときには、内窓の設置リフォームがおすすめです。
内窓とは、今ある窓はそのままに、室内側に新しく窓を設置する方法です。
窓が二重になることで、気密性が高まり、音を遮断する効果があります。さらに断熱効果もあるため、光熱費の節約に役立つのもメリットです。

YKK AP:「マドリモ 内窓 プラマード」設置イメージ
例えばYKK APの「マドリモ 内窓 プラマードU」の場合、外からの音を15dB軽減できます。人の耳は10dB下がると、音が約半分に減ったように感じるといわれているため、効果を実感できるでしょう。
【騒音・音漏れ効果の算出条件】●Before:一般的なアルミサッシと単板ガラス(5mm)の組合せ●After:外窓フレミングⅡ引違い窓外付け枠単板ガラス(5mm)/中間空気層84mm/内窓プラマードU単板ガラス(5mm)

「マドリモ 内窓 プラマード」施工例

まとめ
室内ドアからの音漏れが気になる場合は、防音ドアに取り替えるのがおすすめです。その際は、24時間換気に影響が出ないよう、専門家に設置を相談するようにしてください。
なお、外への音漏れや外からの騒音を防ぎたい場合は、あわせて内窓の設置リフォームをすると効果的です。
組み合わせて対策することで、生活音のストレスを軽減し、快適な住環境を整えられるので、ぜひリフォーム会社に相談してみてください。

MADOショップは「ニッポンの窓をよくしたい」という理念のもと、YKK APとパートナーシップを結ぶ建材流通店が全国に展開する窓リフォームのお店です。
その街の気候風土や文化、そして何よりも地元の“人”に根差し、お客さまの窓の悩みを解決します。

防音対策以外の窓リフォームのメリットは特設ページでご覧いただけます。
メール・電話でのご相談、オンラインカウンセリングも受け付けています。
内窓・窓交換リフォームのメリット
- エアコン効率を上げて冷暖房費削減
- ガラスとサッシのダブル断熱で窓の結露を抑える
- アレルギーの原因、カビやダニの発生を抑える
- 騒音も音漏れも軽減
- 侵入窃盗/強盗の防犯対策

YKK APのインテリア建材商品
リフォームの流れ
STEP1:検討・準備
リフォームに関する情報を収集。
予算も準備しましょう。
STEP2:施工会社の選定
複数の施工業者に相談。
プランと見積りをもらいましょう。
STEP3:プランの精査
施工が決定したら
プランをしっかり精査していきます。
STEP4:着工・引き渡し
施工業者と契約。
経過から仕上がりまで
しっかり確認しましょう。