公開日:2024年09月26日 更新日:2024年09月26日

FIX窓(はめごろし窓)をリフォームしたい!

-おすすめの窓や方法を解説

開閉ができないことが特徴の「FIX窓(はめごろし窓)」。住宅の断熱性能や気密性能に貢献することから、採用された家をよく見るようになりました。その一方、「FIX窓にしなければよかった」と後悔する人もいるようです。 この記事では、「FIX窓」とはどのような窓なのかを紹介し、別の窓へリフォームできるのかを解説します。交換リフォームでおすすめの窓種や方法なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

FIX窓(はめごろし窓)でよくある後悔

FIX窓(はめごろし窓)とは、開閉できない窓のことです。漢字では「はめ殺し」「嵌め殺し」と表し、主に採光・眺望を目的として設置されます。

はめごろし窓は、開閉できず隙間ができにくいため、ガラスやサッシの素材が同じ開閉できる窓と比べて、気密性や断熱性、防音性が高くなるのが特徴です。またガラスの途中にサッシ枠(中桟)が入らないので、眺望がよいといったメリットもあります。

一方、新築時にはめごろし窓にしたものの、「開閉できる窓にすればよかった」と後悔する場合もあるようです。具体的には、以下のようなケースが考えられます。

通気・換気ができない

よくあるのは、FIX窓(はめごろし窓)にしたため、部屋に風を取り入れることができないことを後悔するケースです。

近年の住宅は、家の中の空気を自動的に循環させる「24時間換気システム」が備わっています。設計時に通風計画が立てられているため、窓が開閉出来なくても基本的には問題はありません。

しかし、四季を楽しみ自然との調和をよしとする日本では、季候の良い日には窓を開け、室内に自然の風を取り入れたいと感じる方は多いものです。また室内でホコリが舞ったり、においが出る作業をしたときなどにも「窓を開けて空気を入れ替えられたら良いのに」と思うこともあります。

そのようなことが積み重なり、開閉できる窓がよかったと思うようになるようです。

外からしか掃除ができない

FIX窓(はめごろし窓)は、開閉できる窓のように室内側から手や身を乗り出して、窓の外側を掃除することができません。1階であれば外側から掃除できても、2階や3階の窓となると困難です。

近くに電車や幹線道路がなければ、窓はそんなに汚れないように思えます。しかし、強風が吹いて砂が舞ったり、台風で雨とともに落ち葉やホコリが張り付くなどしたり、窓は意外に汚れるものです。

景観を楽しもうと大きな FIX窓にしたのに、窓が汚れていると台無しです。かといって簡単に掃除もできず後悔してしまうのです。

FIX窓(はめごろし窓)は開閉できる窓にリフォームできる

FIX窓(はめごろし窓)にして後悔したときに、「開閉できる窓に交換できるのかな」と気になる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、FIX窓から開閉できる窓へのリフォームは、可能なケースが多いです。開閉できる窓に交換すれば、通風・換気の問題や、外側からしか掃除できないというデメリットを解消できます。

なお、窓の交換は「はつり工法」と「カバー工法」の2種類があります。このうちはつり工法は、壁を壊して今の窓の窓枠から交換する方法です。窓サイズを大きくすることもできますが、窓まわりの壁を壊すため費用も高額になりがちで、ちゃんと設計・施工しないと耐震性が落ちるリスクもあります。

Before

FIX窓を

Before:FIX窓を…

After

開閉できる窓に

After:開閉できる窓に

窓の交換リフォームにおすすめのカバー工法とは?

「カバー工法」とは、既存の窓枠に新しい窓枠を取り付ける手法を指します。

カバー工法は窓サイズは今よりも一回り小さくなりますが、外壁を壊すことなく窓を交換できるため、はつり工法と比較して費用を安く抑えられることがメリットです。騒音や廃材も少なくてすむので、環境にもやさしい工法といえるでしょう。

窓交換でおすすめの「カバー工法」

FIX窓(はめごろし窓)から交換する開閉式の窓の種類と選び方

窓は開き方によってさまざまな種類があり、既存のFIX窓(はめごろし窓)がどのような大きさ・形状かによって、選ばれる窓の傾向が異なります。
交換して取り付ける窓の種類は、地元のリフォーム会社などに相談し、よく吹く風の方向なども考慮して選ぶのがおすすめです。
また、窓が開くスペースが確保できるのかも確認のうえ交換しましょう。

FIX窓(はめごろし窓)から交換する開閉式の窓の種類と選び方

窓が縦長の場合

既存のFIX窓(はめごろし窓)が縦長である場合、片上げ下げ窓やたてすべり出し窓への交換が選ばれやすくなります。

片上げ下げ窓

片上げ下げ窓は、上下2枚の障子のうち、下側だけが動く窓です。窓の開き具合を好きな位置で固定できることがメリットで、洋風な住宅によく合います。ただし片上げ下げ窓は正面からの風しかうまく取り込めないため、風向きによっては次に紹介するたてすべり出しを検討することをおすすめします。

たてすべり出し窓

たてすべり出し窓は、縦方向を回転軸にして、外側へすべり出しながら開く窓です。家の外側に沿って吹く風を、効果的に取り込めるメリットがあります。

窓が正方形・横長の場合

既存のFIX窓(はめごろし窓)が正方形や横長で、サイズが小さい場合は、引違い窓やすべり出し窓が選ばれる傾向があります。
一方、窓サイズが大きく、風を入れつつ眺望も維持したいケースでは、FIX窓とたてすべり出し窓を組み合わせたウインドキャッチ連窓を検討するとよいでしょう。

引違い窓

引違い窓は、日本の窓でもっとも多く使われている、ベーシックな横引の窓です。開き具合によって風通しを調節できることがメリットです。

たてすべり出し窓

すべり出し窓は、横方向を回転軸として、障子が外側にすべり出しながら開く窓です。開いたときにひさし状になるので、小雨程度なら窓を開けたまま換気できます。

ウインドキャッチ連窓

ウインドキャッチ連窓は、FIX窓(はめごろし窓)を中心として、たてすべり出し窓が左右に付いていることが特徴です。左右両方からの風を効率的にとらえられることが、ウインドキャッチ連窓の大きなメリットです。

窓の下端が床に面している掃き出し窓サイズの場合

既存のFIX窓(はめごろし窓)が、下端が床に面している掃き出し窓サイズの場合には、引違いテラス窓など、ドアのように開閉できる窓にリフォームすれば、直接庭に出入りできるようになり便利です。

また、FIX窓と開閉できる戸を組み合わせれば、眺望を大きく損なうことなく利便性を高められるでしょう。

引違いテラス窓

窓の交換リフォームにかかる費用の目安

窓交換リフォームの費用は、設置する場所の状況、窓の大きさや新しく取り付ける窓の種類によって異なります。
以下の、YKK APのリフォーム商品を使い、MADOショップで引違い窓にリフォームした場合の参考価格を、ぜひ目安にしてみてください。

■マドリモ 断熱窓:引違い窓 参考価格例 [商品代+工事費(税込)]

仕様 掃出し窓など 腰高窓など 小窓
サイズ 大サイズ(掃き出し窓) 中サイズ(腰高窓など) 小サイズ(小窓)
戸建用
(樹脂窓)
約27~37万円 約18~25万円 約15~22万円
戸建用
(アルミ樹脂複合窓)
約23~31万円 約16~23万円 約14~20万円

※ 参考価格は商品価格に工事費等(現地調査費、配送費、施工費、取付諸経費、消費税(10%)等)を含めた場合のご参考としてお考えください。お客様への販売価格は、お客様の住居の状況や商品仕様、窓・ガラスの種類等により変わります。また、MADOショップごとに販売価格の設定基準も異なります。
※ 2021年9月時点の全国のMADOショップ(北海道、沖縄等の一部の地域を除きます。)を対象に実施した実勢価格調査の結果および2023年1月時点のYKK APの公表価格に基づき算出した価格帯一例です。
<断熱窓(樹脂窓)>Low-E複層ガラス入2枚建、クリアネット網戸、樹脂額縁(見切材付)含む。その他オプション別途。 <断熱窓(アルミ樹脂複合窓)>複層ガラス入2枚建、クリアネット網戸、樹脂額縁(見切材付)含む。その他オプション別途。 <断熱窓 マンション用(アルミ樹脂複合窓)>複層ガラス入2枚建、クリアネット網戸(XMH)、樹脂額縁(見切材付)含む。その他オプション別途。

FIX窓(はめごろし窓)の交換リフォームにかかる費用の目安

補助金を使うとお得にリフォームできる

FIX窓(はめごろし窓)から開閉できる窓への交換リフォームにかかる費用を少しでも抑えたいと考えるなら、補助金の活用を検討するのがおすすめです。

たとえば2024年9月現在は、「住宅省エネ2024キャンペーン」が実施されています。そのうち「先進的窓リノベ事業」では、窓の高断熱化を条件に、補助金により最大で約50%相当が還元されてお得です。

カバー工法で使用する「マドリモ 断熱窓」も補助金対象商品となっていますので、既存の窓がアルミサッシの場合は、リフォーム会社に補助金を活用しての工事を相談してみるとよいでしょう。

FIX窓(はめごろし窓)の交換リフォームでよくある質問

FIX窓(はめごろし窓)の交換リフォームで、よくある質問をご紹介します。

FIX窓(はめごろし窓)の交換リフォームでよくある質問

Q.窓の交換リフォームにはどれくらいの時間がかかりますか?

A.カバー工法であれば、1箇所につき半日程度※でリフォーム工事が終了します。

壁を壊す必要がないため、短期間でリフォームができます。ただし、施工時間以外にも現地調査や見積などの時間が別途かかりますので、リフォームの際はお早めに施工店やリフォーム会社に相談しましょう。

※施工時間は窓種等の条件によってプラスになる事があります

Q.リフォーム中は部屋を使えませんか?

A.工法によっては、部屋が使えない時間を短くできます。

壁を壊すはつり工法の場合は、部屋の中に粉じんが舞ったり、電動工具の大きな音がしたりするため、部屋は使えないことが多くなります。

カバー工法でも、作業スペースを確保する必要があり、電動工具の音がするので使わないほうがベターです。ただしカバー工法による窓交換リフォームは、1箇所につき半日程度で終わるので、生活に大きな支障が出ることはないでしょう

まとめ

開閉できないFIX窓(はめごろし窓)は通風や換気をおこなえないため、設置を後悔する人もいます。そのようなときでも、カバー工法を採用すると、比較的簡単に開閉できる窓へと交換が可能です。ただしその場合、樹脂サッシや複層ガラスなど、断熱性能ができるだけ落ちない窓を選ぶことが重要です。

なおカバー工法では、既存の窓をFIX窓に変更する逆パターンも対応できます。窓でお悩みの場合はぜひ検討してみてください。

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