公開日:2024年07月31日 更新日:2025年03月27日
窓のひさし(庇)を後付けして快適な住まいを実現!
-選ぶポイントや注意点とは?

窓のひさし(庇)は、日差しを遮ったり、雨が室内に入るのを防いだりする重要な役割があります。そのため新築時にひさしや軒をあえて付けなかった場合、住み始めてからひさしの必要性を感じる方もいるようです。この記事では、窓のひさしの役割や後付けするメリット、選び方のポイントなどを詳しく解説します。ひさしを後付けする際の注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
窓のひさし(庇)とは?役割をご紹介
ひさしとは、窓の上部に取り付けられた、屋根状の構造物を指します。
ひさしには、窓から日差しが入り込むのを遮ったり、雨が部屋に入り込んだりするのを防ぐ役目があります。

窓のひさし(庇)ってなくてもいいの?家にひさしを付けない理由
近年、外観に凹凸が少ない、シンプルなモダンスタイルの家が増加しています。このような家では、ひさしが省略される傾向があります。ひさしをなくすことには、以下のような理由が考えられます。
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特に都会では、敷地を最大限有効活用するため、また建築コストを抑えるために、屋根からのびる軒を短くする家が増えています。それにともない凹凸のないシンプルな外観の家が多くなり、ひさしを省略するケースも増加している と考えられます。
また断熱性能や気密性能の観点からも、FIX窓など開閉することを前提としない窓が選ばれやすくなってきており、雨よけとしてのひさしは不要と考える傾向もあるようです。

【Topics】2010年~2020年の住宅デザイントレンドと軒の長さ
【フラット35】住宅仕様実態調査報告書(令和5年度) によると、軒の出の長さが20cm未満の住宅は、平成29年度の調査では14.2%でしたが、令和5年度の調査では24.9%に増えました。
特に首都圏では、16.6%から32.6%に倍増しています。

窓のひさし(庇)は後付けできる!設置するメリットとは
新築時にひさしを設けなかったものの、住み始めてから「後付けしたい」と考える方もいます。ひさしを後付けすることには、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。
雨や雪が室内に入るのを防げる
ひさしには、窓から雨や雪が室内に入り込み、床が濡れてしまうのを防ぐ役割があります。近年多発しているゲリラ豪雨に見舞われても、窓にひさしがついていれば、真横から吹き付けるような雨でない限りは慌てずにすむでしょう。
梅雨で雨が続くような時期でも、ひさしがあれば窓を開けて過ごせるので、室内の湿気を逃がしやすくなるのもメリットです。

直射日光を遮り、室内の温度上昇を抑えられる
ひさしは太陽が南にきて高度が高くなるときに、部屋に日射が入るのを防ぐ役目もあるため、夏の室内温度の上昇を抑制しやすくなります。
「日射が入らないなら、冬は寒くなるのでは?」と考えてしまいますが、冬には太陽の高度が下がるので、ひさしがあっても部屋に日差しが差し込むため問題はありません。

窓周りの汚れや劣化を抑制できる
ひさしがない場合は、窓に当たった雨が流れ落ち、たまったゴミを取り込んで、サッシの端から下に流れ落ちていってしまいます。その結果、壁に沿って黒いラインが引かれたようなシミがついてしまうことも。その点ひさしがあると、窓周りに直接雨が当たりにくくなるので、汚れがつきにくくなることがメリットです。
窓にひさし(庇)を後付けする際のポイント
窓にひさしを後付けするときに、抑えておきたいポイントをご紹介します。

家の外観デザインにふさわしいひさし(庇)を選ぶ
ひさしは、家の印象を大きく左右するアイテムです。後付けする場合は、シンプルなデザインのひさしを選ぶと、今の外観デザインを損ないにくくなります。
例えばYKK APでは、次のような後付けにも適したひさしを用意しています。
コンバイザー アームスタイル
住まいとコーディネートしやすいデザインとカラーが特徴のひさしです。
軒天(ひさしを下から覗いたときに見える部分)には木調色を組みあわせるのもおしゃれです。
出幅が大きいため、テラス窓や玄関、勝手口など大きな開口部にもおすすめします。

外壁と色味をあわせたので、後付けとは思えないほどとけこんでいる/コンバイザー アームスタイル(YKK AP)
コンバイザー モダンスタイル/ベーシックスタイル
無駄を省いたシンプルでスタイリッシュなデザインの、アルミ製ひさしです。
シンプル&フラットなフォルムは、さまざまな場所やスタイルに、ほどよい存在感と重厚感を与えます。
オプションの「すだれフック」や「アウターシェード」を取り付けると、日よけ効果も高められます。

ベーシックなフォルムのひさしが、ほどよい重厚感を与えている/コンバイザー モダンスタイル(YKK AP)
コンバイザー シンプルスタイル
シンプルながら、外観におしゃれなアクセントを加えられるひさしです。
金属系サイディングの外壁とあわせてもスタイリッシュ。
シンプルモダンな外観にも、違和感なくおさまります。

スタイリッシュなデザインのひさしが、インダストリアルな外観とマッチしている/コンバイザー シンプルスタイル(YKK AP)
キューブシェード
雨の吹き込みや日射の差し込みを、上からも横からも軽減してくれるボックス型のひさしです。
ロの字・コの字・L字があり、よく風を受ける方向によって選ぶことで、効果的に風を取り込めるようになります。

①ロの字、②L字。③コの字/キューブシェード(YKK AP)
ひさし(庇)のサイズは 目的に応じて選ぶ
後付けするひさしの適切なサイズは、設ける目的が雨よけなのか日差しよけなのかによって異なります。窓の大きさや方角、よく吹く風の方向なども考慮したうえで、出幅や横幅を考えることが重要です。
太陽高度や日差しが入りこむ角度、立地による風向きなどに応じて検討するためにも、エリアの気候に詳しいリフォーム会社や施工店に相談して検討するのがおすすめです。
窓のひさし(庇)を後付けする際の注意点
ここでは、窓にひさしを後付けする際の注意点をご紹介します。

建蔽率(けんぺいりつ)や隣地との距離に注意する
窓にひさしを後付けし、建蔽率(けんぺいりつ)を超えたり、隣地との距離が適切に保てなくなったりすると、建築基準法や民法に違反する可能性があるため事前に確認が必要です。
また違反とはならなくても、建築面積に含まれ固定資産税の算出根拠となる延床面積が増えた場合、税額が高くなる可能性があることも理解しておきましょう。
敷地面積に対する建築面積の割合を指し、地域ごとに50%、60%などと決まっています。ひさしについては、出幅が1mを超えると、建築面積に含めることが建築基準法で決まっています。
また、それとは別に、軒先から隣地までの距離も、50cm以上離すことが民法で定められています。
DIYは避け、プロに依頼する
ひさしを後付けする場合、DIYでの設置は避け、リフォーム会社や施工店といったプロに依頼することが重要です。
ひさしを設置するときには、外壁に穴をあける必要があります。その際、適切な雨仕舞い(雨が入り込まないように処理すること)ができないと、壁の裏側に雨水が入り込み家が劣化するリスクが高まります。
また、取り付ける箇所は下地の強度が保てるかよく確認が必要です。もし強度が足りない場合には、台風で強風を受けたり大雪が降ったりしたときに、落下や飛散してしまうかもしれません。
万一、飛散して隣家や近隣の住人を傷つけた場合には、大きなトラブルになることも考えられます。ひさしの後付けに際しては、必ずプロに依頼しましょう。
窓にひさし(庇)を後付けする費用は設置位置に影響される
窓のひさしを後付けする費用は、設置するひさしの大きさや数によって異なり、また1階か2階かによっても差があります。
特に2階の窓にひさしを設置するために足場を組む必要がある場合は、費用が高くなるのが一般的です。費用を抑えたい場合は、屋根や外壁リフォームの時期にあわせるのも方法の一つです。
ひさしの後付け費用は、商品代金プラス人件費となるケースがほとんどなので、お店に相談・確認するようにしてください。

ひさし(庇)の後付け以外の方法も検討しよう
ひさしを後付けする目的によっては、ひさし以外の方法でも課題を解決できる可能性があります。ここでは考えられる方法をご紹介します。
オーニングを取り付ける
暑さ対策や省エネ対策には、オーニングを設置するのもよい方法です。
オーニングは、室外で直射日光を遮るため、室内のカーテンなどに比べて日よけ効果が格段に優れているのが特徴です。
自然の風を部屋の中に取り入れ、日差しをコントロールすることで夏の冷房費を抑えやすくなります。
シェードを設置する
ひさしの後付けの目的が日差しを遮ることなら、シェードを設置するのもおすすめです。
シェードはとくに、ひさしでは遮ることができない横からの光を遮る事ができ、西日による室内温度の上昇を抑えるのに役立ちます。
シェードは日よけを使用しない季節や強風時は簡単にすっきりと収納できるため、外観に影響しにくいのもメリットです。
バーを設置する
窓の上にバーを取り付けると、シャッターや樋(とい)を気にせず「よしず」や「すだれ」などをスマートに設置できるようになります。
ガーデニングや家庭菜園を楽しむ方なら、グリーンカーテンにするのもおすすめです。
窓ガラスを交換する
室内の温度上昇を抑えたいなら、日射遮蔽型(遮熱タイプ)のLow-E複層ガラスに交換するのも一案です。
遮熱タイプのLow-E複層ガラス は太陽の日射や照り返しなどの熱の流入を減らせるので、室内の暑さを軽減し、室内の色あせ防止にもつながります。
ひさしでは解決が難しい西日対策や、建蔽率(けんぺいりつ)が課題の場合の手段としてもおすすめです。
アルミサッシや古いサッシを使っている場合には、窓自体を交換するリフォームをすると、断熱性能を向上できます。
あわせて検討してみるとよいでしょう。
スリットタイプのシャッターを後付けする
日差し対策なら、シャッターを後付けするのも方法の一つです。
スラットと呼ばれる板状のパーツが連なったスリットシャッターなら、シャッターを閉じたまま通風や採光をおこなえます。
リモコンで操作できるタイプを選べば、窓を開けることなく簡単に操作が可能です。窓からの侵入を防ぐ防犯対策や、台風時に飛来物から窓を守る防災対策にも役立ちます。
まとめ
窓のひさしは、雨や日差しから室内を守り、窓周りの汚れや劣化を防ぐ役割を果たします。
ひさしがない家に住み始めてから「あったほうがよかった」と感じた場合でも、後付けができるので検討するとよいでしょう。
なお、後付けするときには、家のデザインに合ったものを選び、建築基準法や民法などの法律違反にならないようサイズにも気を配る必要があります。DIYで後付けし、後々トラブルにならないよう、ひさしを後付けしたい場合はリフォーム会社や施工店に依頼するようにしてくださいね。
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STEP3:プランの精査
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