公開日:2025年02月20日 更新日:2025年02月20日

オーニングとは?

-後付けでおしゃれな快適空間を叶えよう!

テント地でできた折りたたみ式の日よけ「オーニング」は、大きく張り出すので日中の室内の温度上昇や、テラスの日差しに悩んでいる方におすすめのアイテムです。この記事では、オーニングを設置することで得られるメリットや選び方、導入時の注意点までを詳しく解説します。おしゃれで快適な空間づくりがしたい方は、ぜひご参考にしてください。

オーニングとは?

オーニング(awning)は「日よけ」や「雨よけ」を意味する言葉で、日本では主に建物の外側に取り付ける、テント地でできた折りたたみ式の日よけを指すのが一般的です。カフェやレストラン、商業施設などの窓や開口部などでよく活用されるアイテムで、海外では街並みに溶け込んだ姿も多く見られます。

壁に取り付けるタイプが一般的ですが、支柱が独立したタイプや簡易的に突っ張り棒で取り付けるものなど、設置方法も多様化しています。

近年は、一般住宅においても、窓から入り込む強い日差しを避けたり、テラスやバルコニーでちょっとした雨をしのいだりする便利なアイテムとして注目されるようになりました。オーニングを自宅に設置するメリットについては、次章で詳しく解説していきます。

オーニングとは?

オーニングの設置で得られるメリット

オーニングを設置することで、以下のようなメリットを得られます。

どのような内容か、具体的に見ていきましょう。

オーニングの設置で得られるメリット

日よけ効果

オーニングには、夏場の強い日差しから、私たちの暮らしを守る効果があります。

近年、夏になると各メディアで熱中症への注意喚起がおこなわれるようになりました。熱中症は庭を含む住居での発生がもっとも多く、数も増加しています。

オーニングを設置すると、体感温度が6℃下がるというデータもあり、屋外での熱中症リスクを低減できることがメリットです。

オーニングを設置すると、体感温度が6℃下がるデータも

また、有害な紫外線をカットすることで、皮膚の日焼けやシミ・シワの予防にも貢献します。室内に入る直射日光を抑えられるため、家具や床材の日焼けや色あせを防ぎ、インテリアを長く美しく保つのにも役立ちます。

雨よけ効果

屋外に設置するオーニングは雨よけの役割もあるため、ちょっとした雨なら傘をささずに庭先やテラスなどを利用し続けることが可能です。急に雨が降りだしたときでも、窓際の荷物を濡らさずにすむでしょう。

また、部屋の換気なども、少量の雨なら気にせず換気を行えます。

省エネ効果

オーニングを設置すると、夏場は強い日差しを窓の外で効果的に遮り、室内の温度上昇を抑えられます。その結果、エアコンの使用頻度を抑えたり、設定温度を控えめにしたりすることで、電気代の節約にも貢献します。

また、オーニングは収納式のため、日差しを取り入れたい冬場は簡単に格納できます。これにより、太陽光を効率的に室内に取り込むことができ、暖房効率を維持できます。

オーニングの有無による省エネ効果

出典:早稲田大学理工学部 木村教授研究室「オーニングの日射遮へい効果に関する研究報告書」

空間活用

オーニングを設置すると、ベランダやテラスに快適な日陰スペースをつくりだし、くつろぎの空間を生み出せます。とくに夏場は、強い日差しを遮った涼しい日陰ができるので、心地よく過ごせるようになるでしょう。

とくにウッドデッキと組み合わせると、まるで室内の延長のような空間活用を実現できます。朝はカフェのようなくつろぎの場として、昼は読書やティータイムのスペース、アウトドアリビングなどとして、さまざまな使い方を楽しめます。

YKK AP「パラソリア」と「リウッドデッキ」設置イメージ

YKK AP「パラソリア」と「リウッドデッキ」設置イメージ

外観のアクセント

外観のちょっとしたアクセントになるのも、オーニング設置のメリットです。テントカラーやデザインを工夫すれば、家の外観に個性やおしゃれな雰囲気をプラスできます。

たとえば、外壁や窓枠の色とコーディネートし統一感のある美しいファサードに。あるいはシンプルな外観デザインと鮮やかな色合いや柄のオーニングを組み合わせ、住まい全体の印象を明るく引き立てるなど、工夫次第で楽しめるのもオーニングの魅力です。

オーニングが外観のアクセントに

YKK AP「パラソリア」

オーニングは新築じゃなくても設置できる?

ここからは、オーニングを後付けする条件や、一般的な工事の流れなどを解説します。

オーニングは新築じゃなくても設置できる?

オーニングを設置できる条件

オーニングの後付けには、さまざまな条件があります。戸建住宅に壁に付けるタイプを導入するケースでは、壁の厚みや強度、外壁の素材、設置場所の高さなどにより、設置の可否や、選べるサイズが変わってくるのが一般的です。

とくに2階以上への設置では、安全を考えベランダなど下の階まで落下しない場所があり、かつリモコン式とし、風力・陽光センサーを標準装備とすることなどが求められます。

また、オーニングは軽微なテント工作物(運動会等で使う組み立てテントやジャバラ式のテントなど)として扱われますが、敷地をはみ出たり、常設使用したりした場合は、撤去などの行政命令の対象となる可能性があります。

電動で開閉できる商品を希望する場合は電気配線もポイントです。新築時には設置を考慮した電気配線にできますが、リフォームの場合は、電気配線の工事が必要になるケースがあります。設置条件や法規制などについては個人での判断が難しいため、まずはリフォーム会社に相談することをおすすめします。

既存住宅へオーニングを設置する工事の流れ

既存住宅にオーニングを設置する場合は、次のような流れで進むのが一般的です。

  1. 現地調査:建物の構造、設置場所の確認
  2. プラン提案:サイズ、デザイン、素材の選定
  3. 見積もり作成と契約
  4. 施工準備:部材の手配
  5. 取付工事:外壁への固定具設置、オーニング本体の取り付け。場合によっては壁の補強や、電動の場合には電気配線の工事もおこなう
  6. 動作確認と使用方法の説明
  7. 完了検査と引き渡し

設置後も定期的なメンテナンスを実施することが大切です。お店の探し方から、失敗しないためのポイントについては、こちらの記事もご覧ください。

後悔しないためのオーニング選びのポイント

ここからは、実際にオーニングを選ぶときに押さえておきたいポイントを解説していきます。

後悔しないためのオーニング選びのポイント

外観にマッチしたテントを選ぶ

オーニングに使われるテント生地にはさまざまなデザインや色があるので、コーディネートの楽しみが広がります。家の外観や外壁の色、周辺環境と調和するデザインや色を選びましょう。

一般的に、ストライプ柄は洋風、欧風のイメージ、無地はモダンでスッキリとした印象を与えます。ベーシックカラーは外観と調和しやすく安定感がありますが、あえてビビッドな色を選んでアクセントカラーとするのもおしゃれです。

パラソリア 住宅用:Aタイプ 施工例(ヨーロピアン)
パラソリア 住宅用:Aタイプ 施工例(ベーシック)
パラソリア 住宅用:Aタイプ 施工例(モダン)
パラソリア 住宅用:Aタイプ 施工例(モダン)

操作方法はライフスタイルや設置場所にあわせて選ぶ

オーニングの操作方法には、主に次の3つがあります。

操作方法

特徴

手動式

ハンドルを回転させるなどして開閉させる

電動式

壁付のスイッチで開閉するものや、離れた場所からリモコンで操作できるものもある。

電動・手動併用式

通常は電動で開閉し、停電時などは手動で操作するなど操作方法が切り替えられる

中には風力・陽光を感知して、自動で張り出しや巻き取りをおこなう機能が備わった高性能な商品も。予算や利用頻度に応じて選びましょう。

なお2階以上の場合は、安全面から設置が難しい商品があります。また設置できる場合でも、電動で風力センサーがついているタイプが指定されているなど、選択できる商品が制限されることも。導入に際しては、リフォーム会社に相談のうえ検討しましょう。

テント生地は耐久性やメンテナンス性も考慮する

オーニングのテント生地選びは、見た目の美しさだけでなく、耐久性とメンテナンス性も重視しましょう。

一般的なポリエステル生地は、軽量で防水性・耐候性に優れているため、メンテナンスの手間が少なく長持ちします。コットンのような風合いが好みなら、ファブリック調の生地を選ぶとよいでしょう。

オーニングは屋外で使用するアイテムなので、汚れや劣化への対策も欠かせません。表面に防汚加工されている製品なら、お手入れや管理も簡単です。予算と相談しながら、条件を満たせる素材を選びましょう。

サイズと設置角度は慎重に検討する

オーニングの効果を最大限に引き出すには、適切なサイズ選びと設置角度も重要です。サイズは窓やテラスの大きさはもちろん、日よけとして必要な範囲をしっかりカバーできるものを選びましょう。

角度については、設置時に固定するタイプと、設置後も日差しの角度を考慮して角度を変更できるタイプがあります。とくに南向きの窓では、夏と冬で太陽高度が大きく変わるため、角度調節ができるタイプを選ぶと便利です。

YKK AP「パラソリア」の例

住宅用Aタイプの場合、左右のアームを別々に変化させることで、日差しの角度や敷地条件に合せて角度をコントロールできます。

テント勾配の自由度が高いので、変化する日射角度にも柔軟に対応できます。

簡単なハンドル操作をすることで、角度を変えて日差しをコントロールできます。

オーニング設置時の注意点

オーニングの設置に際しては、「オーニングを設置できる条件」で解説したように、壁の強度など設置できる条件を満たしているか、法規制はクリアできるかなどの確認が必要です。

DIYで設置すると、落下や飛散など重大な事故につながるリスクがあるほか、法令違反で撤去を求められる可能性があります。安全で確実な設置のためには、専門知識を持つリフォーム会社に見てもらい、適切な施工を依頼することが重要です。

オーニングに代わるリフォームの選択肢

費用や立地条件のためオーニングを設置できない場合、目的によっては代替手段もあるのでご紹介します。

オーニングに代わるリフォームの選択肢

左:アウターシェード 、右:コンバイザー モダンスタイル

日差しを遮りたい、暑さを防ぎたい

オーニングを設置したい理由が日差しを遮り暑さを軽減したい場合、以下のような方法もあるので検討してみるとよいでしょう。

  • ひさし(庇)を付ける
  • シェードを付ける
  • テラス屋根、バルコニー屋根を付ける
  • UV(紫外線)カットのあるガラスにする
  • 断熱性のある窓にする

太陽の入射角や窓の高さによっては、ひさしのような少しの出っ張りでも日差しを遮る効果があります。シェードはオーニング同様に、不要なときはコンパクトに収納が可能で、垂直に日を遮り西日よけにも最適です。

また、紫外線を防げる機能のあるガラスや、断熱性の高い窓に交換するのも効果的です。とくに断熱性が高い窓にすると、エアコン効率をあげ快適な室内温度をコントロールしやすくなるのでおすすめです。内窓(二重窓)であれば、管理規約上ほかの方法をとれないマンションでも対応できます。

シンプルモダン 上吊りひさし

シンプルモダン 上吊りひさし

アウターシェード

アウターシェード

ソラリア テラス屋根

ソラリア テラス屋根

マドリモ 内窓 プラマードU

マドリモ 内窓 プラマードU

くつろぎスペースを設けたい

日差しを避けつつ、くつろぎスペースを設けたい場合には、次の方法もおすすめです。

  • シェードをつける
  • テラス屋根、バルコニー屋根をつける
  • テラス囲いでサンルームを作る

シェードは張り方を工夫することで、心地よい日陰のスペースを演出できます。また、オーニングのように収納できませんが、大型のサイズや洗濯物干し場として活用したいのであれば、テラス屋根、バルコニー屋根を設置するのも効果的です。日差しの熱を和らげる透明な屋根を選べば、快適に明るい光と青空を楽しめます。さらに、天井にカーテンを付けてよち日差しを遮ることもできる商品もあります。

サンルームを増設すれば、リビングとひと続きの開放的な空間になるでしょう。

アウターシェード

アウターシェード

レセパ 独立テラス屋根

レセパ 独立テラス屋根

木調バルコニー・テラス屋根
サザンテラス

木調バルコニー・テラス屋根 サザンテラス

木調バルコニー・テラス屋根
サザンテラス

木調バルコニー・テラス屋根 サザンテラス

オーニングでよくある質問

最後に、オーニングについてよくある質問とその回答を紹介します。

オーニングでよくある質問

Q.オーニングとシェードとの違いは?

A.オーニングがはっ水性のある点と目の詰まった生地でつくられているのに対し、シェードの生地にははっ水性が低いメッシュ生地のものが多くなっています。また、シェードは端を手すりや床や壁に固定して設置される点も、オーニングとは異なります。

シェードは設置例のように、さまざまな場所に設置ができ、室内の日よけや西日よけ、程よい目隠しをしたいケースに適しています。

YKK AP「アウターシェード」設置例

YKK AP「アウターシェード」設置例

Q.オーニングは雨よけにも使える?

A.オーニングは、軽度の雨であれば雨よけになります。ただし、商品の強度によりますが、やや強い雨や積雪、強風時には、製品や壁面の破損を防ぎ、テント生地の汚れを防ぐため、収納することが大切です。

Q.オーニングの後付け工事にかかる時間は?

A.オーニング本体の設置は、オーニングの大きさなどによりますが、半日程度で終わるのが一般的です。ただし、電源の増設や下地の補強に時間がかかることもあるので、具体的な設置時間はリフォーム会社に確認するようにしてください。

Q.オーニング設置にかかる費用は?

A.設置費用は、オーニングの大きさや設置場所の状態、開閉方法などによって大きく異なるため一概にはいえません。まずはリフォーム会社に見積もりを取ることをおすすめします。

まとめ

オーニングは、日よけや雨よけ効果に加え、省エネや空間活用など、暮らしを豊かにする多彩なメリットをもたらすアイテムです。既存の建物にも後付けが可能なので、手軽に導入できることも魅力です。

商品を選ぶときには、テント生地の素材や操作方法、サイズなど、使用環境やライフスタイルにあわせて慎重に検討しましょう。まずは専門家に相談し、安全で快適な空間づくりをぜひ実現してみてくださいね。

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