公開日:2024年05月13日 更新日:2024年11月29日
窓の断熱がもたらす効果とは?
-窓の断熱リフォーム費用についても紹介
窓の断熱にさまざまな効果・メリットがあるのはご存じでしょうか。光熱費を抑えたい、結露を低減したい、快適な生活環境を作りたい場合には、断熱性のある窓への交換がおすすめです。本記事では、窓の断熱がもたらす効果をふまえて、リフォームによる断熱方法やリフォームにかかる費用についてご紹介します。
窓の断熱がもたらす効果とは?
窓の断熱は、室内の熱が外に逃げるのを防ぐだけでなく、さまざまな効果をもたらします。まずは、窓の断熱の効果を詳しくみていきましょう。
熱の出入りが減り快適に過ごせる
窓を断熱すると、室内への熱の出入りを減少させられます。アルミフレーム(複層ガラス)の場合、家の窓から出入りする熱の割合は冬で50%、夏で74%と高い数値です。
家全体を断熱するには、窓を対策するのが重要です。冬の寒い時期は、窓から室外に逃げる熱の量を減らせるため、暖かく快適に過ごせます。また、夏の暑い時期は室外の熱が室内に入ってくるのを抑えられるため、断熱性の低い窓よりも快適に過ごせるでしょう。
※熱の流入出の数値はYKK AP算出です。
窓からの熱の流入出比率の算出条件【解析No:00033】(2021.7.1更新)
●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ ●気象データ:「拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会 ●住宅モデル:2階建て/延床面積 120.08㎡/開口部面積 32.2㎡(4~8地域)「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅」標準住戸のプラン ●躯体:平成28年省エネルギー基準レベル相当 ●窓種:アルミ(複層ガラスA8未満) ●環境条件: 冬:外気温:2.6℃、室温:20℃ 2月14日 5〜6時(日平均外気温最低日)、東京 夏:外気温:34.8℃、室温:27℃ 8月5日 14〜15時 (日平均外気温最大日)、東京
光熱費を節約できる
窓の断熱性を高めると、冷暖房の使用を抑えられ、光熱費の節約にもつながります。地域によっても異なりますが、断熱性の高い窓を使用すると年間の するケースも見られます。
断熱窓の購入・設置に費用がかかったとしても、光熱費が節約できれば長い目で見ればお得といえるでしょう。
※体感温度の算出条件
住宅モデル:「住宅事業建築主の判断の基準におけるエネルギー消費量計算方法の解説」の計算モデル(LD) 使用ソフト:AE-Slim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/株式会社 建築環境ソリューションズ 住宅断熱仕様:次世代省エネルギー基準適合レベル 外気温:0℃ 暖房設定温度:24℃
結露が低減する
結露とは、室内の暖かく湿った空気が冷え、空気中の水蒸気が水滴になったものです。窓の結露は、室内外それぞれに面した窓ガラスの温度差を抑えると発生しにくくなります。窓の断熱性を高めると窓の温度差が生じにくく、結露の低減にも効果的です。
結露が発生する周辺は湿度が高く、カビやダニの発生原因ともなるため窓の断熱による対策が必要です。
ヒートショックの防止につながる
窓の断熱には、急激な温度差が原因で引き起こされるヒートショックの防止にも効果があります。ヒートショックは、温度差がある場所に移動した際に血圧が急激に変動し、体に負担がかかって起こる症状です。とくに冬場は、暖かな部屋と比べて気温の低い浴室やトイレでヒートショックが起こるケースが多く注意が必要です。
窓を断熱して家全体を暖かく保てば、急激な温度差が解消でき、ヒートショックの防止にも有効です。
環境負担を軽減できる
SDGsの観点から、エネルギーの無駄を抑えるのが世界的に急務とされています。日本でも、2050年脱炭素社会の実現に向けて、国をあげた住宅高性能化への取り組みが急激に進んでいます。
断熱窓に交換すれば、快適な生活環境や光熱費節約などのメリットが得られるだけでなく、環境負担の軽減にも貢献できます。
断熱性の高い窓とは?
すき間風が入るような気密性の低い窓は断熱性が低いというのは明らかですが、断熱性の高い窓は、そうでない窓と比較して「サッシ」「窓ガラス」にも違いがあります。
たとえば、樹脂フレームの窓は、アルミフレームの窓に比べて熱の伝わり方が約1/1,400です。また、ガラスを2枚使った複層ガラスなら、ガラスとガラスの間の空気層により断熱性が高くなります。
リフォームによる窓の断熱方法
リフォームでの窓の断熱方法には、主に3つの方法があります。それぞれの方法について詳しく解説します。
内窓(二重窓)を設置する
内窓は、既存の窓の内側にさらに窓を取り付ける方法です。
二重窓になって断熱性が高められるだけでなく、防音や防犯、日差し対策にも効果があります。既存の窓は外さずそのままでよいため、比較的簡単な工事ですむのも嬉しいポイントです。窓は共用部扱いとされてリフォームが難しいマンションでも、内窓の設置なら許可されるケースもあるので確認してみましょう。
断熱性の高い窓に交換する
アルミサッシをお使いの場合、断熱性の高い樹脂製の窓への交換がおすすめです。
窓に交換する方法は、主に2つあります。はつり工法は、既存のサッシを外す際に外壁を工事するため、時間がかかり工事費も高い傾向にあります。一方、カバー工法は既存の窓枠の上から新しい窓を取り付けるため、リフォームが比較的簡単で、工事費も抑えられます。
はつり工法 | 窓周りの外壁をカットし、既存のサッシを外して新しいサッシを取り付ける方法。 |
カバー工法 | 既存の窓枠の上から新しい窓を取り付ける方法。はつり工法にくらべて短工期・工事費が抑えられるが、窓が小さくなる場合も。 |
断熱性の高いガラスに交換する
窓ガラスが単板ガラスの場合、断熱性の高い複層ガラスへの交換がおすすめです。
複層ガラスは複数枚のガラスで空気層をつくり、断熱性能を高めています。
複層ガラスの中でもガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜をコーティングした「Low-複層ガラス」やガラスが3枚になった「トリプルガラス」、空気層にアルゴンガスなどを封入してより断熱性を高めたガラスなどがあります。
高性能なものほど費用が高くなる傾向にあるので、費用と効果のバランスを見て検討しましょう。
DIYによる窓の断熱の注意点
窓の断熱はリフォームするほか、DIYやグッズでもある程度対策できますが、デメリットが生じる可能性もあります。
明るさや眺望が損なわれてしまうだけでなく、窓が開閉しづらくなったりすることも。窓は万が一のときの避難経路になりますので、開閉ができなくなるような設置は避けましょう。
また、断熱シートを貼る場合は、ガラスの熱割れにも注意が必要です。
窓の断熱に関するよくある質問
ここでは、窓の断熱に関するよくある質問を紹介します。
Q:窓リフォームはどのくらいの時間がかかる?
A:カバー工法や内窓設置の場合、人窓あたり約半日~※です。
大きさや設置場所の状況によって所要時間は前後しますが、カバー工法や内窓設置といったリフォームであれば、短時間でリフォームできます。壁を壊したりしないので、粉塵や大きな音もおさえられるのもポイントです。
また、施工時間以外にも下見や見積り等の時間が別途かかります。詳しくは施工店に確認しましょう。
※ 施工時間は納まり、窓種等の条件によりプラスになることがあります。
Q:内窓設置や窓交換のリフォーム費用は?
A:住居の状況や商品仕様の種類によって費用が異なります。
窓のリフォーム費用は住居の状況や商品仕様の種類はもちろん、サイズや枚数によって異なります。
YKK APのリフォーム専用商品を用いた場合の参考価格は「かんたん診断」よりご確認いただけます。より具体的な見積についてはMADOショップへぜひご相談ください。
断熱性のある窓はメリットがたくさん!リフォームでの交換がおすすめ
断熱性の高い窓は室内への熱の出入りを抑える効果があり、快適な生活環境をもたらします。また光熱費の節約、ひいては環境負担の軽減に貢献できるなど、たくさんのメリットがあります。
断熱シートや断熱ボードなどを用いたDIYで手軽に窓の断熱効果を高められますが、粘着面の劣化による張り替えの手間や、熱割れの危険性などデメリットも存在します。
窓の断熱性を高めるために、リフォームも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
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STEP3:プランの精査
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STEP4:着工・引き渡し
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